ムーミン年表(コミック)

ムーミンはトーヴェとラルスが描いたムーミンコミックを筆頭に、いくつかコミックスが出ている。特にイブニングニューズで連載されたムーミンコミックスは、ムーミンブームを起こすほどの人気作となる。他、トーヴェ/ラルス・ヤンソンが手掛けたもの以外のコミックもここで扱う

1947年10月3日~1948年(コミック):スウェーデン語系の新聞『ニィ・ティド』紙に「Kometjakten(彗星追跡)」をもとにした初のムーミン・コミックス「ムーミントロールと地球の終わり」を連載。当時トーヴェが交際していたアートスが編集長を務めていたヘルシンキのスウェーデン語系の新聞『ニィ・ティド』紙の子供欄への漫画をトーヴェに依頼。しかしムーミンパパが王党派新聞を読んでいることに読者から抗議があり、わずか半年、26話で連載を終わらせることになる。
トフスランとビフスラン、モランはこのコミックで初登場した。小説版とはまた違った、外連味の強いムーミン谷の彗星となっている
このコミックは現在日本でも「ひとりぼっちのムーミン (筑摩書房ムーミン・コミックス14巻)」で読むことができる

ムーミンの歴史
もうひとつのムーミンの原点、コミックスの世界
ひとりぼっちのムーミン (筑摩書房ムーミン・コミックス14巻)
ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンp233
ムーミンとトーベ・ヤンソンp47

(英)1954年9月20日:イギリスの夕刊紙『イヴニング・ニューズ』にて、ムーミン・コミックスの連載開始。絵とストーリーをトーヴェが担当、英訳を語学に堪能な弟のラルス・ヤンソンが担当し、連載を持ちかけたイブニングニューズのチャールズ・サットン氏が編集を担った
小説版よりは大人向けとはいえ、新聞と言う媒体上制約も多く、またキャラクターの見分けがつきやすいようにムーミンパパにはシルクハット、ムーミンママにはエプロンをつけるといった特徴つけもサットン氏のアイディアで生まれた。
このコミックをきっかけに、世界的なムーミンブームが起こる。

ムーミンの歴史
もうひとつのムーミンの原点、コミックスの世界
The history of Moomin comics – cartoonist siblings Tove and Lars
トーベ・ヤンソン 人生、芸術、言葉p337
ムーミンを生んだ芸術家 トーヴェ・ヤンソンp90
筑摩書房ムーミン・コミックスシリーズ
講談社ムーミンまんがシリーズ
福武書店:ムーミンの冒険日記
ちくま文庫ムーミン・コミックス・セレクション
Moomin: The Complete Tove Jansson Comic Strip
Moomin: The Complete Lars Jansson Comic Strip

(典)1955年:スウェーデンの新聞紙、Svenska Dagbladetでムーミンコミックの連載開始。他フィンランドのFinnish Ilta-SanomatやデンマークのPolitikenでも連載開始。最終的にムーミンコミックは40か国以上、100誌以上で連載された

Moomins and Svenska Dagbladet – Moomin comics in the 1950s

1957年:トーヴェが多忙を極めたため、ムーミンコミックスの14話「Moomin Goes Wild West」から、英訳を担当していたラルスがストーリーにも関わるようになり、コマ端に描かれるサインもTove JanssonからJanssonになる。

もうひとつのムーミンの原点、コミックスの世界
The history of Moomin comics – cartoonist siblings Tove and Lars

1960年1月2日:1959年にムーミンコミックスの連載契約が切れたのをきっかけに、22話「Moomin’s lamp(1960年)」からコミックの制作をストーリーからイラストまで含めてラルスが担当するようになる。サインもLars Janssonに変わる。ラルスのムーミンコミックは、トーヴェよりも長く、73話「Moomin and the Ten Piggy Banks(1975年)」まで続くことになる

もうひとつのムーミンの原点、コミックスの世界
The history of Moomin comics – cartoonist siblings Tove and Lars
トーベ・ヤンソン 人生、芸術、言葉p584

(日)1969年:日本にて初のムーミンコミックスの日本語訳、「ムーミンまんがシリーズ」が講談社より刊行。左綴じだった原作を右綴じにするために左右反転してあるのが特徴。たまに駿河屋やまんだらけ、ヤフオクやメルカリなどに転がっていたりする。

ムーミンまんがシリーズ(wikipedia)

1975年4月16日:ラルス・ヤンソンによるムーミンコミックス終了

ムーミンとトーベ・ヤンソンp67

(日)1991年:日本の福武書店より、野中しぎ訳のムーミンコミックを翻訳したシリーズ「ムーミンの冒険日記」が刊行される。全10巻

(典)(芬)1993年?:スウェーデン、フィンランドでムーミンのオリジナルコミックシリーズが刊行された・・・、のだが、詳細不明。日本では1999年に「ムーミンのぼうけん」シリーズとして、偕成社から発刊されている。
トーヴェ/ラルス・ヤンソンが描いたコミックではなく、多数の作家によって書かれている

Semic(SemicPressのデータ。コミックリストにMuminがある)
https://www.bokborsen.se/?f=5&qt=Mumin%C2%B4Magasinet(スウェーデンの書籍通販サイト。90年代ムーミンコミックが売られている)
Muminserien(典語版wikipedia。90
年代にコミックが作られたことに言及している)
Translated Moomin Magazine Comics & Stories(ファンによる私訳)
https://skruttet.tumblr.com/tagged/muumi%20magazine
偕成社「ムーミンのぼうけん」シリーズ(日本語版

(日)2000年~:冨原 眞弓の訳により、「ムーミン・コミックス」シリーズが刊行される。全14巻。
掲載順は連載順ではなく、最終巻に連載第1話目が収録されているなどしている。2015年に筑摩書房版「ムーミン・コミックス」のベスト版、「ムーミン・コミックス セレクション」が文庫本として発刊されている

筑摩書房ムーミン・コミックスシリーズ
ちくま文庫「ムーミン・コミックス セレクション」
筑摩書房よりムーミンコミックスベスト版発売です!
ムーミン・コミックス、ガイマン賞2016にノミネート!



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