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縄文のビーナスに会いに行ってきた記 ~想像力と数百円~

中々いい刺激を貰えたので忘備録として。糸井さんの名コピーを添えて


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なんでも最近諏訪から山梨に掛けてのエリアが日本遺産というのに指定されたらしく共同でイベントをやってるそうです。

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早速擬人化したビーナスのお出迎え。かわゆい!
土偶に擬人化ってのもあれだけども(笑)

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と建物に向かう前に遊歩道の所に棍棒を持って仁王立ちの黄門様がいる?ここ茅野だけど?と不思議に思って寄っていくと「坂本養川翁」とある。どうりで助さん格さんもお銀も八兵衛もいないわけだ。脇の看板によるとこの八ヶ岳の麓の地域の治水や新田開発の指揮をされた方だとか。

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そう思って見るとなにやら用水路もありがたく見えますな。

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建物の側に先程の養川翁よりもちょっと地味目に銅像がもう一体「宮坂英弌先生像」とあります。お名前は(ふさかず)さんとお読みするそうです。この先生が小学校の教員のかたわら昭和4年からこのあたりの遺跡を発掘されここの初代館長も務めたのだそうです。だからこの尖石縄文考古館にとっては凄い恩人なのに!控えめなのですね

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さてぼちぼちと、さっき先に行ったおばさんグループと間が空いたろうから入りますか

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券売機で切符みたいなチケットを買って受け付けの人に見せるとリーフレットが貰えます。で、この大きな国宝土偶二体の後ろに並んでる椅子で常時流れてる映像で即席の勉強。。。。結構長いぞ!ありがたいけど結構長いぞ!ケツ痛くなってきたのでそろそろいこか。

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でもまだ展示室には行かなーい!題して「会うまで焦らしに焦らす作戦」
しらばっくれて土偶はこういう順番でジョイントしてくんだよって展示をふむふむと眺めながら背中の壁の向こうにおいでであろうビーナスにドキドキ

。。。。。しまった、縄文考古館で一番ベタなギャグをまだ入室する前にやってしまった。

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意を決して入室するともういきなりビーナスがいます!いや、なんかもっと衝立とかなんかあるのかと思ってたらいきなりご対面です。しかも本物!
神々しさに鼓動高まる!

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横から!

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後ろから

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もっかい正面から

はー綺麗!曲線といい光沢といい模様といいこの洗練された像が五千年前に作られたものとは!

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同じ部屋にもう一体の国宝が(この展示品はレプリカ)いるとはなんとも贅沢な空間!こちらは「仮面の女神」発掘されたのは割と最近の西暦2000年の夏。それを聞くと「まだ全国の未発掘の古墳にはお宝が眠ってるのでは!?」って思っちゃいますね

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横から

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背面

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この「仮面の女神」とよく似た土偶が出土している不思議さと、この女神は明らかにお墓の中から発見されているところからなんらかの宗教的な役割があったのじゃないか、とこのミステリアスな外観も含めて想像を掻き立てられますね!

とここまで割と淡々と書き進めてますが実際はもう「縄文のビーナス」と「仮面の女神」の周りを何周もしげしげと眺めながら回ってます(笑)その時の顔は多分見せられないというか見られたくない!だから空いてる時期狙ってきたんだし!

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その後はやたら沢山ある土器の展示や

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土器のピアスや

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ちん…石柱の展示なんかをふむふむと眺めたり

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体験教室で土偶作れんのか!と感心したりして

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外の再現住居へ。中へ入ってみると意外と広いけど昼間でも暗く煙を抜く三角のところから差し込む明かりで辛うじて様子が分かるくらい。数歩あるくと足にコツン、と当たるものがあり驚いてよく目を凝らすとカマドの土台になる半分を埋められた石でした。再現したものとはいえ人の生活を足蹴にしてしまった気がしてバツが悪くなったのですが、同時に何故かさっき展示室で見たばかりの「縄文のビーナス」のあの粘土に雲母を少量混ぜた、という光沢やラメっぽいキラキラの意味がなんとなくわかった気がしました。

ジジ?ジジ寝ちゃったの?もっと狩りの話聞かせてよ。
ん・・ジジはちょっと疲れちまってな、眠たくて仕方ないんじゃ。
ねぇジジったらぁ
こら、マゴ!ジジに無理いうな!
えーチチ、だっておれこれからいーっぱいケモノを獲ってイトコやハトコに分けてやらなきゃいけないんだもん!
はははマゴはジジに似て頼もしいな。
・・・・は、ジジ?いかん!マゴ!急いで隣の部落の祈祷ババ呼んでこい!
「ジジがあぶない」っていやぁ分かる!
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
はあはあはあどうじゃまだ息はあるかの?
ああババさま!まだなんとか!
ジジやい、ジジやいわしの声が聞こえるかの?
あ。。。ああ聞こえますとも。。。。
ババは手に持った袋から大切そうにゆっくりと土偶を出した
かすかにぽぉっと光る、ふくよかなオンナのかたちをした土偶はまるで意思あるもののようにジジを見つめる
か。。。カカさま。。。
祈祷ババはジジの手を取り土偶の腹に導いた
安らかな最後であった

ねえチチ。ジジは死んじゃったってこと?
ん、ジジの身体は、な
身体?
そう、魂は遠い遠いあのお山のそのまた向こうの山の上にな
それはそれはきれいな場所があってそこに行って休んでるんだ
暖かくて木の実も年中あって食べ放題なんだぞ
カミとの約束をずーっと守りつづけていればおれもおめえもみんな行けるって話だ
ほんでそろそろ飽きたなーって頃にまたどこかのカカのお腹ん中にな、戻るんだ
おれもそうやってカカのお腹から出てきたのか?
ああ、そうともさ
マゴはその遠くとおおくにある山の上のその場所を見てみようと目を凝らしたが夕闇でもうよく見えなかった

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