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浪漫には体力が要る。

旅人に憧れている。

キノの旅のキノように大型バイクを乗りこなし、森の中でキャンプをし、バイクと会話しながら国を巡る。

蟲師のギンコさんのように、仕事道具を木箱に入れ、己の足とスキルだけで旅をする。

ポケモンのサトシ御一行だって、10歳という年齢でポケモンの力を借りながら野宿で旅をしている。

おっと、年齢がバレるな?


というのはさておき、現実はどうだ。
燃費のいいスーパーカブに、ウルトラライトのコットとテント。いや、悪くはない、悪くはないが、些か浪漫には欠ける気がする。

今回の旅から、サイドバックを革のものから自転車で有名なオルトリーブのパニアバッグに変えた。

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するとどうだろう。とても快適だったのだ。雨の度に濡れるのを気にしなくていい、オイルも塗らなくていい、手入れも保管も楽で、取り外しも簡単、しかも軽くて丈夫ときたものだ。

自分の中で、革サイドバックは『浪漫』という一点以外で全て敗北してしまったのである。


そう、浪漫には体力が必要なのだ。


ー本当はライターでなくて火打ち石を使いたい。ナイフで木を削ってフェザースティックで火起こしをし、コットンの軍幕で焚き火を楽しみたい。

ー本当はキャンプ場ではなく、誰もいない秘密の場所で星だけを見て眠りたい

ー本当は買い物の惣菜でなく、自分で選んだ食材から調理をしたい。

ー本当はスマホでなく、地図とコンパスで旅がしたい。

ー本当は口コミも評判も見たくない。自分の選択をもっと信じたい。

ー本当はネットに写真なんてあげなくていい。なんなら写真だって撮らなくていいはずなんだ。


けれど現実は難しい。

スマホがないと都市部の片側3車線4車線なんて自分は走れないし、GPSがなけりゃ現在地も簡単に見失う。至近距離のガソスタやコンビニ、飲食店を即座に検索して案内してくれるスマホは便利がすぎるのだ。

道に迷って暗くなりかけた頃にたどり着いたキャンプ場で、のんびり火起こしなんてやっていられない。洗濯に風呂に明日の準備、やることは沢山ある。

少しくらいは記録を残したい。スマホやカメラの充電やWiFiの有無に縛られてしまう。

便利に、簡単に、早く、軽く、快適に、イマドキに。

それらを追い求めると、体力や気力に余裕が出る代りに浪漫が減っていく。

パニアバッグで防水になり雨に強くなった代わりに革バッグの浪漫はなくなった。手入れをして育てる時間と楽しみを、利便性に置き換えたのだ。



現在のわしの最優先事項は“旅をすること“だ。
目についた物や場所で立ち止まり、その度に好奇心を持って物事に接することだ。

そのためには体力を温存しておかなければいけない。
限界ギリギリヘトヘトでは、残念ながら道端の廃バスに立ち止まる余裕はない。
そんなわけで、浪漫は二の次になってしまっているのが現状だ。


それでも、いつかは浪漫たっぷりの旅がしたい。
体力も気力も十分に確保した上で浪漫のある旅がしたい。


わしは今30なのだが、40までにウラルでユーラシアを横断する旅がしたい。

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自分は身長が低く力もそんなにない。乗り物センスも多分ない方だと思う。
しかし大きなバイクに乗りたい。荷物も沢山載せたい。
ウラルはBMW  R75のイラストを描いてからずっと乗りたいバイクだ。
(ケッテンクラートとか言い出さないだけ現実的だと褒めてほしい。

テントも軍幕がいい。米軍のパップテント。カブでのキャンプでは諦めたくらい大きくて重いテントだ。
ランタンもガスランタンがいい。LEDランタンでは足りぬ足りぬは浪漫が足りぬ。

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その前にやらないといけないこと、やりたいことが沢山ある。

まず、世界中をたっぷりと旅しておきたい。
バックパックも自転車もレンタルバイクも、カヌーもやりたい。
(できたら馬とかラクダでの旅もしてみたい。できるだろうか?
そういうすべての旅を経験しておきたい。

旅の仕方や、ナイフの使い方、ロープワークに、登山やアウトドアのスキル向上。音楽もあった方がいいな、ハーモニカの練習もしておこう。ひとりの夜は手持ち無沙汰だから。

ウラルを買うためにはまた貯金が必要だし、乗ったら乗ったで操作の癖や整備等も必要だ。しっかりお世話できるように馴染むまで時間もかかるだろう。

だからこれは10カ年計画なんだ。


この歳でこんなにやりたいことがあると言うの幸せではなかろうかとも思う。
ないのはお金だけである。(これは本当に頑張らねばならない

そうして体力や経験が豊富になったら、いつか本当に自分の思う浪漫のある旅ができる様になるだろうか。

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誰もいない場所で、一人で星を見ながら好きなバイクで好きな様に旅がしたい。
そんなとき、生きてて良かったなぁと言える時が来る気がする。
その後の人生はその時になったら考えることにする。

ネットに写真なんてあげなくてもいい。
なんならスマホもカメラもネットもいらないと言えるくらい、豊かな精神になっていたいと思う。

だからもっと強く賢く、逞しくなっていかねばならぬのだ。


今は少しづつでも旅がうまくできる様になりたい。
そして今はスマホを使わせてくれ...(方向音痴なのだ
あ、あと絵描くのにiPadも...(ネット断ちは無理かもしれぬ。


旅の費用にさせていただきます!