漫画家になれるかどうかはともかくアシスタントはやってみたかった。

コミック大賞に原稿を投稿して大学一年目が終わろうとしていた。

そこでようやくアシスタントの打診をされた。同じ千葉県に住む漫画家がアシスタントを募集しているという。そのコミックスの表紙を見たら、高校の時友達の家で見たことある。とりあえずやりますと答えた。仕事は月に2.3日で仕事があるときだけ連絡が来るそうだ。携帯もメールも普及してない固定電話の時代である。

帰りにコンビニでその漫画が表紙の雑誌を見かけて手に取ると、背景はAKIRAみたいなバリバリの機械と配管だらけの船の中でトーンもすごい。明らかに今の自分には描けるレベルの背景ではなかったのでこんなとこに行ってできる仕事があるのだろうかと不安になった。

大学の春休みは友人にファーストガンダムから見直す再教育をされた。小さいころ再放送で見た記憶で漠然と連邦が正義で敵のジオン軍が悪だと思ってたら全然そんな話ではなかった。Zまで全話見た。

初めてアシスタントの連絡が来たときは帰省と重なって断ってしまった。青春18きっぷで15時間くらいかけて鈍行で戻っていた。新幹線で帰っても五時間。差は一万円と十時間、時給千円のバイトだと思えば楽だった。

二年になっても相変わらず授業は詰め込めるだけ詰めた。朝一は少し空けた。一年の時取った授業は全部単位を取って、二年が終わった時点でもうその学年でしか受けられない専門授業だけやればいい計算だった。


またアシスタントの連絡が来た。場所は同じ千葉とはいえ電車を乗り継いで一時間ちょっと、直線距離は30キロほどなのでたぶんバイクで行った方が早いと思った。大学で授業を受けてから夕方前に教習所でもらった地図を見ながら曲がるポイントを覚え、渋滞をすり抜けながら4-50分で指定された駅についた。

漫画家ってやっぱり不健康なんだろうか、寝れないのか、いろいろ考えながらまわりの人を見ていると、比較的平均より体も声も大きい僕よりさらに体と声の大きい健康的な人がやってきた。それではないだろうと思ったらその人が漫画家だった。スプリガンの皆川亮二先生だ。

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漫画家としてデビューから二十年以上経ちますが一応漫画の収入で生活しております。漫画が好きで漫画家という職業に憧れたことはありますが、現...

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漫画家になれるかどうかはともかくアシスタントはやってみたかった。

夏目 義徳

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にゃるわーん
8

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