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オクトパストラベラー2 クリア後感想※ネタバレあり/ふせったー掲載文再掲

●はじめに

先日、本作のボスを全て倒しました。事ここに至り、改めて本作について自分なりに感じたことを振り返っていこうかと思います。
ふせったーで書いた文の再掲なので、レイアウトとかちょっと見辛いかも知れませんがご容赦を。

※タイトルにもある通り、スタッフロール視聴+隠し要素一通り確認後状態での記事なので、ネタバレしまくっています。ご注意ください。

●総合点数:38/50点

10点満点中
グラ9
音楽9
システム8
キャラ7
ストーリー5

・グラフィック

カメラワークがこだわっていて、戦闘のフルブースト攻撃時やイベントの重要な場面でのアングル変更はとても効果的だった。
一方で、前作と比べて全体的に「闇」の目立つ世界観だったせいか、間違いなく進化していたはずのグラフィックを素直に堪能しづらかったのがネック。美しい景観の街や風景にももれなく闇要素をぶっ込んでくる本作には、少々悪趣味さすら感じる。

・音楽

基本的な構成は前作同様、各主人公にメインテーマやボス前曲が割り振られていたが、今作は新たに「メインストーリーのラスボス戦曲」も各主人公ごとに用意されていたのが印象的。
個人的には主人公でプレイしていたこともあって、ヒカリのテーマの大河的な感じが特に好きだった。また、今作のボス前曲はどちらかというとロック調なものが多く、全体的に親しみやすかった印象。
曲のクオリティも相変わらず高く、個人的には前作でちょっと微妙だった中盤以降の通常戦闘BGMが、今作ではどれも素直な作りになっていて退屈さが感じられなかったのがよかった。あと前作より感情に訴えかける曲が多かったかも。イベシーンでよく流れる「背中を押して」は泣ける名曲。
気になった点としては、キャッチーな曲調の「決戦2」を聴く機会があまりなかった所。ストーリーの後半、重要なボスの曲の多くが前座感の強い「決戦1」だったり、ダンジョンボスやシナリオの中ボス戦の「激戦」が流れる場面が多すぎたりと、曲採用の基準は少し疑問。もうちょいバランスとってもろて。(ソローネ編ハイライトたるファーザー戦が決戦2じゃないの大いに疑問)
あとは本作の最終章たるエクストラストーリーに入ってしまうと無音or不気味なBGMで統一されていて、せっかくの素晴らしい音楽を殆ど堪能できなかった辺りも減点対象。ラスボス戦曲は素晴らしかったんだけどね…。
余談だけど、前作裏ボス曲が女声で、今作ラスボス曲が男声なの、これ生贄になった首謀者の性別と合わせてるのかな。

・システム

戦闘システムはEXアビリティ底力のおかげで、前作以上にキャラの個性を楽しめた。育成が進んでいくにつれてアタッカーとサポーターのどちらが求められる性能なのかがはっきり分かれた感じだが、その中でもヒカリソローネといった、両者のどちらにも振れる性能のキャラが強キャラだなあと思えた。
戦闘バランスとしては、裏ラスボス以外は前作の方が歯応えがあったかも。こっちの出来ることが増えたのと、相手の耐久力がそれに見合っていないことが多かったのとで、メインストーリーの後半辺りからは意図的に強要素を封印してのプレイを進めさせられた。
あと、前作はサイラス先生があまりにイケメ…いや強すぎたせいか、属性攻撃がかなりデチューン気味だった印象。物理攻撃がインフレしていたのもあって、特に裏ラスボス戦では属性攻撃要員だったオズバルド先生が急遽サポーターに鞍替えさせられる珍事が発生していた。
なお、やはり商人は最強の模様。獣人呼び隠し傭兵はゲームバランス投げ捨ててるでしょ。

戦闘外の部分で言うと、もう酒場でのパーティ入れ替えはいらないと思った。最終章で自由入れ替え制が実装されたときは「最初からやれ」ってなった。最終章限定システムといえば戦闘でもあったけど、あれも楽しかったのでもっと使える場面を作って欲しい。追加コンテンツとか来ないかなあ…。
ワールドマップのカーソル遅いのもちょっと気になったかな。その辺は評価には直結しないが。

・キャラ

メインの8人は捨てキャラなし。みんな魅力的。
獣人らしい肉好きながら所々ドライなオーシュット
困った人はほっとけないオカンなキャスティ
一見するとクールだけど、自由を夢見るからか他人の姿を見て「いいね」と言いまくるソローネ
お堅く見えるけど「興味深い」と話を聞いてくれる意外性を持つオズバルド
圧倒的「陽」の化身パルテティオ
踊子なのに実際は本作のトレサ枠な明るさのアグネア
もう「石田彰」って声を決めてからキャラ考えたろってくらい石田キャラなテメノス
「友」を重んじ、清廉潔白ながら内に秘める闇の力に苦しむ属性盛り盛りなヒカリ

ネームドキャラも魅力のあるキャラがたくさんいるが、それ故にエクストラストーリーのシナリオ構成と相まって本作の評価を少し下げざるを得ない部分があるのがもどかしい所。
シナリオライターが前作の汚さの極みたるプリムロゼ編担当の人が単独になった弊害か、語彙が汚いキャラも増えた印象。体験版段階で「マスかく」とかほざくキャラいるのはちょっとね。この弊害は次の項目でもう少し。

・ストーリー

基本的には出来のいい本作において、唯一手放しに良いとは評価できない部分。正直、この部分のせいで万人に「オクトラ2はいいぞ!みんなも早く来い!」とは言えなくなった。
メインストーリーの殆どについては、むしろ評価点。
これまで絶望のどん底に叩き落とされた反動か、ラストが熱血展開で一気にスカッとするオズバルド編辺りは特に印象に残る。
一部キャラはエクストラストーリーに繋げるためにちょっと消化不良な終わり方をするが、それでも当面の目標はみんな達成するので、そういう意味では不満を覚えるキャラは少ない。
敢えて言うならソローネ編は、どっちかというとビターorバッドな印象を与える終わり方をするので、そこをどう見るかで評価はまた変わってきそう。

問題は、メインストーリーが終わった後に遊べる最終章たるエクストラストーリーこれの出来がとにかく悪い
何が悪いって、本編で登場するキャラの多くが「実は裏切り者でした」という展開。これ、調理次第では作品の印象を一気に強くして、評価も上げられるカードなのだが、その逆も然り。そして今作は、その逆のパターンを行ってしまったといわざるを得ない。
主人公を陰ながら支えていた者、主人公の戦いに大いに貢献した者等…。大なり小なり、メインストーリーに関わってきた人間が伏線こそあれど、大した必然性もなく続々と裏切っていく展開のせいで、一部メインストーリーの読後感を大きく損ねる二次災害を生み出していた。(特にヒカリ編・テメノス編辺りは被害大)
正直、エクストラストーリーのシナリオ展開を鑑みると、わざわざ裏切り者にやらせずに、謎の敵勢力のモブどもに任せても十分に通用する話の流れだった。事実、オーシュット編に関わる人物については完全にそのポジションだった訳だし。
わざわざメインストーリーの読後感を損ねる必要など無かった。

・少し多すぎた「闇」要素への不満

これに限らず、本作は所々に露悪的な要素が強い。どの街に行っても、どの話を読んでも何かしらの汚い要素を見せてくる。ラスボスが「暗黒」そのものだからなのかもしれないが、それを打ち倒すだけの「光」も同じくらい描かなきゃいけなかったのではないだろうか。一応オズバルドの究極魔法やパルテティオやアグネア、ヒカリといった「光」も描かれてはいたが、それだけで対抗できるとするにはちょっと劇中で描かれる「闇」の比重が強すぎたのでは…と思わざるを得なかった。

せっかくレトロRPG風のゲームなんだから、シナリオ周りももう少しすっきりしても良かったのではないかと、この部分はクリアして半月近く経った今でも不満。
そういう意味では、前作は良くも悪くもアッサリしていてよかった。あのくらいでいいのに。

一応擁護するのであれば、ラスボス戦後の同窓会パート、そして作品を総括するアグネアのステージ。ここは素直にいいと思った。それだけに、その過程が雑の極みだったのが非常に勿体なかった。

●総評

前作からの進化は間違いなくしていた。
ただ、世界観のダーティさまで進化してたせいで、ゲームとしては面白くても作品として好き!オススメ!と胸を張っていえる作品ではなかったのが残念。
次回作ではシナリオライターを1みたいに連名に戻して、もっとグラフィックに合ったライトな世界観やストーリー構築を希望したい所。

色々言ったけど、このシリーズ自体はまだ好きなままでいられているので、もし3が出たら買うと思う。
なんだかんだ、クリアして「時間を無駄にした」とは思わなかったし、気になった人は遊んでみて損はないかも。とはいえ、ここまで読まれては殆どネタバレ食らってるだろうから、それでも興味を持てた人はって感じだが。

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