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オケラディスコとは何だったのか

今回は私立恵比寿中学の「オケラディスコ2023」を10/7、10/22と見て思ったところになります。今年は秋恒例の「ちゅうおん」をスキップしての新しい試みとなります。さて、どういうイベントになったのでしょうか……。
普段、noteでは何年も前のことばかり上がっているのですが、今でも行けるところには行っていますので今回は見に行きましたオケラディスコのイベントとしてどういうものだったのか、見てどういう風に思ったのかについて書きていきたいと思います。
内容に関してはいつも書いているはてなのテキストと内容が同じになっている部分も多くなってしまうかと思います、申し訳ありませんがよろしくお願いします。
ちなみに曲を聴いて思ったことなんかは、はてなの方のここここに書いていたりします。

■オケラディスコ要素の整理

DJ

ステージ中央のエビオブジェにあったDJブースに表れて「ebiture」のMIXを流してメンバーを呼び込んで去っていくという感じだった女性DJですが、初日はDJブース自体の使用がそれだけで、途中でつなぎとかに出てくるのではと思っていたので意外でした。(有楽町に関しては、安本さんが最後のブロックの前のMC後からDJブースに登場してオーディエンスを盛り上げて「One More Time」をラスト曲からj引きずりおろしました)

オーケストラ・バンド

勝手知ったるエビ中バンドのバンマスしんさんがオーケストラアレンジのスコアを書いてくれたとのことで各曲のアレンジもバンド・オーケストラの演奏もとてもよく、良い音圧があったなと思いました。オーケストラがやってくれたら盛り上がるよねっていう曲も多かったですし、こういう時じゃないとやらないかもね、みたいな曲もあったのでオーケストラは体験として非常に有意義でした。
エビ中バンドはメンバーが流動的ではあるんですが、基本的にはバンマスの橋本しんさんが中心になって、ちゅうおんのストリング・ホーンも含めて普段から仕切ってくれているので安心感があります。(今回総勢48名だったとか)

エビ中

今回は10人で1人もかけることなく参加できたというのは一ついいことだったかなとは思います。
コンディション的なところで言えば、ちゃんと比べられたわけではないですが横浜の方が良かったのかもとは思いました。横浜と有楽町の間にニュージーランド遠征が入るという珍しいスケジュールだったのでなかなか難しい面もあったのではという感じがしました。声が出ていないかもと思う場面がちょいちょいありました。
ただオーケストラの音圧に負けないパフォーマンスが出ていたように思うので流石だなと思いました。エマユナはちゅうおんを経験していないとユナちゃんが言ってましたが、昨年の大学芸会でバンド、今回オーケストラということで、ちゅうおんに負けない経験はできたんじゃないかなという風には思いました。

セットリスト

序盤のブロックは比較的セットリストに入りにくい曲が多かったりして今回はそういう感じで行くの?と初見では思いました。途中からはそうでもなかったですが。
横浜と有楽町ではセットリスト自体に大きな変化はなく、選曲へのリアクションとしては当たり前ですが横浜の時の方が新鮮でした。前述したようにあまり普段のセットリストに入らない曲も選ばれていたり、椅子のコーナーでは椅子のコーナー曲(そんなものは存在しません)としては盤石の選曲だったり、公演時間の割に曲数が少なかった(アレンジの関係で1曲ずつが普段より長くなってるからですかね)ので定番曲でも結構外れたりしている印象があったり、面白味はあったような気はします。最近のMUSiC~playlist期の曲が少ないという流れですが、今回はMUSiCからは4曲演られていましたが、playlistからは0でした。でも、4曲中3曲が2018年までの曲なのでノーカンかもなと思ったりはしました。
横浜ではラストがDaftPunkの「One More Time」のカバーだったので驚いたし笑ったのですが、ライブの最後になじみのないカバー曲で終わっていくのはちょっとよくないなとは思いましたし、「感情電車」からの流れはあんまりだなと思いました。実際評判はあまりよくなさそうだったかも。
有楽町では「One More Time」が最後のブロック前のMCからの流れでDJ安本さんの煽りからブロック頭で披露されて、有楽町のラストは「なないろ」が追加される形になりました。これは横浜からのブラッシュアップなのか、元からそういう予定だったのか、会場が国際フォーラムだからなのかちょっと分からなかったですが、久しぶりの国際フォーラム ホールAに流れる「感情電車」と「なないろ」はいろんな意味で良かったですね。

観覧ルール

着席指定席以外は立ちあり、声出しあり、光り物無し。
初日の横浜の時はアナウンスで片手に3本までのペンライトはOKという普段通りの内容を読まれていたので、光らせられないペンライトを片手に3本持つ奇行は推奨されているのかと思いました。有楽町では片手に3本までのアナウンスはなくなっていたかと思います。

■オケラ開催の背景(の予想)

春のツアー、夏のファミえん、秋のちゅうおん(+秋田分校)、冬の大学芸会というルーティンでやっていくと結果どうしても縮小再生産感が出てきてしまうよな、というのも分かります。
会場をちょっと遠くに遠足気分でとはじまったファミえんだって、秩父の山の中で着席声援無し光り物無しのちゅうおんだって大きな挑戦だったと思いますし、これまでにも恒例行事にならなかった挑戦なんかも色々とやってここまで来た結果、元々のコンセプトがコロナ渦の新しい様式にマッチしていたちゅうおんが2020年にも開催できて、2021年にはMOVEと6Voicesでコンパクトな形とはいえツアーができるようになって、ファミえんが2022年に戻ってきてと急変する世界情勢に合わせてデキる形を持つことができたという経緯もあります。
今回は低学年メンバーの成長もあって新しい挑戦へ状況が許すようになったので一度流れを崩して新しいことやってみようという試みだったんだろうなとは思います。この数年は大きめなメンバーチェンジがあったにもかかわらず良い意味でも悪い意味でも規模感が安定していたので上に伸ばすにはさらなる変化っていうことだったのかな。目標として掲げたSSAへ向かう為のフックという部分もあったのかな。でも、新しいことって難しいので、要素の掛け合わせによる新しさみたいなところを狙ったのかなと思います。
実績のあるエビ中と生バンド、ストリングスという「ちゅうおん編成」をより拡張していく形でのオーケストラで、というのはあったのかなと思いました。そこへさらなるディスコ要素としてDJのパフォーマンスを追加していったような感じでしょうか。

■オケラディスコとはなんだったのか

結果的にオケラディスコはちゅうおんの延長線上にあったなとは思いました。今年に関してはちゅうおんで想定通りの100点を取るよりもオケラで120点、150点を狙うという発想があったとしたら、それは分からなくもないです。ただ、そんなことを言われましてもっていうのは分かりますが、100点のちゅうおんと100点のオケラを狙うのがまずは良かったのでは?と思いました。
初回の横浜の時に思いましたが、オケラディスコにはちゅうおんだけではなく、その他にも過去にやってきたライブの色んな要素をピックアップして融合させようとしているのかなと感じました。その結果が倍々の掛け算ではなく、足し算になってしまったのかなと思いました。それで最終的には100点を越えなかったのかなという感覚があります。(誤解を恐れずに言うならば、ちゅうおん成分30%、スターコンダグター的な大学芸会成分25%、エビマニ的成分15%、新しい試みとしての挑戦10%で、100点満点として考えると、満点取っても80点みたいな感じでした、もっと爆発してればどんな層にも痒い所に手が届くことになって100点超えてたんだろうなと思います)

■オケラディスコは成功だったのか

ということで、オケラディスコは成功だったのか否かということですが、これまでエビ中自身がやってきたことと比べられる、というのがとてつもなく厳しくなっていて、初開催のイベントに100点以上を求めてしまう貪欲な気持ちを生み出してしまっているように思います。
内容は良かったですし、十分に楽しめたと思うのでオケラディスコの評価は100点でも良いんですが、エマユナの(そして、真山さんの全編参加が復活するであろう)ちゅうおんを見たかったなとか、オーケストラでもディスコでもテーマを絞った方がもっと迫力出たんじゃないかなとか、言いたいことが出てきちゃうのも仕方ないよねっていう。
今回のテーマを「オーケストラ+ディスコ=オケラ」ととらえると、そこへのアプローチが音楽的なものだけでは限界があったんじゃないかなと思います。
しきりにメンバーから「自由に」とか「踊って」とか言う感じで促されていましたが、視界に入る客席を見る限り、ステージ上で振付が展開されているとき以外はほぼほぼ動きが無かったように見えていたので、客側にも戸惑いがあったんじゃないかなという風には思いました。
総合的なところでいうとイベントとしてはあまり諸手を挙げて成功だったという感じではなかったように思います。

■オケラディスコは続けていくのか

正直なところで言えば、大上段から「オーケストラ+ディスコで新しいイベントオケラディスコを立ち上げるぞ!」とぶち上げた割にはしっくりこなかったのかなと思います。このコンセプトでもう1回があっても全然いいと思いますが、どちらかというと新しい概念としての「オケラディスコ(エビ中のオケラディスコ)」っていうのを作り込んでから再挑戦したらいいんじゃないでしょうか?とは思います。
雰囲気の話ですが、意外と手の内を見せないライブは集客難しいのかなと思いました、さて今回の結果を受けて次回はどうなるのかな?というのはあります。(もし次回があるのなら爆発的に人気が出てチケットが取れないみたいなことになっても、私の分のチケットは当ててください、そんなときは最後列でもいいので)
個人的な感覚なのでもっと違うイメージを持っているという人もいるかと思うんですが、人によって定義が曖昧になりがちなディスコ(これはディスコミュージックとしてのディスコなのか、ダンスホール・箱としてのディスコなのか、みたいなディスコとは何ぞやの部分をうまく提示できていなかったように思います)と逆に定義の分かりやすいオーケストラを合わせるというところで上手く打ち出せていなかったのかなと思います。
ステージ上は与えられたテーマの中で出せる答えという意味では、良いものが出せていたような気がしますが、正直なところテーマの設定が弱かったような気がしてしまいました。ディスコとは?っていう定義の話を2公演目の終盤まで引っ張らざるを得なかったというところは非常に残念でした。

■最後に

個人的なところで言うと、着席指定以外は立ちあり、声出しあり、光り物無しのルールは全然良かったです。ちゅうおんと比べれば1段、2段規制が緩いとは思いますが、ペンラが無いライブはとても見やすいです。今回の2公演に関しては近くに振りコピ必死勢もいなかったのでそういう意味では影響は少なかったように思います。普段もこのルールでやってくれていいんだよと思います。
MCの時に座るタイミングも皆さん早目でしたし、さあ立ち上がろうというタイミングに関してはステージ上からしっかり促される感じだったのでメリハリがあって良かったのかなと思います。
初日は特にですが、視覚的には何も見えない席だったので天井のレーザーを眺めたり、回るミラーボールを見たりしてましたが、内容的には楽しかったです。基本的にはアレンジが効いた曲を生演奏で聴いているので、イントロ聴いて何の曲かなと思ったり、フェイントが入ったりするので脳は疲れたような気がします。そして、客入れの音源が最高でしたので、また聴きたいです。(なので有楽町は早々に入場しました)
SNSでの告知は大切なのは分かるんですが、あんなに毎日やってるとチケットが売れていない感じが出過ぎなんじゃない?っていう風に思ってしまいました。実際に売れてたのかどうかはよくわかりませんし、大会場にしっかり人は入ってたんじゃないかなと思いますけど。私は今回両日とも1階席に居たので2階より上の席の状況はよく分かりませんが。
上にも成分云々の話を書いていますが、結果的にこれは過激派同士の折衷案だなと思いました。方向性は別のところ(音楽性)からの切り口でしたが、過激派(振りコピ光り物勢とちゅうおんしっとり勢)がどちらも譲歩したような形のルールになったなと。勝者はそういうのどうでもいい人(これが実は割合が多くはないような気がします)なのかなと思いました。でも出し物としてはとても豪勢なライブでした。
大箱ライブの演出として悪いところは特になかったかなと思いますが、悪くなかったら良いというわけじゃないんだよなというのがいろんなところで最近よく思う不思議な現象なんですが。

参考図書

国際フォーラムのあれこれについては


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