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無邪気な巨匠にこども心を学ぶ

「大事なことは大抵めんどくさい」
この番組を見たことがなくても、このワードは聞いたことがある人も多いのではないだろうか。
かくいう私もこのワードだけは知っていて、
めんどくさいことを凄まじい熱量でやり切る、
そんな自分とはかけ離れた世界の裏側を見られるのかと思っていた。
もちろんそういった場面もあるのだけど、
宮崎さんのただただかわいいこどものような姿が印象的だった。
(私はいわゆる成功者を勝手に別の世界の住人だと
思い込んでいる節があったなと反省。)

「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」「風立ちぬ」などを世に送り出してきたスタジオジブリの映画監督・宮崎駿(82)はいかにして新作「君たちはどう生きるか」を作り上げたのか。創作の舞台裏で繰り広げられていた物語。2399日にわたる記録。

(C)NHK


番組の中では、2018年に亡くなった高畑勲さんとの歴史や関係性を作品と共に振り返っている。
その中で見える宮崎さんは誰もが一度は感じたことがありそうな
憧れの人に近づきたい、認められたい、ギャフンと言わせたい(ちょっと古い?)
そんな気持ちを原動力にしていた。
その原動力を作品に還元していくのは終わりのない戦いなんだろうなと
思いながらも人を駆り立てる動機って案外シンプルなものなのかも
と思った。


他にも印象的だったのが、かなり書き進めていた絵コンテをボツにした時
何がだめだったかという問いに「つまんないんだよ」と一言。

つまら◦ない【詰(ま)らない】
 おもしろくない興味ひかない。「—◦ない映画

weblio国語辞典

こどもの時はつまらないからやらない、が当たり前だったのに
年を重ねるにつれて、「つまらない」は理由にならないと思い込んでいた。
多分多くの大人が正直つまらないと思っていても、
なんだかんだそれっぽい理由を考えたり
他人にも求めてしまうところはあるんじゃないかと思う。
そんな中で、「つまらない」という感情を言える強さと、
その感情を大切にする優しさを感じた。



散歩して、コーヒーをいれて、たまに人に甘える
そんなかわいらしい姿を見ながら、彼の生み出した作品を見返したくなる番組であった。


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