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木村花さんが所属した芸能事務所の不可解な動きと損害賠償という圧力


キーワードは3/31と5/27という日付。

上は木村花さんが所属していた事務所が5/27に公表したツイートである。

この芸能事務所が何故、花さんの死後わずか4日後にトカゲの尻尾切りのようなマネをしたのか?また、何故契約解消の日付が3月末なのか?

3月末という表現は曖昧だが、一般的に言うと末日というのはその月の最終日を指す。つまり3/31のことである。仮に3/31に合意により契約が解消されてたとしても、一つ矛盾が生じる。

http://archive.vn/KstoX

上は木村花さんの所属していた芸能事務所のプロフィールページの魚拓である。

3/31に契約解消されたにも関わらず、プロフィールはしばらくの間残っており、実際に削除されたのは木村花さんの死後、スターダムの公式発表の後であった。

(スターダムの公式ツイッター)

この疑問で浮き彫りになってくるのが、フジテレビとテラスハウス出演者との間に交わされた誓約書の存在である。

(7/31に公表されたフジテレビ「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」検証報告)

――損害賠償に関する規定についても、契約違反しただけでなく、それによって番組の放送、配信が中止された場合について定めたものです。これは現実的には、出演者による犯罪が起きるなどの重大な事態しか想定され得ず、制作側としては、そのようなことが起きないようにするための抑止力として捉えていました。――

(フジテレビ検証報告15ページ<出演者との誓約書について>より抜粋)

フジテレビの検証報告によると、この誓約書は専門家の監修により作成されたもので、法的にはなんら問題は無いとしているが、実際に問題になってくるのは「出演者による犯罪が起きるなどの重大な事態」の適用解釈である。

フジテレビ検証報告10ページに、木村花さんが3/31に自傷行為したことがはっきり明記されている。

この事件が表沙汰になると、テラスハウスに批判が集まり、イメージダウンによって今後の配信や有料コンテンツにも悪影響を与えると考えるのは、フジテレビの立場からすれば自然の成り行きであろう。

フジテレビが花さんの自傷行為を番組出演者による不祥事であると都合よく解釈すれば、誓約書に書かれている「損害賠償」の文言で睨みを利かすことによって、事件の表面化を防ぎ、番組打ち切りの危機は回避される、という筋書きが出来上がることになる。これは単なる抑止力ではなく、圧力として機能するということだ。

そして実際に、この件は公的には表面化せず(マスコミの報道等)見事に隠蔽され、テラスハウスの配信は続けられていった。

当然そこには出演者へのケアというものは初めから存在せず、番組放送が最優先されるという地獄の沙汰が待っていたことになる。

そういう風に仮定すれば、この朝日新聞の記事のタイトル文が、俄然信憑性を帯びてくる。


次に花さんの所属していた芸能事務所の立場になって考えてみる。

3/31の事件は事務所にも報告されたはずである。そこで事務所サイドの脳裏によぎったのは例の誓約書の文言であろう。この件が明るみになって放送が中止又は打ち切りになった場合、事務所にも責任問題が飛び火する可能性は否定出来ない。

クリップボード028

(木村花さんのインスタグラムのプロフィール。maekawaという人物が当時のマネージャー?)

幸い3/31の件は表沙汰にならず事なきを得た。隠蔽が成功し通常運転に戻ったということだ。裏を返せば、この日付で事務所が木村花さんとの契約を解消する理由が見当たらないということになる。現に撮影終了分や未公開部分の動画は5/18まで配信されている。

さらに、フジテレビの検証報告書(7ページ)によると、「花さんの意向のもと3月末までにテラスハウスを卒業するプランを検討していた」とある。つまり、コロナ禍で撮影が延期になったとは言え、花さんの卒業話を撮影するというプランはこの時点でまだ生きていたことになる。

仮に芸能事務所が3/31で契約解消を行っていたのであれば、検証報告書(10ページ)にある「その後(3/31の後)所属事務所やその他の関係者とも連絡を取り合いながら」と言う部分に重大な矛盾を生じることになる。(11ページにも3/31以降の話として「所属事務所」という言葉がでてくる)

フジテレビ側が契約解消の件を知らなかったとは有り得ない話であるし、既に花さんとの契約を解消をした事務所と連絡を取り合ったというのも不自然である。つまりこの時点で、契約解消は実際には行われていなかったと見るのが妥当なのではないか?。

5/23に花さんが亡くなったことで、芸能事務所にとっては厄介な誓約書の問題が再び浮上してくる。社会的な批判が巻き起こり、責任問題の追求が始まればもうテラスハウス配信どころではない、打ち切りは目に見えてくる。

そして芸能事務所はスターダムの公式発表のあと、ホームページから花さんのプロフィールを削除。さらに、テラスハウスが制作中止を公表した5/27に合わせて「木村花さんとの契約解消」を公表した。

(5/27にテラスハウス製作打ち切りを発表した公式ツイッター)

契約解消の日付を花さんが亡くなった5/23以降ではなく、3/31まで遡ったのは、花さんが3月一杯で卒業するというプランに乗じたと考えられる一方、一番の理由はテラスハウス打ち切りによる損害賠償請求をフジテレビ側から押し付けられる可能性があったため、契約解消の根拠を求めた結果だろう。

3/31の出来事が所属タレントの不祥事という認識をフジテレビ側と共有していれば、事務所にとってこれほど都合の良い日付は他に無い。後で揉めた時に備えて、いざとなったら「3/31に起きた不祥事のために契約を解消した」と言い張れるからだ。

結論を言えば、誓約書の損害賠償という文言に注目することで、今まで見えてこなかった芸能事務所の不審な行動の動機付けが見えてくるということである。

やはり誓約書の損害賠償という圧力は、ほぼ発動していたのではないか?


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