『僕たちがやりました』を1日で10話いっき見したのでその感想

 現在TVerアプリで『僕たちがやりました』を無料で見れる為、1日で10話全部見ました。その所感を置いておきます。
※ネタバレあります。

+++++

 まず、「このドラマのテーマはなんなんだろうと。」思った時に、僕は「善の心を持って生きるべきか生きないべきか」みたいな話だったように感じました。

 主人公のトビオは物事を冷静に見れているような描かれ方を作品を通してされており、実際に「人を殺めてしまった罪の意識」を背負って生きていく様が描かれましたが、その結末は(予定?)より悲惨なものでした。

 作品中盤で、根が真面目なトビオは罪の意識に苛まれ、その罪の意識を振り払うべく、「もし校舎の屋上から飛び降りて死んだらそれまで。もし生きていたら罪の意識を取り払って生きていく」と決心して飛び降りるシーンがありましたが、ここ、かなり真面目だなと思いました。そういったルーレットを回して運命を決めてもらうようなことをしないと、罪の意識を捨てきることができないんだなと。

 飛び降りた結果、死ななかったトビオは第2の人生を歩み始めますが、そこで待っていたのは
・市橋という掛け替えのない友達を作ることができた
・病院の看護師さん(歳上)とのデート
・大好きな蓮子との幸せな日々を送る
などのどう考えても良い人生でした。
 市橋が自殺した以外は。。。

 市橋の自殺によって、「やっぱり罪の意識を忘れて生きていくのは無理だ」となり、結局自首して逮捕され、出所後も罪の意識を持って生活をしてのあのエンド。最悪ですね。

+++++

 エンディングの10年後の話で、マルと伊佐美はそこそこ幸せを勝ち取っているように感じました。

 マルはパイセンの残したお金を使いキャバクラを開業し、以前自分もやられたように客から大金を巻き上げる商売をするというあの反省のしてなさ感。「そもそもヤバ高の奴らが死んだのは、ヤバ高のやつらの行いが始まりなんだから自業自得だろ」といったことも言っていましたが、この点については割と同感というか、爆発させた4人ばかり追い詰められすぎなくても良いとは思いました。その精神で生きていくことが重要だと僕も思ってドラマを視聴していました。

 伊佐美は4人で会った時早々に帰宅し嫁に「もうあいつらと会うことはないかな」と言っているため、あの頃の犯した罪についてトビオのように深くは考えていなさそうでした。子供もいるので単純に忙しいからというのもあるとは思いますが、やはりそれだけ伊佐美の中であの罪については優先順位が低くなったんだろうなと。

 そしてパイセンですが、彼は夢を語っていました。それに対してトビオが「人を殺したのに夢を持つのか!?」と言い、それに対してパイセン「生きてる限り仕方ないやろが!」と返しましたが、本当にその通りだと思いました。夢を持たずに生きる理由、なんやねんと。生物の本能として生殖行為を行い子孫を残すことがありますが、それくらいの最低限の夢くらいは持たないとマジで生きる意味がないと思います。

 この3人と比較すると冴えないクソみたいな人生を送っているトビオ、真面目さがネックになっているとしか思えませんね。僕はこの作品が言いたかったことは、「真面目な生き方をしていたら自分の首を絞めるぞ」と。そういうことだと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?