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西麻布にある夢の焼肉「焼肉X(YAKINIKU TEN)」

「焼肉を料理としてもっともっと突き詰めたら、
まだまだできることは沢山あるのではないか?」
「日本一の”夢の焼肉”を作ろう!」

牛角の創業者である西山知義氏が発したこの一言から焼肉Xが誕生したという背景を知りました。

プロデュースは肉マイスターの田辺晋太郎氏(写真:右)、
シェフは人気ステーキハウスで料理長を歴任された川崎亮氏(写真:左)がアサインされ、究極の焼肉を追求していき5つのコンセプトが出来上がったそうです。

・本当の和牛のすばらしさを伝える事
・本能に訴えかけるタレ焼肉の美味しさ
・最高の焼きで仕上げる匠の焼き
・紹介制の会員制焼肉で全室個室
・和牛とワインのマリアージュ

究極の焼肉店がテーマであり、最上級の料理と演出からなるホスピタリティを追求し、
個室4室で紹介のみの会員制焼肉というスタイルを取られています。

田辺氏と川崎シェフが実際に日本各地を回り、
「人が飼育する動物が、できる限りストレスのない環境で健康的な生活ができる飼育方法をめざす」といった”アニマルウェルフェア”の考え方を体現し生産者を厳選した結果、
・宮崎 都萬牛(とまんぎゅう)
・兵庫 但馬玄(たじまぐろ)
・三重 松阪牛
の3ブランドにいきついたようです。

この日使われた和牛は但馬玄(たじまぐろ)と呼ばれる生産者上田さんの下で育てられたトップクラスの神戸牛の称号で月間3頭出荷という希少性からも幻の神戸牛と呼ばれています。
但馬玄の脂の融点は12℃でマグロのようにとろけることから名づけられたという由来。
関東ではX(TEN)でしか味わう事が出来ず、お店には直送されているとの事でした。

各個室に備えられているのは肉に緊張を与えながら火入れを行うロースターと
輻射熱でゆっくり休ませながら火入れができる厚さ1.5cmの鉄板で、この2つを用いて匠の焼きを実現されていました。

全品メッセージ性がある料理で全てがスペシャリテと感じ取れるグランメゾンでしたが、その中でも特に感動したのは”但馬牛タンの厚切り”とXのシグネチャーメニューである”ユッケ”です。
喜びに満ち溢れている僕を見て最後に川崎シェフからどれが一番印象に残ったかと問われて即答が出来ないほどに本当に全品に感動しました。

【宙 ~SORA~38,500円・ペアリング11,000円(49,500円税込)】

●コンソメ
約55時間かけて抽出されたスープ。飲む前から香りがとにかく半端ないほど良くて個室空間に蔓延し、口に含むと牛テールの甘さが広がるコクのある上品な味。
気品がある芳香な牛骨スープで舌を慣らし、これから焼肉Xの舞台が始まるんだと料理からメッセージ性を感じました。


●旬野莱
 2種類のキムチ
・白菜キムチ
客が来てから調理し、カットしたての白菜にオリジナルのキムチベースを絡めたサラダ感覚のキムチ。
漬けられている時間が短い分、白菜の瑞々しさもしっかりと残っていてとても美味しかったです。お替りしました。
・アイコトマト
フルーツトマトのキムチで甘さと辛さの相反するマリアージュからなる美味。これもお替りしました。
 旬の野菜
・土佐煮
高知の郷土料理。筍(熊本県産)に鰹節と醤油、みりん少々で煮たもの。
・菜の花と羅臼昆布のおひたし。
・独活(うど)
唐辛子味噌で和えたもの。
小鉢も全て和と季節を感じる旬野菜からなるもので日本人の舌に寄り添う美味でした。

●内利し
目の前でカットされた三角バラ、通称特上カルビを出汁醤油と和辛子をつけて頂きました。
マグロの大トロのような融点の低さでカットされている段階で脂が溶け始め、口の中ではねっとりとしたファーストタッチから少ない租借回数で
消えていってしまうそこはかとない上質さでした。特上カルビを焼かずに食べるという状況とそれ自体を目の前にした時の好奇心が堪りません。

●ユッケ★
焼肉Xのシグネチャーメニュー。
使用されている部位はカメノコでした。食べ手をいつもわくわくさせてくれるこのビジュアル、とろけていくユッケの食感は勿論美味しく、
敢えて最初から黒トリュフをかけてから混ぜる事でユッケ全体にトリュフの香りが付き、香りに花を添えていました。
サイドにあったのはキャビア缶。底には下からサワークリーム、生肉が敷かれている3層式。缶の蓋を開けて、スプーンですくい、食感を楽しむ全ての
工程で思わず興奮から心拍数が上がります。

●但馬牛タン
黒タンのタン元を生で食す悦び。但馬のタン刺しは人生初めての経験でした。
隠し包丁が入っていて醤油タレをしっかりホールドして口に運んでくれて、タンなので溶けるというよりかはある程度食感がしっかり残っています。

●但馬牛タンシタ
滋賀県産の安土信長葱をくるんで頂きました。咀嚼数に比例して旨味が口の中に広がるので好きな部位です。


●但馬牛タン 厚切り★
断面のロゼ感を一目見たときにもう絶対に美味しいと約束されているかのような衝撃を受けました。もはやタンステーキといっても過言でないビジュアルです。
焼き面ではなく切った断面の方から噛む事で柔らかい部分から徐々に固い部分への食感を楽しめて、
反発力のあるタン独特のあの食感と溢れる良質な脂に本当に感動しました。

●サラダ
白アスパラガス、インゲン豆のサラダ。
ドレッシングはリンゴ、塩昆布、赤酢のヴィネグレットソースで口直しとしてもスッキリしました。


●日本ー賛訳なバーグサンド
粗挽きのバーグサンド。
生姜ニンニクと和辛子を入れたマヨネーズソースに照り焼きソースを合わせた照りマヨ。エシレバターの芳醇な香りも際立ち、パン生地にはXのロゴが
入っている心躍らせる演出でした。
ガブリつくと肉汁が滴り口周りが脂まみれになっているものの幸せでしかありません。半分食べたところで追い照り焼きソース、つまり追い照りです。
甘く、コクが増してライスにかけても美味しく、ペアリングのワインも進む。胃のキャパシティとのマネジメントに難航しました。

●但馬玄レバー
臭みなど一切なく、食感も崩れず張りが最後まで残っているレバーでした。
搾りたてのごま油と但馬玄専用のペアリング白ワインと共に頂くという今までに経験したことのないマリアージュで面白かったです。

●ホルモン
乾杯時のシャンパンで煮込まれたマルチョウのシャンパン煮込み。ぷりぷりの食感で焼き以外でマルチョウを食べた事がなかったので初めての体験でした。

●但馬玄ヒレ
薄めにカットされた但馬のヒレは歯がサッと入り、そこからはもう歯がいらないかのような柔らかさで消え去っていく儚く上質なものでした。

●但馬牛 ハラミ
外側はよく焼きで頂きました。大のハラミ好きには堪らない食感と味の濃さがありました。

●但馬玄特上力ルビ
序盤の方で生で頂いた特上カルビとはまた違って今度は一気に溶けていきました。
これが焼肉の王道であるカルビの中でも最上級のクラスで焼肉界の「美味しい」を一人占め出来た気持ちです。

●但馬玄 ロース
漬けにされた飛来幸地鶏(ひらこじどり)の卵黄と黒トリュフで頂きました。
漬けられていたせいか卵黄はくずれにくく、ロースの上に置きなおして一口でいきました。ご飯にかけてTKGにしても良かったなと一口でいってしまったことに
後悔するも、卵黄とロースの組み合わせはやはり最高の相性だと感じながら後からやってくるトリュフの上質な香り、至極の内容でした。

●冷麵
スープがシャーベット状になっていてそこにキャビアが乗っかっておりまずビジュアルがとにかく美しい。
酸味が効いていて、ヘベスの柑橘系果汁と青唐辛子がアクセントの冷麺でした。

●もつまぶし
牛モツの土鍋炊き込みご飯が最後の締めです。
一口サイズに刻まれた牛タン、小腸、上ミノが入っていて、蓋を開けたときの芳醇な香りは1品目のコンソメ同様食す前から楽しめる贅沢さがありました。まずは普通に頂いて、次に出し茶漬けをかけて頂き、最後は蟹風味のフライドガーリックとぶどう山椒をかけるとまた味の表情が変わり、1杯で3回楽しめます。香りに始まり香りに終わる、素晴らしい構成でした。

●ジェラート
最後の演出で最高の演出でした。ここまで調理工程を見せてもらいながら食事が出来るのは焼肉Xの魅力であり、宙コースの醍醐味です。
液体窒素で雲のようにモクモクと出てくる白い冷気とそれを吸うロースターは全人類の知的好奇心を触発させる演出なのではないのでしょうか。
紅ほっぺも甘くてちょっとだけ酸っぱくほっぺが落ちる美味でした。

▼店舗HP
https://www.gnavi.co.jp/dressing/article/22372/
▼店舗SNS
Instagram: @yakinikuten_x
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場 所 西麻布
金 額 49,500円税込(宙 ~SORA~38,500円・ペアリング11,000円)
空 間 全4部屋完全個室(ソファ席と椅子タイプの個室)
決 済 カード
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