見出し画像

2019.3.30(土) 即興で役を生きること、即興で人生を生きること

土曜日は演劇教室の日だけど、18時からなのでだいたい昼に別の予定を入れてしまったりすることが多いんです。
たまに予定が被ったりすると、昼間に二つ用事を片付けてから、夜に演劇教室に行くなんてこともあって、そういう時はちょっと詰め込みすぎたな、なんて反省したりすることもあります。

先週の土曜日もその例に漏れず、昼間に別の予定を入れていたんだけど、朝から何となく気が乗らなくて、考えた結果、キャンセル。
何だかこのところ調子が良くないみたいで。

別に体調が悪いわけではないんだけど、何となく気分の問題。
春だからなのか、気温やら気圧やらが急激に変わりすぎるからなのか、わからないけど。

とりあえず、こういうときに動きすぎるのは良くない気がするので、ちょっといろいろスローダウンすることにしました。
と言っても、結局はなんだかんだで動きまくってしまったりするのだけど。
だからこそ、意識的にスローダウンしておかないとダメかなと思ったり。

先々週の土曜日でクラス内発表も終わったので、台本の予習・復習をする必要もなくなり、出かける時間までのんびりしました。
掃除したり、note書いたり、本読んだり、ぼんやりしたり。

演劇教室のレッスンでは、台本をやらない日なのでひたすらエチュード三昧。
エチュードっていうのは、即興演劇のことです。
台本なしで、シチュエーションやルールだけ決めて、その場でキャラクターやストーリーを作って芝居をするんですね。
セリフもその場その場で考えて喋らないといけないわけです。

難しそうと思うか、楽しそうと思うかはいろいろだと思いますが、僕は難しそうとしか思ったことがないです。
楽しそうとはなかなか思えない。
やってみた結果、楽しかった、にはなるんですけどね。

今のクラスではクジで出る順番と組み合わせが強制的に決まるから、出る勇気がなくても出ざるを得ないんですけど、演劇を始めた頃のクラスでは出たい人が挙手制で出るという形だったので、一度も出ることができずに終わってしまうこともありました。
最初の数回だけでしたけど。

出る順番を決めるクジ引きなんですけどね、どうも僕はクジ運が良いのか悪いのか、一番を引く率が高い気がするんですよね。
一番はイヤだなあと思っていると、そういうときに限って一番を引いてしまうのってなんなんでしょうね?
逆に、一番来い! って思いながら引いたらハズれるのかどうなのか?

即興のルールとシチュエーションが発表されて、一番目だとまだアイデアも出ないし、考えもまとまらないうちに舞台上に出て行って、否応無くスタートして、とにかくノーアイデアでもなんでもいいから始めなければならないことになります。
一人芝居ではないことが多いので、相手に助けてもらえることも多いんですけどね。

ただ、即興演劇に限らず、生きているとこういう状況になることってよくある思うんです。
逆に、準備万端で何かを始められることなんてほとんどない。
いつも何かしら準備ができていなくて、考えもまとまってなくて、アイデアも足らなくて、それでもアドリブで即興でなんとかしなきゃならない事態なんてしょっちゅうじゃないですか?

それに、準備が完璧に整ってから、なんて言っていたら、いつまでたっても始められない。
どこかで、思い切って、一歩目を踏み出さないといけない。

そもそもが、オギャアと生まれた瞬間に、何の準備もないままにこの世に放り出されたようなものですからね。
生きていることそれ自体が即興であることには間違いないと、僕はいつも思っています。
これまでの人間の歴史で、この世を生きた人間の誰一人として台本を持って生まれてきた人などいないわけだし、なんならこの世界のルールや自分の役割やシチュエーションなんかも教えてもらえずに、この即興をやり続けて、死ぬ瞬間までけっきょく正解がわからないままなはずなんです。

だから、舞台上に上がって、パンと手が叩かれて、役が生まれ、ある時間を舞台上で生きて、もう一度パンと手が叩かれると、そこで役が終わり、舞台を降りる。
それが10分間なのか、数十年間なのかの違いはあっても、役を生きることと、人生を生きることとは大して差はないのだなと思ったりするのです。

その場その場で、必死で頭を回転させて、必死に言葉を紡ぎ、ストーリーを考え、相手のことを受け止め、感情と身体を動かし、自分を伝える。
即興演劇ではそういうことを必死になってやっているわけだけど、けっきょくのところ「生きる」ってそういうことじゃないのと思うんです。
それで、舞台を降りたときに「ああ、楽しかった」と思えたらそれで良くて、だったら死ぬときにも「ああ、楽しかった」と思えればそれで十分じゃんと思ったりするわけです。

即興で、生きることを、遊べ。

サポートしていただいた資金は、アウトプットのためのインプットに使いたいと思います。読んでもらえる記事にフィードバックできるようにしたいです。