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私の中の進歩 (4月ピアノレッスン)

実は大人になってここぴさんにピアノを習う前に、ピアノを習ってた経験があります。私は小学生の6年間ピアノ教室に通ってました。でも正直、悲しくて苦い思い出しかないのです。



テキストはバイエル(上下巻)を使ってました。
ピアノ練習は自宅練習中に弾けないところが出てきて、どうやっていいか分からないから練習しない。そのままピアノ教室に行っても弾けなくて手が止まる。
そうするといつも「また練習してこなかったでしょ」と呆れた言い方で先生に言われるのが、ほんとうにものすごく嫌でした。

楽譜や弾き方が分からないから、弾けるようになるために先生が弾くレッスン曲を耳で聴いて覚えて、押さえる鍵盤を目で見て覚えて、ウチでは音を探りながら弾くのを練習とするようになってました。

「先生の弾く手を見るんじゃなくて楽譜を見なさい。だからあなたは楽譜がいつまでたっても読めないのよ。」とよく注意されていました。

「あなたは楽譜が読めない」という言葉が心に刺ささって、心臓を手で掴まれてぎゅーーーと握られて血を絞られるような体の痛みを覚えるくらい、息も止まるくらい苦しかったです。

6年間もかかってなんとかバイエルを終了した感じだけが残っていて、達成感もなく、弾けない自分が恥ずかしくって大嫌いっていう惨めさが残って小学生時代が終わりました。

中学校に進んでから、3年間は吹奏楽部でした。

理由は音楽が好きだったのと学校に文化系の部活は吹奏楽部しかなかったから。
私はスポーツ競技が苦手だから迷わず吹奏楽部一択でした。

部員は全員で30人くらいでした。先輩後輩の上下関係もゆるく、仲が良かったです。
吹奏楽部の活動は、音楽室に集まって遊んでいるように音楽をして過ごしてました。

楽譜が苦手な子は、楽譜を読める子にカタカナ表記で音を書いてもらって演奏してました。
楽譜が読めないことで私は下を向いて練習できない時間を過ごしたことは一度もなかった。

私の楽譜に対するコンプレックは無くならなかったけど、みんなで助け合って和気あいあいと練習をし、顧問の先生の指導のおかげで、いろんな楽器の音を聞きながら曲を演奏する素晴らしさと、楽しさを知ることができました。

(ちなみに私の楽器はフルートでした。フルートはト長調でメロディーのパートが多いから演奏しやすくてラッキーでした。)

ピアノ以外の楽器を演奏できた経験と部活動が楽しかった経験のおかげで、
「ピアノをもう一度レッスン受けて、弾けるようになりたいなぁ」
というピアノへの挫折感と憧れとを胸に持ち続けながら中学3年間を過ごしてました。


やがて月日は過ぎ、ここぴ先生と出会って、長い間持っていた「もう一度ピアノを弾いてみたい」という念願が遂に叶って、再びレッスンを始めることとなり、今年で2年目となりました。


レッスンでは、つかえるところを丁寧に教えてくれます。ピアノという楽器を弾く姿勢や体の使い方まで、広く深く丁寧に教えてくれます。

これが私のような楽譜を体の感覚で覚える人間にはすごく分かりやすくてありがたい。

先ず楽譜全体を見て、体のどこを意識して弾くか(目線や骨と関節と筋肉)、音のパターンが変化する所で指の動きがつられるとミスしちゃうから、意識して練習をする箇所はここね、と部分ごとに分けて教えてくれます。

ここぴ先生はのレッスンは、「テキストをどんどん進めて弾けば良し」とするスタイルではありません。レッスンでは、私の音楽の原点である中学生の吹奏楽部のような「音楽を楽しんで演奏する」ことを中心に、ピアノの弾き方を教えてくれます。本当に私にピッタリの教室です


今月のある朝、五線譜の音符が見ただけで、書いてある音が読めるようになっててビックリしました。

ようやく記号に目が慣れてきたんだろうか?と思いながら、この体験はとても大きな変化でした。

それは、子どもの時から自分の中に刻まれてしまった、「私は楽譜が読めない」「ピアノって苦手」という記憶が「五線譜の中の音符は見たら分かるし、初歩レベルだけど私はピアノを弾けるようになった」に書き変わった出来事だったのです。

やっと、私の心臓をぎゅーっと痛くする「楽譜がいつまでたっても読めない」という記憶と言葉がどこかに消えて、もう気にならなくなっていました。

古い傷の痛みが消えて、ほっとしています。これからは新しいピアノとの向き合い方や出会いが始まると良いなって思います。



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