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3月3日 HURTS

午後10時
パソコンを開いた。


今日は日中、ずーっとこの曲を聴いていた。2016年、いちばんに聴いていた曲かもしれない。本当に大好きな曲。歴代でも上位。アキラ100%に次ぐネクスト裸芸人をリサーチしながら、ずっと聴いてた。

ハートはハートでも、心とか感情といった意味のHEARTではなく、傷、痛みなどいう意味のHURTというタイトルの歌(らしい)。かき鳴らす高音のギターが軽快で、思わず笑顔になるような爽やかなメロディーなんだけど、聴き終わるとどこかせつなく、どこか物寂しく、文字通りハートを胸をぎゅーっと掴まれる。ギターの福富さんはこの曲の解説に、『海と思春期っぽさをひきずっちゃってるなんとなくの憂鬱』って書いている。
 


Broken hearts is hiding in the sand
Everybody's trying to dig that ground
I hope you're there on time
It's a bit like luck
 
訳:失意は砂時計の中に埋まっていて
  みんな掘り起こすのに必死になっているけど
  その時に君がそこに居られるといいね
  それは運みたいなもんだから



学生の頃とか、今でもそうだけど、ただなんとなく気持ちが沈んだりした時って、ふとどこか遠く行ってみたくなったり、あるいは、暗くなっていく部屋を見つめながら、飽きたはずのYoutubeをだらだら眺めていたりする。みんなと一緒にいたってそうだ。ツレない感じを出しながら、そっといつもの集団から離れてみたり、集団にいたってどこか心在らずで、ボーッとしていたりする。そんな風に、そのよく分からない“なんとなくの憂鬱”に、ちょっと抗ったり、ちょっと強がって見せても、結局自分ではどうにもならないことを再確認し、またこっそりと戻ってくる。青春はもうここにはないって分かっていてもね。


今朝、異動が言い渡された。
別に部署がかけ離れるとか、職種が変わるとか、そんな大それたことではない。期待してくれてるのが分かる、とても光栄なものなんだけど、やっぱりどこか不安で、寂しくて、喉に骨が引っかかる。2年に1度くらいは経験しているはずなんだけど、心は正直だ。今の職場は心底楽しい。来訪者で溢れかえっている、しい金曜の騒がしいオフィスの中、「どうせすぐ戻ってくるんでしょ?」「なに!左遷?」ってみんながイジってくれる声に、へらへら作り笑いをしながら、その“なんとなくの憂鬱”に負けないように、ずっとイヤホンをしていた。


あの日の心の傷や痛みは、時の行方と共に、砂時計の砂の中に隠されていく。人は、かつてを忘れる。でもなぜか僕たちは、そういう痛みを忘れたくないって、たまに掘り返してみる。そんな痛みこそが、「自分が自分である、ということを証明してくれるもの」だったりする。そして、それはあくまで“なんとなく”だから、決してマジになっちゃいけないよって。


いつかまたこの場所に帰ってこれるように、それでまたこの痛みを堀り返せるように、また頑張らなくちゃいけない。ハートを奮い立たせて。そう、まさに裸一貫でね。


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sunday

トンネル型の並木道抜けて
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