母の余命宣告を受けて


『覚悟してね』

先生からの第一声はこの言葉から始まった

分かっているとは思うけど
お母さんもうだいぶ危ない状況だから
ご家族には連絡しておいてね

その言葉に続いて

先生がよくここまで
お母さんの思いを尊重したね
誰にでもできることじゃない
偉いよ

その言葉を聞いた瞬間

今まで我慢していた全てが

私の中で崩壊した

そして私は
人生の中で、最も長い夜を過ごすこととなる。

母は昔から病院には行かず薬も飲まない

大きな病気1つしたことがなく
自然を愛する母は
最後の最後まで
自分の大切にしているものを貫いた

とても元気でパワフル母ちゃん
いつもニコニコしていた母の様子がおかしくなったのは
ちょうど3ヶ月前のことだった

初めは
ちょっと体調が悪いから横になるね

私もいつものように
寝たら良くなる

そお思っていた

でも
何だかおかしい、、、

だんだんと食べることができなくなり
話すことができなくなり
ついには飲むことすらままらら無くなっていった

途中何度も
病院に行こう

何度も何度も訴えたけど
首を縦に振ることはなかった

そして弱っていく母を見る中で
私は死生観を改めて母から教わることとなる

『大好きな母』

分かってはいたけど
別れはまだまだ早すぎる

分かってはいたけど
生きていて欲しい

分かってはいたけど
まだまだ見せていものがたくさんある

分かってはいたけど
何にもできてないよまだ私

分かってはいたけど
こんなにも偉大で大切な存在だったなんて、、、

最後は自分から病院に連れて行ってって言ってくれた

自分でも限界だと分かったのだろう

そして
弱ったかすれ声で出てきた言葉は

『生きたい』

ただそれだけだった。

私も同じ気持ちだよおかん

たくさんの愛を教えてくれて

たくさんの優しさを教えてくれて

たくさんの強さを教えてくれた

〜あなたの子供で私は本当に幸せです。〜
               2021年7月27日

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