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【先生の深~~い話】スキンケアアイテムをどう選ぶかの基準を探す旅路の羅針盤

さて、ひろみちゃんには本当に基本中の基本。初心者向けの講座を開いてもらいました。
ここからは「そんなの知ってるし~」というちょっとスキンケアに片足突っ込んだ、またはどっぷり浸かりこみ過ぎて逆に抜け出せなくなってしまった方への中級者向け講座。
具体的な商品をしっかり出して、解説していきます!
ズバリ、スキンケアを選ぶ基準はただ一つ!

自分が一体肌にどんな悩みを持っているのか「一つだけ」選んで探していく!

この「一つだけ」がミソです。絶対に「一つだけ」じゃないといけません。
乾燥、肌荒れ、ニキビ、シミ、シワ、美白、肌トーンのアップ・・・全部はNG。
2つあろうが3つあろうが、8つあろうが絶対に一つ。全方向に美肌になりたいなら、「一番最大に悩んでいる肌トラブル」を一つ選んで下さい。
この基準がブレなければ、スキンケアアイテムジプシーになったり、無闇に買いあさる事は確実に無くなります。

具体的な解説をここからしていきますね。
まずは、こちらの写真をご覧下さい。

私が現在持っている、化粧水3本です。
左:【レシピスト】しっかりうるおい化粧水(RICH) 590円
中央:【オルビス】ホワイトニングローションL さっぱりタイプ 1944円
右:【アンプルール】ラグジュアリーホワイト ローションAOⅡ 5400円

つまり、前回のひろみちゃんに提示した、有効成分低→高の部分をリアルに再現した状態です。
左から右へ価格帯が上がり、それに伴い成分にも変化がある。
では、この3つを使って具体的に成分を見ていきましょう。誰もがチェックする化粧水の成分ですが、これも、「見方」を覚えておかないと結局何が良いかわからないまま止めてしまうというパターンになってしまいますので注意。
今回はもちろん、成分の見方も解説していきます。
とりあえず記載しますが、一回目は流して見て下さい(笑)

まず一番左、レシピスト。
成分:水、BG、グリセリンエタノールPEG/PPG-14/7ジメチルエーテルキサンタンガムアンズ果汁、ヒアルロン酸Na、イザヨイバラエキス、ソルビトール、ジメチコン、カルボマー、EDTA-2Na、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマー、水酸化K、フェノキシエタノール、メチルパラペン、香料
次に中央、オルビス。
有効成分:3-O-エチルアスコルピン酸
その他の成分:水、BG、エタノールグリセリンPEG(30)トレハロース硫酸Na、ムラサキシキブ果実エキス、ローズ水、オレンジフラワー水、ソルビトール発酵多糖液、ジエチレントリアミン5酢酸5Na液、クエン酸、クエン酸Na、メチルパラペン
そして一番右、アンプルール。
成分:水、ラフィノースポリソルベート60、BG、ペンチレングリコールグリセリン(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、アルギニン、マンニトール、グルコン酸Na、ラウロイルラクチレートNa、PCA-Na、加水分解コラーゲン、ハイドロキノン、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa、ゲンチアナ根エキス、クズ根エキス、グルコシルルチン、プラセンタエキス、アロエベラ葉エキス、グリチルリチン酸2K、クロレラエキス、コレステロール、水添レシチン、セラミドEOP、セラミドNP、セラミドAP、フィトスフィンゴシン、フェルラ酸、ワルテリアインディカ葉エキス、キサンタンガム、ダイズステロール、3-O-エチルアスコルビン酸、アリストテリアチレンシス果実エキス、ブドウ葉/種子/皮エキス、レスベラトロール、ムラサキ根エキス、チオクト酸、カルボマー、シクロデキストリン、デキストリン、セタルコニウムクロリド、クエン酸、クエン酸Na、エタノール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、香料

はい、目が滑ったと思いますが、まず成分量の種類差にびっくりしたかなと思います。
価格が上がれば上がる程、成分の種類は多くなっていく。これはスキンケアアイテムとしては定番ですが、成分量が多ければ肌にいい訳じゃありません。ここも勘違いしている方が多いので気をつけて下さいね。
どれだけ成分がたくさん入っていても、それが自分の肌に適合していなければ全く意味がありません。

では、これまでの解説やデータを踏まえた上で、いよいよスキンケア旅路の「羅針盤」を指し示していきますよ~。ここからが重要です。

【化粧水の見方その1】記載されている成分の中で「水」と「BG」を除いた先頭の成分を調べていく

当然、化粧水は液体ですので、成分として水が入らない、なんてことはあり得ません。従って、水は除外。
また「BG」は保湿効果+防腐剤効果を持つ成分ですので、これが無いと長く使い続けることができません。ほぼ全ての市販化粧水には入っているため、これも除外し、それ以外の成分を調べていきます。
日本では、化粧品や医薬部外品に分類される商品は、どんな配合率であれ必ず「入っている成分の配合量が多い順」に並べる事が法律化されています。(薬事法第61条・62条)
ここで、ちょっとだけスクロールを戻して下さい。3つの化粧水成分の中で黒字強調されたものがありますよね?この成分が「主に入っている成分」と考えていいでしょう。
今回はサンプルとして5つ、黒字強調で表示してみました。一気にわかりやすくなってきましたね。
ちなみに、「成分全表示」ということは、裏返すと「1%でもその成分が入っていれば表示できる」というデメリットも生じます。
「こんなに安いのにヒアルロン酸もコラーゲンも○○エキスも入ってる!」なんて思ったら、必ず表示順を見て下さいね。下の方にあったら、それはもしかしたら1%かもしれませんし、2%かもしれません。
それで肌に効果があったらぶっちゃけこんなに化粧品に価格差が出るはずはありませんので、その辺りも加味しておいて下さい。

【化粧水の見方その2】その成分が「肌にどんな効果があるのか」調べていく

インターネットがここまで普及した故の恩恵ですね。今度はその上位に表示された成分が、肌にどんな効果や影響を与えるか調べていきます。

まず、プチプラ化粧水、レシピスト。

1.グリセリン:主に保湿成分。水分を吸着し、肌に馴染ませてうるおいを保ちます。
2.エタノール:主に防腐剤効果・使い心地を良くするための成分として配合されています。近年「エタノールフリー」なんて化粧水が流行している事からもわかる通り、色々とデメリットがある成分です。ちょっとGoogle先生に聞いてみるといいかもしれません。
3. PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル:水にも油にも溶ける保湿成分。成分を安定させて肌に浸透させます。人によっては「界面活性剤と同じ」と判断して(本当に詳しく調査すると違うともいえるのですが)嫌う方も多いようです。
4.キタンサンガム:やはり保湿成分。肌表面で保護膜を張り、グリセリンやジメチルエーテルとは違う側面での保湿効果があります。
5.アンズ果汁:アプリコットの果実から抽出したもの。やはり保湿効果目的です。
総合すると、レシピストは基本的に「保湿重視」であることがわかりますね。ただし、保湿以外の部分はほぼ無いと考えていいでしょう。やはり「化粧水として最低限の効果」といったところでしょうか。

ガンガンいきましょう。次はオルビス。

1. 3-O-エチルアスコルピン酸:別名「VCエチル」なんて呼ばれています。もっと有名な呼び方をすると「ビタミンC誘導体」。メラニンの生成を抑え、シミや日焼けを防ぎます。これが「医薬部外品」としての有効成分ですね。
2と3はグリセリンとエタノールなのでスキップします。
4. PEG(30):化粧水の成分で「水性」と「油性」のものを混ぜ合わせジェル状のテクスチャーを作ります。肌への使い心地が抜群に良くなりますが、これも界面活性剤の一種であるため、良いか悪いかは個人の判断基準があり、難しいところ。アレルギーを起こす方もごく稀にいらっしゃいます。
5. トレハロース硫酸Na:高い保湿力が特徴。細胞レベルで水分を保持してくれます。ただし、「硫酸Na」系はアレルギー報告もあるようです。
こちらはやはり、有効成分を主眼に置いた成分配合でしょう。保湿成分も配合され、使い心地ともバランスをとっています。

最後、アンプルール。

1.ラフィノース:オリゴ糖の一種ですが、保湿成分です。肌の細胞に働きかけ、外部刺激を跳ね返すバリア機能を向上させます。
2. ポリソルベート60:PEGと似たような性質を持っています。とろみのあるテクスチャーにして使いやすく設計しているようです。ただ、これも広義では界面活性剤の一種ですので、やはり嫌がる方は一定数います。
3. ペンチレングリコール:BGの量を少なくするために配合されます。防腐剤をできるだけ少なくしようということでしょうか。ただ、殺菌力もあるため、ニキビにも一定の効果があります。
4はグリセリンのためスキップ。
5. (アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー:多彩に入っている化粧水の成分を安定させ、肌と化粧水の馴染みを高めて成分を肌に浸透しやすくさせます。()の中は分子構造の名称。こちらも、分類としては界面活性剤となります。
アンプルールは、配合された多くの成分をどれだけ肌に浸透させるかに重点を置いているようです。ドクターズコスメならではの配合ではあるものの、値段同様、ちょっとおいそれとは手が出しづらいかもしれません。

【化粧品の見方その3】「自分の肌の悩み」にどれが適合しているかを照合する

何故私があそこまでしつこくしつこくしつこく「肌の悩みは一つだけ」といったのか、割と読み取れた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
化粧水には、それぞれ「得意としている分野」があります。その「得意分野」と「肌の悩み」を合致させなければ、本当の意味での「スキンケア効果」は得られない訳です。

今回の場合
肌のうるおいを維持したい(基本)→レシピスト
確実な美白効果が欲しい(基本+α)→オルビス
医師監修の成分で総合的な肌ケアをしたい(上記+サロンのようなケア)→アンプール

という感じでしょうか。
これが「1000円・3000円・5000円」の違いとなってきます。
ただ、安いのでレシピスト→肌のうるおいを維持しただけでは日焼けするのでオルビス→オルビスの成分だけだと肌バリアや肌の細胞に働きかけるような根本的ケアができなくてアンプルール、なんていう風に流れていく方は結構多いです。ソース私。そして使っているのはアンプルールだったりします。全方位万全体勢。

スキンケアアイテムは、生活パターンや暮らし方、今の肌状態にもよって大きく変わってきます。
ちょっとした小手先知識ではあるものの、この知識が有るか無しかでは、選択肢も全く違うものになるでしょう。
そして、「失敗のない」スキンケアアイテム選びができるはず。
高ければ良い、安ければ悪い、と一概に決めつけるのではなく、あくまで「自分の肌と相談して決める」。これが、スキンケアアイテムを探す旅路の地図であり、羅針盤になるのだと思いますよ。

というわけで、今回の総括はこうなります。

以上です。お疲れ様でございました。
さて、次回からはまたひろみちゃんに登場していただき、今度はスキンケアの手順や方法について「イロハのイ」からやっていきます。
こちらも結構新発見があると思いますので、是非ご覧下さいませ。お待ちしてます!

そしてひろみちゃん・・・都会の人にどれだけ憧れを持っているんだ(笑)


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