食育=STEAM 出汁を学ぶ

(こちらは以前のブログで公開していた記事です初出2022年2月)

食育って言葉の印象について、今までは栄養バランスや料理がどんな食材でできているかを知るくらいだと思っていました。
でも食育って幼児が絵本や図鑑で得た知識を実感したり、拡張するのにもってこいの学び方だったんです。

教育業界で流行りの言葉を使うとまさにSTEAM!

STEAMとは、

S:science 科学 
T:technology 技術 
E:engineering 工学 
A:art 芸術・人文科学 
M:mathematics 数学

の頭文字で、これらにまつわる知識を横断的に学ぶ考え方です。

日本だとなぜかSTEAM=プログラミングのイメージが強く、STEAM教室を探してもプログラミングやロボット制作教室ばかり出てきます。
なので習い事ではなく、なるべく家庭学習で本来のSTEAMを関連付けて学ばせたいと考えていました。

そんな時に体験させた食育レッスンが私の理想的なSTEAMだなと思ったので、内容について私なりに整理してみました。
(※実際のレッスン記録ではありません)

知識

出汁の種類

今回のレッスンは出汁についてでした。
かつおぶし、煮干し、昆布、しいたけなどを水に漬け置いたり煮出すと味が付いた水になることをまずは教えます。
普段飲んでるお味噌汁も味噌だけではなく出汁と混ざった味であることを知ると子供は興味津々に。

乾物にする理由

出汁を取るための食材は乾物が多いです。
乾物も幼児さんは絵本でしか見たことありませんでした。
乾物とは、乾かして水気がない状態にした物だよ、食べ物を腐らせる悪い菌は水が大好きだから、それを無くすことで長持ちさせることができるんだよ、と伝えると「へ〜」との声。
また、鰹節はただの乾物ではなく、発酵食品です。
発酵とは何かというと、目に見えない良い菌が美味しくしてくれることだよ、とも伝えます。

他に発酵食品には納豆があることもプラスαで知識にします。菌の話や、なぜ乾かすのかは科学ですが、乾かし方は技術にも繋がりますね。
原始的な天日干し、熱風を当てたり電子レンジの原理で水を飛ばしたり…色々な方法があるのを調べてみるなど発展できそうです。
まさに科学の世界ですね。

観察

乾物の状態

まずは乾物の状態を観察します。
見た目はカサカサして、触ると硬いです。
煮干しは魚の形のまま乾いているのでちょっと怖いそうです。笑
昆布は海藻の実物を見たことがないので「こんなものか」という反応でしたが、生のしいたけ(きのこ)はお手伝いで触ったことがあり柔らかかったのに、出汁用は硬いので驚いていました。

水に入れた変化

次に出汁を取るために水(お湯)に入れてみます。
すると、柔らかくなっていきます。
水に入れる際も、かつおぶしは動きながら沈むのが面白いようです。
大人からすると当たり前のことでも、子供にとっては大実験なんですね。
ちなみに幼児なので、水を計量するのも立派な算数ですよ。

実践と実感

鰹節を削る

今回はレッスンだったので鰹節削り体験ができました。
私(30代中盤)の子供の頃は祖母も母も鰹を削り器で削った鰹節を使って出汁を取っていました。
今は母も私もパックの鰹節を使っています。
鰹を削るの大変ですし、一本ぶしを買えるところも少なく、高級品になっている気がします。
なので鰹節を削る体験は貴重なものに。
手を削らないよう大人と一緒に削ってみると、娘は楽しかったようでもっとやりたいと。
残念ながら家では続きが出来ないですが、とても有意義な体験になったようです。

[ちなみに]木を削るカンナという道具が削り器に似ています。
鰹節は薄く削った削り節を作るため、カンナは木肌を整えるためと、削る目的は異なりますが、いつか技術工学にも広がっていくことも期待できます。

出汁の味の違いを実感する

だし汁を飲み比べして味の違いも実感しました。
うまみとはアミノ酸や核酸の種類によって生まれる味。
それぞれの単独出汁を飲んでみると娘は「そんなに美味しくない」とのこと。
でも混ぜてみると…不思議なことに美味しくなりました。
アミノ酸と核酸を混ぜるとうまみが強く出るそうです。
幼児にはそこまで詳しく説明しませんでしたが、いつか科学的にも説明できるようになった時に、体験実感しているとわかりやすいかなと思います。
もちろん興味のある子には科学に繋げられる話題だと思います。

まとめ

身近な食べ物への興味として、和食の基本である出汁の食育からSTEAMに繋げることができました。
今回は出汁のみでしたがらこの出汁を使って料理をして盛り付けをしたら芸術の感性も磨かれますよね。
今後もレッスンに参加したり家で実践したらSTEAM的ポイントで整理していきたいと思います。

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