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18-19 PL 第38節 Burnley × Arsenal

プレミアリーグもいよいよ最終戦。アーセナルは前節で勝ち点1に終わってしまい、この試合で勝利を挙げてもプレミアリーグ4位は非常に難しい状況となってしまった。そういう状況でEL決勝を控えていることと、過密日程でのコンディションを考慮したのか、エメリはメンバーを大幅に入れ替え。エジルやラカゼット、トレイラ、ジャカなどはスタメンに名を連ねず。ただ、得点王争いでトップに2点差と迫っているオーバメヤンはスタメンに抜擢した。対するバーンリーは現在15位。プレミア残留をすでに決めているが、最終節のホーム戦ということで勝利で締めくくりたいところだろう。

PLでの前回対戦時レビューはこちら
18-19 PL 第18節 Arsenal × Burnley

■チーム概要

【HOME】
・バーンリー(監督:ショーン・ダイシ)
フォーメーション
基本:4-4-2
ボール保持:4-4-2
ボール非保持:4-4-2

【AWAY】
・アーセナル(監督:ウナイ・エメリ)
フォーメーション
基本:4-2-3-1
ボール保持:3-4-3
ボール非保持:4-2-3-1

■前半の試合展開

アーセナルはバーンズが2トップということもあって2CBの間にゲンドゥージを落とした形でビルドアップ。SBを徐々に高い位置へ押し上げて、SHは中へ絞ってくる今シーズン何度も見られたお馴染みの形でボールを前進させる。特に右サイドでは、ムヒタリアンがトップ下の位置へ絞り、中のウィロックがスペースへ走り込む理想的な展開が何度か見られた。

アーセナルのゲンドゥージをCB間へ落とすビルドアップに対してバーンリーは、ウエストウッドをゲンドゥージのマークにつかせていたが、エルネニーが変わりにCB間へ落ちるなどしてうまくボールを循環させていた。

バーンリーの狙いはカウンターがメイン。ボールを奪った際には早めにFWへパスを供給。前線2枚のフィジカルを活かして、セカンドボールの回収から全体を押し上げ、アーリークロスも積極的に狙い、シュートまでつなげる形が多かった。

そして、アーセナルは序盤から積極的にゴールへ向かう姿勢が見られた。また、得点王を狙うオーバメヤンに点を取らせようという周りの意識が高く、また本人も今までのゲームよりも貪欲に多少無理な体制でもシュートを打ちに行く積極的なシーンが見られた。

互いに一進一退の攻防を展開していた前半だったが、どちらかというとゴールに迫っていたのはバーンリーだった。カウンターからウッドのシュートがポストに当たったり、ギリギリのところでエルネニーやムスタフィが体を張って守ったシーンがあり、アーセナルよりもペナルティエリアへ侵入する機会は多かったように思う。

そして34分、マヴロパノスの負傷によりコシエルニーがスクランブル出場。マヴロパノスとして経験を積む良い機会だっただけに残念だ。また、EL決勝へ温存しておきたかったコシエルニーをここで使わなければならなくなったのもアーセナルにとっては痛い交代となった。

前半は序盤にアーセナルがチャンスを演出していたが、中盤以降はバーンリーが主導権を握った展開。ただ、ゴールは生まれずスコアレスドローのまま前半は終了。

■後半の試合展開

後半は両チームともに交代枠は使用せず。前半終了時と同様の布陣で挑む。

後半もバーンリーが良い入り方をしたように見えたが、アーセナルが思いがけない形で先制に成功する。52分、ハーフウェイライン付近での競り合いからセカンドボールを回収したバーンリーのコークは、立て直そうとCBへのバックパスを選択。このパスがズレてしまいオーバメヤンがすかさずボールを奪取、そのままGKと1対1の状態になり落ち着いてゴールへ流し込みゴールを奪う。後半も悪い入り方になりかけていたアーセナルだったが、ラッキーな形で先制に成功した。

先制に成功したアーセナルは徐々に落ち着きを取り戻し、ボールを保持できる時間も増えてくる。そして62分にウィロックを下げてヌケティアを投入。フォーメーションを4-4-2に変更。2トップにして追加点を奪いに行こうという狙いだろう。

そして、その交代の直後にアーセナルが追加点を挙げる。ビルドアップから左サイドを攻め込み、モンレアル、イウォビとつないで、大外へ走り込んだオーバメヤンへイウォビからのふわりとした優しいクロス。これをオーバメヤンが豪快にボレーで叩き込み追加点。ニアにヌケティアがいたことでDFを引きつけており、大外のオーバメヤンがフリーになっていたので、早速2トップにした采配が当たったといえるシーンだった。これでオーバメヤンは2得点。この時点で得点王のサラーに並ぶ。

このまま勢いに乗るかと思われたアーセナルだったが、追加点の直後、ビルドアップでもたついてしまったところからボールを奪われ、GKレノのセーブもあり何度かピンチを凌いだものの最後はバーンズに頭で押し込まれて追撃の1点を許してしまう。追加点を奪った直後だっただけに不用意な失点となってしまった。

失点してしまったアーセナルだったが、その後に崩れてしまうことなく、ボールを保持してバーンリーゴールに迫る。73分には、相手陣地のハーフスペースでボールを引き出したイウォビからヌケティアへつなぎ、ヌケティアが前を向いた状態でドリブルを仕掛けてタメを作り、ハーフスペースを縦に抜けたムヒタリアンへパス。ムヒタリアンからそのままワンタッチでグラウンダーの早いクロスをオーバメヤンへ。これがドンピシャリだったがシュートは枠を外れてしまいゴールならず。きれいな崩しで非常に惜しいシーンだった。

オーバメヤンに追加点を取らせたいアーセナルと、ホーム最終戦で何とか負けは免れたいバーンリー、お互いに前がかりになりゲームはオープンな展開に。しかし互いに得点は奪えず。このままゲームが終わるかと思われたアディショナルタイム、カウンター気味にイウォビから左の外に開いたヌケティアへ。ヌケティアはそのままドリブルを仕掛けてクロス気味のシュートを放ちこれがゴールに吸い込まれアーセナルが3点目。

アーセナルが最終戦を勝利で締めくくった。

■試合結果

Burnley 1 × 3 Arsenal

■得点
52分:オーバメヤン
63分:オーバメヤン(アシスト:イウォビ)
65分:バーンズ(アシスト:グズムンドソン)
90+4分:ヌケティア(アシスト:イウォビ)

■交代
34分:マヴロパノス → コシエルニー(負傷交代)
62分:ウィロック → ヌケティア
64分:マクニール → グズムンドソン
77分:ウッド → クラウチ
82分:ヘンドリック → ブレイディ

■まとめ

アーセナルはオーバメヤンの得点王を目指し、バーンリーはホーム最終戦でのサポーターに対して良い試合を見せることに注力したようなゲーム。最終戦らしく大味でエンターテインメントに富んだゲームとなった。

結果、オーバメヤンはプレミアリーグで今シーズン22得点。サラー、マネと並んでアフリカ勢3人で仲良く得点王に輝いた。

これでアーセナルは最終的に勝ち点70ポイント。4位のスパーズと勝ち点差1の5位でプレミアリーグの戦いを終えた。終盤戦の重要な連戦で勝ち点を稼げなかったのが響いた。

これでいよいよ来シーズンのCLへ出場するにはELで優勝するしかなくなった。EL決勝の相手は今シーズンを3位で終えたチェルシー。今シーズン限りで引退を表明しているチェフの古巣であり、ビッグロンドンダービーでもあり、CL出場権獲得以外にも絶対に勝たなくてはならない理由がいくつもあるビッグゲームだ。

今シーズンを締めくくるこのビッグゲームがエメリアーセナル一年目の集大成となる。