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18-19 PL 第5節 Newcastle×Arsenal

開幕から2連敗の後、チーム力で格下と思われる8連戦に突入し、そこから2連勝を飾ったアーセナル。できれば残り6戦全てに勝利して勝点を積み上げつつ、チーム戦術を浸透させていきたいところ。
PL第5節は、インターナショナルマッチウィーク明け。ジャカやラムジーあたりのコンディションが懸念されるポイント。
そして、相手はベニテス監督率いるニューカッスル。


試合結果:Newcastle 1 × 2 Arsenal

得点
48分:ジャカ(直接FK)
57分:エジル
91分:クラーク(アシスト:フェルナンデス)
交代
46分:ゲンドゥージ → トレイラ
46分:ラスセルズ → クラーク
68分:オーバメヤン → ムヒタリアン
68分:マーフィー → ケネディ
79分:リッチー → 武藤
79分:ラムジー → ウェルベック
チーム概要
・ニューカッスル(監督:ラファエル・ベニテス)
フォーメーション
基本:4-2-3-1
保持:2-4-4
非保持:4-4-2(前プレ時:3-3-4?)

・アーセナル(監督:ウナイ・エメリ)
フォーメーション
基本:4-2-3-1
保持:3-1-4-2
非保持:4-4-2または4-5-1

■ニューカッスルのゲームプラン

【オフェンス】
DFからのビルドアップは無理にショートパスを繋がず、アーセナルのCB脇を狙うロングキックを多用。ロングキックのボールが前線に渡った時は、あわよくばそのまま押し込む。無理な時はレイオフし、中盤へ。中盤からはまたCB脇や裏を狙うキックが多かった。
また、トランジションで縦に早いカウンター攻撃を意識していたように思う。
ファイナルサードではクロスを多用。深い位置までいけなくてもアーリークロスも積極的に使い、何度か良い場面もあった。
古典的なイングランドフットボールを想起させるような形が多かった。

【ディフェンス】
積極的に前線からプレスしてビルドアップのミスを誘発する狙い。
3バック化するアーセナルに対して、4-4-2の守備セットから1枚上げてマンマーク気味にプレッシング。特に前半はこのプレッシングが効いていてアーセナルのビルドアップミスやロングキックを蹴らせて回収することに成功していた。
ミドルサードまで運ばれたら4-4-2のブロックを作ってリトリート。
自由に動き回るラムジーにはヘイデンがマンマーク気味に対応していた。

■アーセナルのゲームプラン

【オフェンス】
前半はゲンドゥージがCB右脇に降りて3バック化することが多く、ジャカが真ん中に入って3-1のひし形でビルドアップ。ただ、ニューカッスルのマンツーマンプレスにはめられてうまくボールを前進できず。
後半からは相手のラインが間延びしたことで、ビルドアップも楽になる。
ミドルサードでは前節同様に、エジルが中へ絞りCH~CAM、オーバメヤンも中へ絞りFW化。3-1-4-2のような形に。エジルがビルドアップから前線へのリンク役。ラムジーはフリーマンで前線3人の周りを自由に動き回っている印象。
ファイナルサードでは、CHの2枚がオフェンスをカバーするポジショニングで、サイドチェンジや2次攻撃につなげ、サイド→チャンネル攻略を狙う形。

【ディフェンス】
前節と同様にアーセナルがボールを保持している時間が長く、前線からのプレス、守備ブロックを作るような機会は少なかった。
被カウンターの場面では、引き続きSBが上がった後のCB脇を中心に狙われていたが、この試合ではソクラティスの対人の強さ、読みの鋭さが際立ち、何度も失点を防いでいた。

■ゴールシーンと気になった点


■前半と後半の違い

この試合、前半35分あたりまでのアーセナルは、かなり酷い内容だった。
ビルドアップは引き続き拙い内容で、前線にボールが渡ったとしても微妙なトラップミスやパスミス、ボールロストが目立ち落ち着かない展開が続いていた。もしかすると、インターナショナルマッチの影響が出ていたのかもしれない。
が、前半35分過ぎから徐々に落ち着き始め、後半は見違える内容になる。
後半からゲンドゥージに変えてトレイラが入ったこともあるだろうけれど、個人的に他にも要因はあるように感じた。
自分が感じた他の要因は以下の3つ。

①ニューカッスルのスタミナ切れ
②アーセナルFW陣の裏抜け
③後半早い時間帯での先制点

・ニューカッスルのスタミナ切れ
前半から積極的にアーセナルのDF陣へ前プレを実行していたニューカッスル。2CBに対して2枚でプレス、ゲンドゥージが落ちることで3バック化したアーセナルに対してはSHを上げて3枚でプレス。時には2-4-4のような陣形でプレッシングを行うときもあった。そして、ファーストプレッシャーラインを越えられたらSHを下げてブロック形成と、かなりの運動量を求められていた結果、前線の選手はスタミナ切れになっていたように見えた。

・アーセナルFW陣の裏抜け
後半からよく見られたラカゼットの裏抜け。
前半はビルドアップの過程でミドルサードまでボールを運んでから2トップ気味に可変していたが、後半はもう少し早い段階で2トップに可変していたように見えた。そうすることで、裏を狙ったロングボールがつながらなくてもこぼれ球を拾いやすくする狙いがあったのではないかと思う。

・後半早い時間帯での先制点
後半の開始早々に得たFKをジャカが直接決めてアーセナルがリードする。
これにより、ニューカッスルの前線は前がかりに。逆に守備陣は追加点を恐れて引き気味になる。ニューカッスルの前後でやりたいプレー内容に差が出ていたように見えた。

これらの要因が重なり、ニューカッスルが間延びしたことでアーセナルのビルドアップは楽になり、ライン間にボールが入るようになり、トレイラやジャカが前向きでボールを保持できる時間が増えていた。
CHがライン間で前を向けてボールを保持することが出来れば、必然的に得点チャンスは大きく増える。後半は本当に見ていて楽しかった。

■まとめ

結局、どこまでがエメリのプランなのかはわからないけれど、毎度のことながら試合中の問題点の修正力は目を見張るものがあるように感じる。
ただ、試合前からわかっていることじゃ?と思うフシもある 笑

これで格下8連戦は3連勝したものの、アディショナルタイムのもったいない失点で今シーズン初のクリーンシートはお預け。そろそろ危なげなく勝つ試合も見てみたい。

次はいよいよELが開幕。
エメリはローテーションを示唆しているようなので、スミス=ロウなんかの若手が観れそうなのは楽しみ。
EL3連覇を達成したELマスターのエメリが、どういった采配をするのか見もの。ローテーションしつつ勝ち点3獲得に期待!