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拝啓、ささくれPへ

11月下旬ごろ、私はささくれさんのあるツイートをきっかけに、『Project_sasakure.WO』のことを知った。

有志による、ささくれ曲の演奏会。どうやら合唱の枠もあるようで。
吹奏楽は未経験だけど、合唱なら…!と思い応募したところ、ありがたいことにアルトパートにて参加OKをいただいた。

「あっりがてえ~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!」

というのも、私はこれまでsasakure.UKファンの交流の場に参加したことがなかったのである。
数年ほど前、sasakure.UK公式で「ささくれぱーちー」なるファン交流イベント(語弊?)が開催されていたのは知っていた。
しかし、私は当時関西に住んでいたことからなかなか東京のイベントに参加することができず、TLを眺めては「いいなあ…(血涙)」と漏らすほかなかった。

ちょっと迷ったけど応募してよかった。
精一杯取り組ませていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

そしてよい機会なので、ここいらで私のsasakure.UKへの想いを文章にしたためてみることとします。
(なお、自分は音楽についての理解度がまだまだ浅いので、そのあたりはご容赦いただければ幸いでございます)

2011~: 否世界ハーモナイゼ の衝撃

VOCALOIDと、sasakure.UKに出会う。

それまでの私は、音楽というものにそれほど興味がなかった。
当時(小学生時代)からテレビを見るという習慣があまりなかったし、流行のアイドルグループの番組を追うこともなかった。音楽と関わるのは、せいぜい学校の授業くらい。

高学年になったころから家のPCでネットサーフィンをするようになった。
このころは、毎日学校が終わるたびにWiiリモコンを持って友達の家に駆けていき、そこに集まったメンバーで「マリオカートWii」対戦をするというルーティンがあった。
私はゲーム内で「ロゼッタ」というキャラクターを使っており、その「ロゼッタ」の攻略法を検索している最中に下記の動画と巡り合った。

すげえ。
いままで聴いたことがない音。

TVで流れてきてふと聴いた曲とも、流行の男性アイドルグループの曲とも、ましてや学校の音楽の授業で習うような曲とも違う。

かっこいい~~~~~!!!!!!!!!

この時の私は、まだ「VOCALOID」の概念をよくわかっておらず、ただ「ネット上にしかない、すごい曲たち」として認識していた。

そのままVOCALOID楽曲にたくさん触れるようになっていった。そんななか、出会ったのがこの曲である。

音も、映像も、言葉も。
衝撃的だった。

特徴的なメロディライン、サビを駆け巡るアルペジオ、チップチューン調のサウンド、2サビ終わりの「ガラクタ姫とアポストロフ」を彷彿させるピアノ、そしてラスサビの畳みかけ。チルダの感情が溢れ出すようなドラマチックな展開。聞き心地の良いキャッチーなサウンドの中に、切ない歌詞がなだれ込んでいく。なんだこのリズム感。なんだこの作品は。

サウンドだけじゃない。映像の作りこみだって物凄い拘りを感じる。なにそのフォント。そして生首のアンドロイド、義足の男兵士、0と1が連なる映像、全部が小学校高学年の癖(ヘキ)に刺さる。
この曲を初見で聴く前から「ガラクタ姫とアポストロフ」は履修しており、
繰り返し何度も聞いていた。だが、否世界ハーモナイゼに関しては、正直詰め込まれている情報量があまりに違いすぎる、と感じた。

詰め込まれている感情・情動の量が、一つの曲のそれではない。
ガラクタ姫が一つの絵本ならば、否世界ハーモナイゼは壮大なSF映画。(ガラクタ姫はコロンとアポストロフにメインスポットを当てた作品なのだから、そりゃそうなのだけど)
曲のテンポ感も相まって、作中の登場人物の感情が流れ込んでくるのだ。
また、今作ではヒトとキジンの戦闘シーンが深く描写されているから、この曲の世界で起こっていることがより俯瞰的に見えてきてしまう。あまりにも大きい話。
これは一つのSF映画。

この曲を初めて聴いた時の衝撃は上手く言葉にできないのだけれど、とにかく大きなショックを受け、私は放心した。
そして、人生で初めてアルバムを購入したのだった。


2013~: だんだん心惹かれてく/考察面白すぎ期

その後も順調にsasakure.UKの曲を聴いていった。

「幻実アイソーポス」にはVOCALOID楽曲以外も収録されていたので、「人間が歌っていないと出せないsasakure.UK楽曲の良さもあるな…」と思うなどした(何目線なのか)。「オオカミ少年独白」、「突然、君が浮いた」、「コイサイテハナ*」「バタフライ・エフェクト」、「深海のリトルクライ」、全部毛色が違う…。

また、当時の私は文豪の作品を読み漁っていたのだが、それと並行して、ささくれ文学モチーフ楽曲にも沼っていた記憶がある。
当時、とくに聴いていたのはこの2曲。

この曲はもう、本当に美しい。そして音楽と映像のマッチ度合が凄い。

ピアノの繊細な音色と、低音のバランスが心地よすぎる。冒頭から作中繰り返されるメロディが耳に残る。
「蜘蛛の糸」をモチーフとした仏教的で神秘的な世界観。後述する考察動画シリーズでも取り上げられていましたが、この登場人物たちの衣装はタイなどの民族衣装がモデルになってるのかな??

ささくれP特有の言葉遊びがまた良い。
中でも私が好きなフレーズがこちら。

" 蜘蛛を掴む様なモノガタリ "
  これは作中何度か繰り返されるフレーズ。
  地獄から救われる希望、雲を掴むような淡い期待。

" 『この糸は己の意図だ!』と 叫んで断れた雲の異図、ああ "
  ささくれさん以外に「糸」を「意図」って表現した人っているんだろうか。自分の意図とは裏腹に千切れてしまったから雲(天国)の異図…

言葉の使い方が本当に巧み。
(sasakure.UK曲全体に言えますね)
綺麗でありつつも、大きな絶望と後悔を感じる。

そしてもう一つはこの曲。

「幻実アイソーポス」に収録されているこの曲。

この疾走感。走り抜ける電子音。異常事態。状態異常。
山月記をモチーフとした、アイデンティティ大暴走楽曲(自己解釈)。

言うまでもなくハイセンスでVery Cool!!なこの楽曲ですが、この曲もやはり歌詞が物凄く好き。コトバの扱い方が凄く格好よくて、口馴染みがよくて最高。
本当に言うまでもないですが。サビですね、サビ。

次世代未聞の相対性ランペイジ
不快指数はなべて急上昇
脳天中枢目掛けて集中砲牙
新人類未開拓のショウ・ケイス

戦闘不能なんて理解不能ランゲイジ
試行錯誤さQの有効活用
緊急事態到来 招雷狂瀾怒濤
完全体未満の最猛虎プログラム

(中略)

透過誇大妄想と幻想的サーヴェッジ
正解なき正解すべて呑み込んで
存在自体否定さえ超重力肯定
理性は抗咆哮に消ゆ

sasakure.UK - タイガーランペイジ feat.鏡音リン

これはもう、実際に歌ったことある人なら分かると思いますが、気持ちよすぎる。全部が気持ちいい口の形をしている。とりあえず皆歌ってみてほしいです。

あとここもどうしようもなく好き。

気高く在りたいと想う事が
是ほど常色を引き離すか
偶たま狂疾に因りて 殊類と成り
長嘯を成さずして 但ただ口皐を成す

sasakure.UK - タイガーランペイジ feat.鏡音リン

言葉が格好良すぎる。狂疾て。長嘯て。口皐て。
全中学生が好きな文章でしょ。大人になった今ですら、痺れるほど格好良いもんな。


また、この頃は深蒸しまんじゅう氏の終末シリーズ・ヒトとキジンシリーズの考察動画を見漁ってもいた。

この方の考察と語り口がまた上手くて、どんどん楽曲の解像度が上がっていった(もちろん、ひとりの、ひとつの解釈でしかないのだけど)。この動画を通して、楽曲の考察の余地がどんどん広がっていったというか。
この時期にささくれ曲を聴いていた同世代の方なら、ご存じの方も多いかもしれない。興味のある方は、ぜひ…

2016~: Twitterとか、instとか

この頃から、ささくれさんがTwitterでインスト曲を頻繁に投稿するになったのを覚えている。

この頃から、ささくれインスト曲もたくさん聞くようになり、ささくれさんが元々BMS作家であったことを知った。そしてささくれ楽曲だけに関わらず、世の中にあるボーカル無し曲も聴くようになった。
個人的に、インスト曲の中では「オーロラを食べた子」「百鬼夜行」が好き。

「オーロラを食べた子」(ロストピリカに収録)
軽やかで抜けの良い曲。私はこの曲が持つ世界観に惹かれた。
どこか神秘的で、空中を彷徨うような、そんなイメージを勝手に持っています。重くなくて、耳にやさしい、ずっと聞いていられる。

こっちはどちらかというと重い(低音的な意味で)。
これも、超格好いい。ドラムというか、パーカッションが好き。そこそこ重量感のあるアヤカシがのさばっているイメージがある。

ところで、私はアヤカシシリーズの考察にあまり詳しくない。改めてちゃんと聴きこみ読み込んでみようかな。


あとは、この頃はちょうど大学入試に向けて躍起になっていた時期でもあったので、「阿呆なるものは」に変に共感するなどもした。
あほなのわかってるのに、自分に変に期待しちゃうんだよな~、と。

ささくれさん、めちゃくちゃ絵もうまいし、合ってるな…

2020~: 余計なうた、DTM、マジミラ参戦

2020年、コロナ渦のはじまり。
「余計なうた」が公開された。

ささくれUKの生歌に衝撃を受けた。
以前からインタビュー記事などで元々合唱をやっておられたことは知っていたが、まさかこんな形で聴くことになろうとは…!

(そういえば、この頃ささくれPがYoutube配信でDJをやっていたこともありましたね。あれもめちゃくちゃ感動しました。)

コロナ渦に入ってから、例に漏れず私も暇になり、いよいよDTMに手を出した。これまで音楽経験がなかったためにゼロからのスタートだったが、実際にやってみることで曲作りの難しさに気づくことができた。
そして既存曲の耳コピなんかもやっていたのだが、ここでもまたささくれ曲たちの異常性に気づいてしまう。
少なからず「ささくれPみたいな曲を作れるようになりたい…!」と思い始めたところがあったが、その道のりが非常に険しいことを悟った。
(まだ諦めてはいない・・・)

そして、2022年にはマジカルミライに初参戦。
理由は言わずもがな、この年のテーマソングが「フューチャー・イヴ」だったからである。

この曲も、すごくて…。
これまでのささくれ曲の総まとめみたいに、いろんな曲を思い出すワードが散りばめられていて…。

そろそろ表現の語彙が足りなくなってきました。ライブ前はひたすらこの曲を聴いて自らの士気を高めていました。
また、これまでsasakure.UK氏本人が来るイベントには参加したことがなかったため、クリエイターズマーケットでささくれPに会えたら嬉しすぎるだろ~~~~と感情が暴走。

そうしていよいよ、マジカルミライ会場に向かう。

フューチャー・イヴ衣装のミクさん

物販会場では、歴代マジミラテーマソング衣装のミクさんが大勢並んでいました。そして会場入り口には…

「フューチャー・イヴ」

「フューチャー・イヴ」エリアがありました。(本当に最高)
こちらも舐めまわすように鑑賞したのち、クリエイターズマーケットにて初めてsasakure.UK氏とご対面し、購入したCDにサインをいただいた。生きていてよかった瞬間。

その後ライブが始まり、フューチャー・イヴではリズムの取り方がわからなくなりながらも全力で楽しむことができた。

このマジミラから帰ってきてから余韻をしばらく引きずり、そのテンションのまま「歌ってみた」を録ったりもしたのでよかったら聞いてください。↓

2024~: これから

こうやって振り返るとすごく楽しみながら推していますね。最高の人生。

本当に、ささくれPの曲はいつ聞いても「最高すぎるな~」の気持ちになるんですよね。もっと一つ一つの曲の好きなところについて書いていきたい気持ちもありますが、それはまた別の記事で書いてみようと思います。

そしてありがたいことに、同じようにささくれPの曲が好きな人たちとあと数か月もしたら相まみえるんですよねー。関東ってすごいや。
音楽経験がないとはいいつつも、なんだかんだここ数年間で音楽を通しての交流の輪が生まれているのがとってもとってもうれしい。

3390WO参加者の皆様方、実際にお会いしてお話しできるような機会がやってきましたら、ぜひあなたのささくれPとの出会いやら好きな曲やらたくさん聴かせてください…!

お会いできるの楽しみにしてま~~~~~す!!!!!!!


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