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フィンランドメソッド

今日読むのは Finnish Lessons 2.0

フィンランドメソッド、一時期とっても流行りましたね。10年くらい前でしょうか。マイケルムーア監督の映画も衝撃的でした。

日本でも色々な本が出て、影響された先生たちが「うちはフィンランドメソッドを取り入れています!」と打ち出したりされてて。

素晴らしい発想、新しい指導方法には感動を覚えたし、フィンランドメソッド系の本で学んでサニーバニーに取り入れた指導手法もあります。


フィンランドメソッドって何?という方のために、とりあえず最初のところに THE PLAN OF THIS BOOK としてまとめてあるところがあったのでご紹介します。


p.13

1. Finland has an education system in which young people learn well and where performance differences among schools are small - and all with reasonable cost and human effort.

2. This has not always been so.

3. In Finland, teaching is a prestigious profession, and many young Finns aspire to be teachers. 

4. Therefore, the Finns probably have the most competitive and academically challenging teacher education system in the world.

5. As a consequence, teachers in Finland have a great deal of professional autonomy and access to purposrful professional development throughtout their carrers.

6. Finnish education policies since the 1970s have aimed at having a good school for every child rather than ranking high on international education tables. 

7. Almost half of Finnish 16-year-olds, when they leave compulsory education, have had some sort of special education, personalized help, or individual guidance during their time in school.

8. In Finland, teachers teach less and students spend less time studying, both in and out of school, than their peers in other countries.

9. Finnish schools lack the census-based standardized testing, test preparation, and private tutoring common in the United States and much of the rest of the world.

10. All of the factors that are behind Finnish success seem to be the opposite of what is taking place in the United States and much of the rest of the world, where competition, test-based accountability, standardization, and privatization seem to dominate.

ちょっと抜粋すると、例えば 3. に、フィンランドでは、「多くの子どもたちが先生になることを志す」と書いてあります。

日本で言うところの、お医者さんとかパイロット、みたいに、誰もが憧れる社会的地位のある職業に、「先生」があるそうですね。これは素直に羨ましいし、日本の教育もそうあるべきだと思います。

特に子ども英語教育になると、子持ち女性がとても多かったりします。もちろん子持ち女性が先生するのは素敵なことだけれど、もっと若い人がたくさんいても良いし、独身の方が持っといても良いし、男性比率がもっと増えて良いはず。

私も娘が小さな頃にサークルからスタートして、それがとても楽しかったし、そういう取り組みは応援しているのですが、子ども英語教育=「主婦が片手間にやるもの」というイメージが強すぎることで、英語教育の質が全体として上がりにくいという現状は打破すべきだと思います。

「ネイティブ信仰」と言われる、過剰なネイティブ講師へのこだわりが多いことも大問題ですが、それは長くなるのでまたの機会に。(こちらも、もちろん素晴らしいネイティブの先生はいらっしゃることは書いておきます。)

行政によるところはもちろん大きいけれど、出来るところからでも、ここは改善して行く必要があります。日本も、先生になりたい!と、多くの子ども達が憧れる世の中にしたいですね。


もうひとつ取り上げると、8などは特徴が分かりやすいと思います。

フィンランドでは他国と比べて、勉強時間がとっても短いそうです。それでいて、学力で世界一を取ったのです。詰め込み式の教育の常識を覆されますね。

先生たちのトレーニングが厳しく、教育のトレーニングの質が極めて高く、学習時間が極めて短い。

子どもだったら、もちろん、こういう教育を受けたいと思いますよね。

日本では、お受験に突破し、低年齢で英検に合格し、なんてことが優秀と言われたりしますが、それは実際には毎日相当な時間を勉強に費やしている家庭なだけだったりします。

英検にも強いサニーバニーの生徒さん達ですが、お家の方には過剰にはならないよう、いつもお願いしています。試験に偏重してしまうと、まだ年齢が低い子ども達にとっては、良い教育からはどんどん遠ざかり、「教育虐待」と言われる虐待の一種にすらなり得ます。

過剰な勉強時間の抑制はもちろん、一般的な全ての教育も、子どもの時間をかけることではなく、むしろ質を上げて、効率良く効果を上げることにフォーカスすることが大切です。

そういう意味でも、フィンランドメソッドが注目を集め、先生はもちろん、お家の方の考えや見方が変わって来たら、それはとても良いことだと思っています。


最後に、私が疑問に思っていることを書いておきます。

それは、本当にフィンランドメソッドを取り入れて成功している日本の学校ってどれくらいあるのか、ということです。一時期あれだけ注目されていたけれど、果たして日本は新しい、より良い教育の形を取り入れて、本当にバージョンアップ出来ているのでしょうか。

また、フィンランドメソッド、本当のところはどうなのでしょうか。テストが無い!のでも有名なメソッドですが、フィンランド人の知り合いに聞いたところ、「テストあるよ!」とアッサリ言われて、あれ??と思ったこともありました。

本当のところはどうなのか、それを民間の英語教室で取り入れるには何が出来るか、また、NPOとしての活動に何か取り入れることは出来ないか、などなど、勉強し、模索して行きます。

今年は6月に、フィンランド視察にも行きたいと思っていたのでした。コロナで叶わず、残念です。いつか行くことを楽しみに。

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