彼女の甘い爪は　夜をかき分ける
さっと　さっと　さっと　右に左に

彼女の甘い爪は　手首をつれていく
すっと　すっと　すっと　壁に絵を描く

バルテュスの絵の中で燃えてる暖炉の火
影を揺らすリズムで　唇をなめるひと

プラハの夏は　赤い　赤い　赤い
カフカの虫の様に　赤い　赤い　赤い


彼女の甘い爪は　のど元を歩く
きっと　きっと　きっと　まだ届かない

彼女の甘い爪は　夜明けを隠しこむ
そっと　そっと　そっと　ここから永遠に

ディケンズの皮肉まみれ　眉間のシワの深さ
小さな芋虫がただ　彼女に愛されてる

プラハの夏は　赤い　赤い　赤い
リルケの注釈のよう　赤い　赤い　赤い

空を焦がす　雲をささえる
クロスが立つ　アートが染みる

プラハの夏は　赤い　赤い　赤い
カフカの虫の様に　赤い　赤い　赤い
プラハの夏は　赤い　赤い　赤い
リルケの注釈のよう　赤い　赤い　赤い