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違う人たちが違う歌をうたいながら集まる【夢のちまた5周年ライブ@長浜CB】

夢のちまたというカフェ&バーのこと

大通りからすこし離れた場所のお店には「そこを目的に集う人」がいる。
ふらっと歩いてて入る、というより
誰かに誘われたり、導かれたりしてやってくる。

僕は今年の6.19日に「夢のちまた」に初めて足を踏み入れた。
飾ってるレコード、江口寿史の絵、本。
これ以上ない「名刺がわり」がたくさん。たちまち好きになった。
その日の僕は「ライブの出演者」だったので、自分を「人前に出せるように」作り上げていくので精一杯だったので(笑)ゆっくりお話をしたのは数日後だった。
ライブを気に入ってもらえた。
あまりブッキングに呼ばれない僕に「ライブやりませんか」と言ってくれた。
それはまた、こんど。

お店を五年間続けるということ

この五年間は飲食業、エンタメ業など「生きていくのに重要ではない」と思われてる業種にとっては最悪だったと思う。
ライブや楽しみはなくなり、株価は上がり、円は下り、人々は「勝ち組」と「負け組」に分断された。
そんななか五年間、続いたお店はきっと「生きていくのの必要なこと」を提供してくれたのかも。
素敵なお店が閉店していくのをいくつもみてきた。
お金を落とせなかった自分に不甲斐なさも感じた。
そのどれもが同じように「生きていくのの必要なこと」を提供してくれたのに。

僕はまた「夢のちまた」にわかだ。
たった三ヶ月、お店にも数回しか行ったことがない。
お酒の飲めないぼくはいい顧客でもない。
でも、夢のちまたが好きだ。


音楽を大切にする音楽家が集まったイベント

お店の5周年を自らイベントとして祝う。
主催し、演奏する大変さを少し経験したことがあるのだけど、心配事ばかりの毎日だった。
この日、お祝いを届けに来た音楽家たちは

  • ヒライマサヤ

  • タケダ2000GT

  • 片平里菜

  • とんちピクルス

  • Kousa(CLUB SANDINISTA!)

  • アコースティックコーガンズ

という面々
初めて聞く方も、何度も見た方も。
みんな違う世界が並行する音楽。

立ってる場所も、戦ってる場所も違う人たちが
「夢のちまた」という庭に降りたって、そしてまた去っていく。

僕は「音楽家には力がある」と思ってる。
この日聞いた全ての歌が「音楽家の力」によって動いていた。
音楽がなにかを起こすのではなくて
「音楽家と聴衆」が何かを産む。形は一瞬で消えるけど、ちいさなかけらが耳から、目から体内に侵入する。

この日もいろいろな傷や埃とともにたくさん飲み込んだ。

音楽を趣味でやってると、他人の演奏はどうしても「偵察」になってしまうけど、今日はすごく楽しめたし、身が引き締まった。

この日のライブの感想も少し

ヒライマサヤ

エレキギターのダウンカッティングがとてもきれい。手首の使い方が美しい。清志郎やどんどの魂をするっとくぐりぬけたロックンロール。
一番手としては完璧なステージ作り、会場の空気作り。
先頭打者ホームラン

タケダ2000GT

何度がライブを見たことがある。路上から、バス停から、屋根のうえから、ふと気がつくと彼はこっちを見ている。そんなうた。
日常を切り取るというより「日常と非日常の境目」をいったりきたり、たゆたう歌。さすが

片平里沙

初めてみた。でも「女の子は泣かない」という歌を昔、対バンした中学生女子が歌っていて、気になったので探したことがあった。
東京で戦って、生き残って、今日も朝起きたら1番に鏡の中の自分に「おし!今日も大丈夫」っていうような歌。エミルーハリスのような少し冷えてて奥が熱い歌声

とんちピクルス

とんちさんも何度も見てる。でもバウハウスのカバーにはびっくりした。歓声が飛ぶ。歓声の塊が落ちる場所をステージにちゃんと作ってる。美しすぎる「夢の中で泣いた」から打ち込みのラップ、小芝居(これがいつ見ても涙が出る)どれも一流。変化球と見せかけて実は137キロのストレート。ピンク映画で見た時から僕のヒーローのひとり

kousa

初見。なるほど!バンドマンだ。風貌と空気が違う。演奏は優しく暖かく。照れ隠しの帽子がまさにフロントマンの香り。メロディーも歌詞もポジティブなんだけど、どこか哀しい。バナナボートの黒人のように満面の笑みだからこそ哀しみが光るうた

アコースティックコーガンズ

コーガンズを見たのは相当昔で記憶が定かでないのだけど、ジンロウさんはこんなに歌がうまかったっけ?
体が楽器になったような遠くまで届く声と、丁寧で澄んだハープ。
奥さんの歌はなかなかに重たいんだけど、もうしっかり作品として立ってる。僕には到底できない。甘くメロディアスなベースとすこしルーズなギターともぴったり。僕の体の都合でライブハウスでの演奏はもう見れないかもだけど、このアコースティックセットとてもよかった。
いつかギターで参加したいなんて思ってしまった(かなり本気)

音楽とご飯とおしゃべりと

この日のライブはご飯屋さんも出店してた。
みんなの楽しみは「音楽」「飲食」「おしゃべり」だと思う。
音楽は楽しみのひとつだけど、全てじゃない。
この日のCBは夢のちまたがするするっと入ってきて、ぼわん!っと大きくなっただけだったのかも?
トルティーヤ食べました!おいしかった!
ガワはミラーボールにしました。


10/6は夢のちまたでライブです

音楽は勝ち負けじゃないけど、この日みた人たちの生み出す音楽に「すごい!」って言ってるばかりなのもなんなので(笑)
小さな世界を生み出す音楽家であるために、描きたい風景のために歌います。

夢のちまた5周年を、ちょっと遅れて祝いたいし、オールドルーキーとしてまずは完投めざします!

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