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電気の次は情報

猿人全開ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ🦍
サンシャインゴリラです🦍

先週、街に繰り出したときのこと。
一緒に街を歩いたホモサピエンスとの他愛もない話の中に80年、90年代の音楽の話題が出ました。
「あのジャンルの、あの歌の、あの歌詞が好き、なんでかって、ここ2015〜2020年と聴き比べて詩的…」「VHSの画質好きなんだけど〜」みたいな感想が飛び交いましたが話していてとても楽しかったです。

過去を思い出して心が惹かれるという意味で使われるこの「懐かしい」という形容詞。
音楽や映像作品はいずれアーカイブ化、照明のスイッチを付けるように造作もなくそれらが流れるようになった今。「懐かしい」は消えそうな予感がする。

探していたあの曲は簡単に見つかり、探していたあの動画も動画サイトで見つかる。今30代の世代の方々は、10年の歳月が流れた今、音楽と動画を見て何に懐かしさを感じるのか。

右から左に流れる当時の世相を表すようなコメントを目撃したとき?
昔ドライブしたときに流したヒットソングを10年越しに聞いたとき?
画質の粗さ?
当時の友人、恋人と聞いたりした?
アプリケーション?
再生機器?

引き金は数多、当時の標準的なOS(オペレーティング・システム)に左右されるが、過去がデジタル化された世代は、当時の流行と世相とコンテンツを組み合わせて懐かしさを感じることでしょう。
今までアナログだった販売網を、音楽聴き放題、動画見放題の売り方が出てきたことで随分変わってしまった。

昔々のアメリカで、エジソンが発電機を発明した頃、それぞれの製造、工業、紡績産業の会社に納入された私設の発電機が活躍していた。
いずれ、GE社が考案した送電システムによって低コストで電力を供給できるようになったことで一つの発電所から送電する仕組みに変わったという。
私設の自家発電設備のシェアはド田舎の工場だけになり、アメリカの90%が送電システムを採用した。土地も有効に使えて発電機のメンテもしなくていいから工場の社長も喜んだことだろう。
送電システムの歴史を振り返れば、音楽も動画も本もいずれはこのようなコンテンツ配布方式がスタンダードになることが簡単に想像できた。
未来予想本があるなら読んでみたい。

大元のクラウドコンピューティングサービスは既に送電システムの流れを踏襲して今がある。
電気エネルギーとの違いは、情報を扱っているところ。
大元のサーバーに事故がない限り、データは安全に保管されるので2バイト1文字の文章はいくらでも保存でき、動画も音楽も規格にあった再生アプリがあれば保存と再生ができる。
いちいちLPレコードを博物館に持っていかなくても済むし、MDやテレビデオ、ベータマックスを中古屋で探すこともない。
過去の作品は色褪せずにそのまま鮮明に映し出してくれる。
すなわち2021年も過去になるわけで、その年に制作された作品は30年経っても、モニターに鮮明に映し出されるわけだ。
30年後、そこには「劣化」などの不完全さや美学はなく、ワインのように熟成されることもなく、天使の取り分も不良セクタもない完全なアーカイブができる。

このテクノロジーは画期的でもありちょっと恐ろしい気がする。

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