コロナ下のプラス発想

私事で恐縮ですが、4~5月の緊急事態宣言が出ていた2ヶ月間は、ZOOMを使ったオンラインコンサルティングをさせていただいていましたが、緊急事態宣言が終了した6月からは、1/3のクライアントがそのままオンラインコンサルティング。2/3のクライアントで現場コンサルティングをさせていただいています。個人的には現場とオンラインを上手く組み合わせた新しいコンサルティングのかたちをつくっていければと思っていますが、

ここ3週間、現場コンサルティングを再スタートさせ、感じていることは、

現場のみなさまのゆるみがすごい!

というか、ものすごい!!!(笑)

ということです。

コロナで緊張した期間が長く続きましたので、むしろ、ゆるみは必要だと思いますが、まだ、コロナが終わったわけではありませんので、ゆるみ過ぎないようにしたいものです。

日本のコロナの第1波は、1月下旬、武漢からのバスツアーのドライバー(奈良在住)感染から始まり、

(1月上旬、武漢から帰国した神奈川県在住の初のコロナ感染者、30代男性はC国の人)

2月の横浜港に寄港したダイヤモンドプリンス号内での感染拡大。

4月から全国へ感染が拡大し、緊急事態宣言が発令、5月まで続きました。

今月はまだ第1波の余波が残ったエリアはありますが、概ね、6月で収束していくと思われます。

そして、この期間は観光業、飲食業、イベント業などの業界の会社が大きくダメージを受け、廃業、倒産する会社が出てきました。

実質無利子・無担保融資や雇用調整助成金、持続化給付金などで延命している会社はありますが、このまま本来の需要を取り戻すことができなければ、いづれ資金ショートを起こし、今後、倒産・廃業しなければならない会社が増えていくでしょう。

そして、秋から年末にかけて、コロナの第2波が高い確率で予想されています。

しかも、変異し、第1波よりも毒性が上がる可能性があり、致死率が上がって、第1波よりも外出する人が減るのではないか?

と言われています。

さらに、この期間に起こることが予想されているのが、大手企業の合併・倒産です。

このまま需要が戻らなければ、自動車、電機、航空業界などの企業が危ないと思いますし、

(これらとは違う業界ですが、今、ソフトバンクグループはかなり追い込まれているのではないでしょうか?さらに、ソフトバンクビジョンファンドが投資しているC国の企業にはアメリカの制裁対象になっている会社が数社含まれています)

それらの企業が倒産するということになれば、お金を貸している金融機関の破綻も起こってくるかもしれません。

また、今回のコロナの影響を受け、イタリア、スペイン、韓国などはデフォルト(国家破綻)する可能性がありますので、もし、そのようなことが起これば日本の金融機関も無傷ではいられないでしょう。

そして、来年の2021年、春にはコロナの第3波が予想されており、それらを乗り越え、やっと秋から年末ぐらいにかけて有効な治療薬・ワクチンが供給されるのではないか?

と言われています。

そう考えると、もしこのようなシナリオになった場合、まだ1年半もコロナと上手に付き合っていかなければならないということになります。

現場でこういう話をさせていただくと、

まぁ、少しづつお客様が戻って、来月、再来月には昔の売上に戻りますよ!

プラス発想でいきましょう!

という会社の社長がいらっしゃいますが、こういうのはプラス発想とは言いません。

「夜と霧」の小説を読むと、アウシュビッツ強制収容所では、クリスマス後に大量の死亡者が出たそうです。

「1944年のクリスマスの後,アウシュビッツ収容所では大量の死者が出た。多くの被収容者は、クリスマスには家に帰れるという素朴で切実な希望にすがっていた。しかし,クリスマスが近づいてもその気配は一向に見えない。それどころか食糧や労働の状況はますます悪化していく。彼らの希望は落胆と失望に変わっていくとともに、生きる気力を失い、体の免疫力も低下していったのである」

【出典】「夜と霧」、ヴィクトル・E・フランクル、みすず書房、2002年新版

さきほどのプラス発想は、このクリスマス後に死んだ被収容者と同じです。

きっと、来月はお客様が来て売上が上がる!

きっと、再来月はお客様が来て売上が上がる!

きっと3ヶ月もすれば、お客様が来て売上が上がる!

とプラス発想しても、それらがことごとく裏切られると、生きる希望をなくし、死んでしまうのです。

プラス発想とは、最悪のシナリオを想定し、そのシナリオを乗り越えるためにしっかり対策を立て、行動を起こすことです。

行動しているとき、自分で自分の気分を良くし、不安が頭をよぎるときは、自分で自分のマイナス感情をプラス感情に変えて、行動し、プラスのできごとを引き寄せる。

これがプラス発想です。

決して神頼みみたいなものをプラス発想というのではありません。

今のような非常時に自己啓発やスピリチュアルに依存し過ぎるのはよくありません。

(せいぜい、依存するのは10%ぐらいまでではないでしょうか?)

地に足付けて、現実を見て、行動しなければ現実は何も変わりません。

秋から年末にコロナの第2波が起こるとすれば、今からそれまでの6~9月、どのような行動を起こすかによって未来がかなり変わってくると思います。

ここ3週間、現場のコンサルティングをしていて非常に感じたことは、

みなさま、ビフォーコロナの考え方を捨てようとしていない。

ビフォーコロナの延長線上でものごとを考えている。

そして、そういう思考をしていることにさえ気付いていない、ということです。

そういう考えでは、私はコロナとの戦いに勝てないのではないか?と危惧しております。

ともあれ、6~9月はマーケティング、マネジメント、会社経営全般において、ポストコロナ仕様に変える4ヶ月にしていただき、是非、一緒にコロナを勝ち抜いていきましょう!

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