鵺の陰陽師44話感想

サブタイトルは「義理の妹」

◆面白いのは間違いない。間違いないけど……


 今回はまたネガティブな意見が混ざります。ご注意ください。

 早速本題。まず語るべきは『レベル4集団のお披露目』。全員キャラデザが良くて、尚且つ不気味な雰囲気も兼ね備えている。この漫画に欠けていた魅力的な悪役が遂に登場。どうやら人間社会に紛れ込んでいるようで、集まった店も経営者らしき女性幻妖のモノだとか。夜行なんて地域の子供と仲良さそうにしており、随分昔から活動していたことが分かる。

 そして彼らが集まった理由。やはりと言うか、レベル4たちは鏖の復活(完全顕現)を目的にしており、更に鵺さんの復活を阻止したいとも考えている。

 最後のコマで判明するのだが、なんとコイツらが一週間と待たずに学校へ来るらしい。鵺の契約者を消す、あるいは半分に分かれた封印解除のアイテムを奪うのが目的か。どちらにせよ、覚醒したばかりの学郎でも今度こそ死ぬと鵺さんにまで言われてしまう。

 ただレベル4はどいつもこいつも魅力的なんで、早々に話に絡むのはかなり嬉しい。今後の楽しみがまた増えた。

◆問題のパート


 ここから先はネガティブな意見あり。

 結論から言うと義妹シトツとの完全和解回。幼少期の暴走を謝り、また自分を守るために戦った学郎に亡くなった父親の面影を感じ、再び家族を失うのかと恐怖したと本音を言う(エロゲならヤッてそうな雰囲気)。

 いるかいらないかで語るなら、絶対にいる。シトツのあたりが強いのは過去の経験があるからで、この先も同じ態度のままだとモウラ化(すごいスマホという作品を打ち切りに導いた不人気キャラ。マジで出し続けたのが謎)する。と言うかその予兆があるからこその軌道修正だろう。

 しかし『今』必要だったのか? もっと言えば先週の墓参り回でその要素を足しておけばよかったのではないか? と私は感じた。

 身も蓋も無くいうとシトツだけで尺の使いすぎだ。代葉編でさえ単行本一冊分なのに、シトツに関しては二冊分くらいある。もちろん全てが彼女中心の話ではないが、長いのは事実。周防先輩なんて4話くらいしかないのに、だ。

 前にも書いたが鵺さん、代葉、先輩、各隊長と既に魅力的or魅力的になりそうなキャラクターが多数いるのに、シトツだけに尺をここまで割いたのはかなりの悪手に思えて仕方ない。下がり続ける掲載順が証拠の一つだろう。

 因みに私はシトツは嫌いじゃない。当然月姫(リメイク済みのPCゲーム。作者は奈須きのこ先生)を履修済みなのでトゲのある妹キャラは嫌いどころか寧ろ好物だ。でもどんなに好きな食べ物でも食べ続けていたら飽きる。主人公が白米なら他のキャラクターは主菜や副菜。バランス良く食べてこそメリハリが効いて美味い。

 故に現状のシトツ推しは少し苦手だ。けどまあ川江先生はかなり真面目な方のようなので、このタイミングでどうしても今回の話を載せたかったのなら仕方ない。展開的には妥当なので。

 最後に学郎について。これは明確によろしくないと思ったのですが、学郎がまた「理想の隊長になる」と決意表明をしていました。正直言って要りませんしつこい。先週の墓参りにおける決意表明で十分なのに、これ以上は行動で示してほしい。何なら今週の時点で鵺さんの言う試練(恐らく修行)を課してもよかった。

 そもそも学郎ってそこまで陰陽師の隊長に執着していましたっけ? 元々は鵺さんの指示で就任しただけなのに、いつのまにか立派な隊長になるのが目標みたいになっている。1話の「皆んなを守れるめちゃくちゃ強い奴になりたい」の具体的な理想像が討伐隊隊長かもしれませんが、別に隊長に拘る必要はないと思います。


◆まとめ 定まらない方向性


 結論としてはシトツに尺を使いすぎ、です。

 この漫画って方向性が定まってないのが魅力だったんですけど、最近はそれが悪い方向に作用している。バトルをやりたいのか、シリアスをやりたいのか、ラブコメをやりたいのか。全部やりたい割には特定のキャラに肩入れしすぎててイマイチ乗り切れません。

 掲載順が悪いのは当然川江先生にも伝わっているでしょうし、そろそろ悪い箇所を修正して挽回してほしいです。今日から4月で新連載も始まるでしょうし、このままだといよいよ打ち切り候補入り。敵幹部お披露目も打ち切り漫画あるある(何故か打ち切り手前くらいに敵の幹部登場のジャンプ漫画が多い。今だと累々戦記か)のように見えて不安でした。

 今回はここまで。色々書きましたがレベル4集団は文句なしの100点なので、隊長たちとも絡めて描いてくれることを願ってます。

 それではまた来週。コメントはいつでもお待ちしています。

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