中国歴史旅「雲崗石窟と龍門石窟」⑨日誌令和元年10月24日

画像1 中国歴史旅「雲崗石窟と龍門石窟」⑨日誌令和元年10月24日記録者山本甚吉隊員 四時五分 目覚め、気分はいい。起床して洗顔。  今日の見学地は待ちに待った待望の「五台山」。早速資料を通りだして予習です。  五台山には、「入唐求法巡礼行記」を書いた最澄の弟子で慈覚大師円仁がこの地で修行するために滞在していました。滞在していたのは中国で二番目に古いといわれる「顕通寺」です。このお寺の記録担当者が私で、資料を読んだり、位置などを確認していると六時近くになりました。
画像2 八時三分 バス発車。鄧さんの説明を聞きながら五台山まで二四〇キロ、所要時間三時間のバス旅です。太原の空は綺麗で空気は汚れていません。太原市の自動車は全部電気自動車です。一〇年前は石炭を利用していたので、スモッグでいつも空気は汚れ放題で曇り空だったそうです。鄧さんが歌曲「圪梁梁」を披露してくれました。 八時一五分 鄧さんの住む高層マンション前を通過しました。三四階建てマンションの二九階に住み、七二平米で家賃一万元(約一七万円)だそうです。
画像3 八時一九分 高速道路に入る。マンションの話が続きます。中国ではまだ男上位の社会ですが、男の子を持った両親は住宅を入手しなければならない風習があります。そしてマンションであれば最上階三四階に住居を構えることが一番の名誉だとされていて、鄧さんご夫妻も三四階を目指して頑張っているいるということです。息子さんの学校教育にも影響するそうです。
画像4 八時二五分 太原市の郊外に出てくると見通しも良くなって、遠くの景観もはっきりして車窓から楽しめるようになってきました。バスの前方、北の山々の尾根もはっきり見て取れるし、高速道路沿いのポプラの木々の黄葉も目を楽しませてくれる。バスの右手は太行山脈の山並みです。 車内温度二〇度、湿度四四%  八時四二分 山の尾根の掘り割りを超えます。東の太行山脈は土の山、西側の呂梁山は石の山で、今では少なくなっている陝西省などとおなじような「やおとん」が見られます。
画像5 時 右手前方(五台山方向)の山波みは濃い灰色の雲に覆われています。天気が心配です。紫岩パーキングでトイレ休憩。  九時一五分 出発。鄧さんと馬さんの「五台山」でのスケージュールと見学予定地のお話が。  五台山の寺院は、中国では一番早い時期に造られはじめ古い時代の建造物が一番多く残っているそうです。寺院にはいろいろな文物が多く残っています。文殊菩薩の霊場です。  五台山は、五つの平らな峰によって構成されていることによる名前です。東台、北代、中代、西台、南台です。
画像6 五つの峰を右手の指で示すと小指が東台、薬指が北台、中指は中台、人差し指は西台、親指が南台です。五つの指に囲まれたエリアが手のひらで、探検隊が見学する寺院が集中する場所で「台懐鎮」といいます。  九時三五分 寺院見学中の注意事項です。 ①パスポートなど貴重品に特に気をつけること。 ②寺院のお坊さんは他のところより地位が高いので敬意をもって挨拶してください。 ③仏殿内では帽子は着用しないでください。 ④仏殿内の写真撮影は禁止です。
画像7 九時四六分 一つ目のトンネルに入る。トンネルを出てしばらくして高速道路と建安から原平に向かう鉄道が交差し、右手建安から数珠繋ぎの石炭を満載した貨物列車を見ました。  一〇時 五台市を通過。空が明るくなってきました。天気は心配ないようです。温度二五度、湿度三五%  トウモロコシの畑が続いています。立ち枯れて薄茶色で残っています。これから寒い冬を迎えるため燃料として使用したり、動物の飼料として使われると聞きました。
画像8 二つ目のトンネルに入りました。トンネル内の照明にびっくりしました。左側は橙色の照明、右側には白色の照明がリズムよく点滅していました。トンネルの延長は五,五キロ、バスは七〇キロので走行中。パチンコ玉がガイドの釘に沿って落下するシーンを思い出して、バスがパチンコ玉となって出口へ突っ走るシーンのように感じて楽しくなりました。   三つ目のトンネルを出ると今度は両側が岩山で道路はその間を通ります。河原の石を見ると円礫、角礫が入り交じり、河原沿いの広場には牛が放牧されていて牛飼いの姿もありました。
画像9 一〇時五五分 観光客のいない土産物店駐車場で二度目のトイレ休憩です。ここで五台山の入山チケット(一四五元)を購入。一度バスを降りて徒歩で検問所を通過してから再びバスに乗車。海抜一三六〇㍍、気温一三度、湿度三一%  一一時一〇分 出発。二人の説明を聞きながら景観を楽しみました。
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画像12 右手に清水河。五台山の特産野菜は、二千㍍の高地で栽培されているジャガイモやキャベツです。鄧さんの話では、「今日のお昼ご飯は五台山のお坊さん用の食事を楽しんでください。お肉やお酒はだめです」ということですが、どうしようとおもいました。  一一時三〇分 レストランの北岳土菜館の駐車場に到着しました。海抜一六二〇㍍、気温一八度、湿度三一%、強風  食事はお坊さん用の料理でメニューのとおりです。メニューの上の三つは、レストランの名物料理ですが野菜はおぼえていません。メニューの漢字から想像してみてください。
画像13 食事はお坊さん用の料理でメニューのとおりです。メニューの上の三つは、レストランの名物料理ですが野菜はおぼえていません。メニューの漢字から想像してみてください。
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画像17 一二時二〇分 バスが発車しました。馬さんが「これから五台山の北台、中台、西台そして台懐寺廟群を見渡せる場所に案内します。それから今日予定していた顕通寺は修復工事中のために残念ですが見学できません」という。えー、私が今回の旅で一番期待していたのが五台山の顕通寺です。しかも、私が記録を担当するお寺です。「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と心の中で唱えました。まあ、いいか、円仁が修行滞在したのは
画像18 一二時三〇分 眺望の良いところへ二人乗りのリフトで登ります。鄧さんと馬さんがチケット売り場へ、後から着いていくと「強風のため運行停止」の看板がでていました。天気も回復したし、北台がよく見えるし、それに目の前に広がる台懐寺院群の七仏寺、十法護法壇、菩薩頂、顕通寺、五台山のランドマークとしての大白塔が目に飛び込んできているのに。馬さんが「風が止んで、リフトが再開したらまたここに来ましょう」ということでバスに乗車しました。
画像19 ちょっと前の丹後半島古墳巡りでの「伊根の観光船」の出来事を思い出しました。観光船乗り場に到着したらちょうどいまいまのことですが「強風のため、今日の観光船は中止になりました」という。あーあ。  一二時五〇分 バスで移動。山の中腹にあります「菩薩頂」の駐車場に到着しました。  記録担当者は堤廣行隊員です。報告を楽しみにしてください。

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