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イン・ザ・プール

誰にでもきっと怖いものはある。
お化けが出てくるかもしれないから夜のお風呂が怖い。事故を起こしてしまうかもしれないから運転が怖い。嫌われるかもしれないから発言するのが怖い。


周りから見れば、え?そんな事が?と思われるようなことでも本人にとっては人生が終わってしまうと思うほどに心配で堪らない事だったりする。
皆それぞれなんかしら抱えてたりする。

伊良部先生は否定も肯定もしないけど、とっても変。
最初は読みながら、変、とは言え精神科医だから、患者の為に何かしら意図があって、敢えて変にしているんだと思っていたけど、読んでいくにつれて、そうでもなさそうで本当に何も考えていない気がした。
ただ自分の欲に忠実。



“性格こそ不治の病”という表現がすごく素敵だった。
精神科に行けば〇〇病と診断書は出してくれるかもしれないけど、まずは自分がそういう性格だと認める事でたくさんの怖いものが少し怖くなくなるのかなと。


救われたような、鼻で笑っちゃうような、他人事なんだけど、ちょっと分かる気もする本。

でも1つだけどうしても気になる事がある。

伊良部先生が患者たちに毎日打ってる注射。その注射の中身はなんなんだ?専門知識が全くないから分からないけど、精神的に効く、毎日打っても良い注射ってあるのかな?

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