野草デビュー 39のネジバナ

   石神井川の遊歩道にはいろんな種類の野草があります。
    いつもの場所を何気なく見ると、あらあら不思議なピンクのお花が咲いてました。茎から捻れながら咲いています。
  かわいい🎀🎗️
  不思議🎀🎗️
  検索するとネジバナということです。写真を撮ったのが去年の6月19日。
   偶然綺麗に撮れていたので、我ながら満足で残していました。
   みちくさ部に入部したところ全国のネジバナの開花状況を調べるネジバナリレーがありました。
   👋😆🎶✨
   私も参加しなきゃということで、石神井から引っ越ししたのだけど
   ネジバナを探しに行ってきました。
   どこだっけ、咲いてたとこ
   今年も咲いているのかな
    ワクワク、ドキドキ

同じところにいました

   見つけた🌿あった💚
   右向きと左向き

去年と同じところっぽい
お花の色が薄いのも
エノコログサやイネ科なんかに混じって
花が咲かなきゃわからない

   しかしある一画にしかいない
   他の雑草とは違うフシギバナ

  ネジバナリレーは開花、植生地まで知らせて分布図も作ってあります。すごい⤴️⤴️

ネジバナリレー分布図


日本科学未来館  科学コミュニケーターブログさんに面白いネジバナの記事がありました。長いですがネジバナへの愛情を感じます。


🌺☘️❇️🌿可愛い雑草ネジバナの話より

こんにちは。科学コミュニケーターの加藤木です。
今回はネジバナというお花についてご紹介します。
私は大学でネジバナの研究をしていました。

ネジバナは大学構内に雑草としてたくさん生えていたので、ネジバナのサンプルを採集し放題でした。
ネジバナを採取し研究を続けるうちに、ネジバナの「かわいさ」と「したたかさ」に惚れ込んでしまいました。 こんなかわいくて、したたかな花をみたことありますか。

ネジネジしているネジバナ かわいさも、したたかさも、わからない。お花が好きなコミュニケーターなのね、もういいや。 ページ閉じちゃおう・・・

とした皆さん、ちょっと待ってください。 ネジバナは、きっと皆さんが暮らす地域にも生えています。
この記事を読めば、毎年ネジバナが 咲くころに、皆さんの人生が豊かになります。
たぶん十中八九。
まずはネジバナの「かわいさ」に触れつつ、ネジバナとは何かをご紹介します。

ネジバナってなに? ネジバナは、日当たりの良い草地に分布するラン科植物です。

開花時の背丈は15 cm くらい。 ラン科植物とはなんでしょう。

ランの仲間ということです。ランとはどんなお花でしょうか。 ランの中では、お店の開店祝いに贈答用で送られる胡蝶蘭が有名です(一鉢ウン万円するものも)。 
加えてランは栽培植物としても人気で、毎年東京ドームで「世界らん展」という大規模なランの 展示会も開かれています。
 一年に一度、東京ドームにランが大好きな人々が各地から大集合している訳です。
   花屋さんにも大抵ランが置いてあるので覗いてみてください。花屋さんでは、胡蝶蘭や、オンシジウムをよく見かけます。

☘️🌺💚

このように大人気のランの仲間でありながら、ネジバナは雑草のようにその辺に生えています。
すなわちその辺の芝生で簡単にランと会えるということです。 会いに行けるラン科植物、ネジバナ。
会いに行けるアイドル、ネジバナ。
最高ですね。 では、どこに行けばネジバナに会えるのでしょうか。
ネジバナはどこにいる? ネジバナは日本では沖縄から北海道までの草地に咲いています。
お台場の公園でもネジバナが 多数咲いていたという情報を教えてくれ、実際に生息を確認しました。
また、友人が伊豆諸島にも咲いていることを報告してくれましたし、
私が北海道を旅行した時には冬にマイナス40度にもなる朱鞠内湖(しゅまりないこ)の道路脇で ネジバナを見つけました。
皆さん、おめでとうございます!
本当にどんな所にも生えているようです。

💚🌺☘️

これでネジバナに会いに行けますね。 ではネジバナはいつでも発見できるの? ・・・

ごめんなさい!残念ながら花が咲いている時期以外はネジバナを見分けることが難しいかもしれません。
というのも、ネジバナが咲いている草地は、芝やネコジャラシなどもっぱらイネ科の植物(草が薄くて細長い)が一緒に生息しているのですが、ネジバナの葉は小さい上にイネ科の植物の葉にそっくりなのです。
うーん。
仕方ないので、花が咲いた時期に見に行きましょうか。

開花時期はだいたい梅雨明けで、東京では6月中旬~7月が見頃です。
ただし2021年は未来館のある東京では梅雨入りが遅かったので、梅雨前に咲いていました。
☘️🌺🌿

Twitterでは日本全国のネジバナ開花を見える化しようと、
#ネジバナリレー というハッシュタグでネジバナの開花前線を作成している方がいらっしゃいます。 ぜひ覗いてみてください。

もう一つ悲報があります。ネジバナが開花する時期は、他の植物も盛んに成長する時期ですので、草地に草刈りが入る場合があります。
ネジバナの開花から結実(種を作る)までは草刈りとの戦いです。皆さんも草刈りと戦いながらネジバナを見に行ってみてください。

でもそれはそれで儚くて 健気でしょ。 ネジバナの「したたかさ」 毎年草刈りと戦っている(であろう)健気なネジバナ。
実はとてもしたたかです。

🌿🌺💚
ネジバナの種は、直径200 μm(0.2 mm)程で、肉眼で見ると砂のような感じです。
構造は細胞1つに殻がついた程度で、発芽するための養分(胚乳)を持ち合わせていません。
なので、ネジバナは自力で発芽できません。じゃあどうするか。
ネジバナは菌と共に生活する ネジバナは、発芽前から菌とともに生活することが知られています。
葉や根を出す発芽の前に、 米粒ほどのプロトコームという肥大組織を作ります。
プロトコームは長い部分で3000 μm(3 mm)程で種に比べるとずいぶん大きくなります。プロトコームにはある特定の菌が中に入ると確かめられており、この侵入した菌を消化して発芽のエネルギーにしている可能性が示されています。 自力で種に養分を蓄える代わりに菌を住まわせ、しかもそれをエネルギー源にしているなんてしたたかですね。

では、ネジバナが無事発芽して、葉や根を出したあとはどのように生きているのでしょう。
実はネジバナの根は太く短く、植物が生きるために必要な水分や養分を土壌から吸い取れるようなやる気のある根には見えません。

やる気のないネジバナの根 ここでも菌の登場です。
ネジバナの根(正確には根と塊根)の内部には、発芽時に侵入した菌(菌根菌)が生活しています。 ネジバナの花が咲く時期には根にいた菌の量が減ると示されており、開花時期にも菌を消化している可能性が考えられています。

💚🌺🌿

ここまでのネジバナの魅力をまとめます。 ❇️栽培植物として人気のラン科植物の仲間でありながら、その辺に生えている
❇️日本の各地に生息している(#ネジバナリレーで確認してみてください)
❇️発芽の時も、大きくなってからも菌とともに生活する 最後に補足として、皆さんが実際にネジバナを発見した時に楽しめるポイントをご紹介します。

ネジネジには多様性がある ネジバナは、花がらせん状になって咲きます。花のつき方には右巻きと左巻きがあり、それぞれおおむね 1:1 の割合で存在するそうです。中にはらせん状にならず、一直線に花がついているように見えるネジバナや、巻き方の強弱が異なるネジバナもいます。
花の色は、ピンク~白でこれも個体によって変わります。ネジバナの花が咲いたときは、ぜひ一つ一つじっくり眺めてみてください。ネジバナを見つめる皆さんは、原っぱにしゃがんで移動し続け、もれなく変人になれます。

 ぜひ皆さんもネジバナを探して、ネジバナの成長過程に思いを馳せてみてください。 

日本科学未来館  科学コミュニケーターブログ

🌺☘️❇️🌿可愛い雑草ネジバナの話より


牧野富太郎学生版原色植物図鑑
野外植物編より

ネジバナ(古名  モジズリ)
ウイキより
🌺ネジバナ(捩花、学名:Spiranthes sinensis var. amoena)は、ラン科ネジバナ属の小型の多年草。別名がモジズリ(綟摺)。

🌺湿っていて日当たりの良い、背の低い草地に良く生育する。
花色は通常桃色で、小さな花を多数細長い花茎に密着させるようにつけるが、その花が花茎の周りに螺旋状に並んで咲く「ねじれた花序」が和名の由来である。
「ネジレバナ」、「ネジリバナ」、「ねじり草(そう)」とも呼ばれる事もある。

写真はウイキよりお借りしました

学名のSpiranthes(スピランセス)は、ギリシャ語の 「speira(螺旋(らせん))+anthos(花)」に由来する。
右巻きと左巻きの両方があり、中には花序がねじれない個体や、途中でねじれ方が変わる個体もある。
右巻きと左巻きの比率は大体1対1である。
花茎から伸びる子房は緑色で、茎に沿って上に伸び、その先端につく花は真横に向かって咲く。花茎の高さは10-40 cm。
花は小さく、5弁がピンク、唇弁が白。
花のつく位置が茎の周りに螺旋状であるため、花茎の周りにピンクの花が螺旋階段のように並ぶことになる。
この螺旋は右巻きと左巻きの両方が見られる。
コハナバチのような小形のハナバチなどが花粉塊を運んで他花受粉が起こる。
訪花昆虫が入り込めない隔離温室内などで開花した個体の場合、基本的にはほとんど結実がみられない。
しかし長期にわたって花粉塊が運び去られないと、これが崩壊して柱頭に降りかかり、自家受粉を成立させる場合もあることが知られている。開花時期は4-9月。
葉は柔らかく厚みがあり、根出状に数枚つける。冬期は楕円形だが生育期間中は細長く伸びる。根は極めて太短く、細めのサツマイモのような形で数本しかない。ごく稀に真っ白い花をつける個体(シロネジバナ、シロバナモジズリ)が見られ、園芸愛好家に好まれる。

日本全土、ヨーロッパ東部からシベリアにかけて、温帯・熱帯アジア全域、オセアニアなどに広く分布する。
ラン科ではめずらしく、芝生や土手、都市公園等の人間の生活圏に近い所で普通に見ることができる。
この為、ともすれば花の綺麗な雑草として扱われ、芝刈り機で刈り取られてしまう。
他方、その花の可愛らしさから、昔から愛でられ、愛好家主催の展示即売会等で、山野草として販売される事もある。
昭和の終わり頃、当時の野性ランブームの中で管状の葉や斑入りなどの変異個体を収集するのが流行したが、後述のように単独栽培や株分けによるクローン増殖が困難なこともあって、ごく一部を除いて保存されていない。

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