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犬の外耳炎 予防と治療

耳の炎症は犬でおこりやすく、よく動物病院にかかる理由です。
この記事では外耳炎の原因と治療、予防法について紹介します。



外耳とは


外耳とは、耳介から鼓膜までの部分です。犬の外耳道はL字型に緩く曲線を描いた形をしています。外から見えるのは垂直になった途中までで、家での耳そうじはこの見える範囲でおこなうことになります。

耳の中は怖くて触れないという方がいらっしゃいますが、よほど綿棒をおしこまないかぎり、鼓膜にとどきません。

犬の外耳炎とは

外耳炎とは、いろいろな理由でひきおこされる外耳の炎症のことです。はやめに対処すれば1~2週間でなおります。

しかし、治療がおくれると再発をくりかえし、慢性的になってしまうことも。アレルギーなどの基礎疾患があると、定期的な治療が必要になることがあります。

犬の外耳炎の原因


いくつかの要因がからみあって発症します。
 ・アレルギー、アトピー
 ・外傷
 ・内分泌疾患
 ・自己免疫性疾患
 ・腫瘍、ポリープ
 ・耳疥癬、疥癬、毛包虫
 ・虫、植物の種などの異物
細菌、酵母様真菌(マラセチア)は健康な皮膚や耳にいますが、上記のようなときに増えると、炎症をおこします。

免疫の異常や低下、全身の病気になれば、どの犬もなることがあります。耳道がせまい、耳の毛や分泌物がおおい犬種はなりやすい傾向が。腫瘍やポリープができると換気不足で悪化しやすくなります。気温や湿度の上昇も原因に。水遊び後になった犬もいました。

動物病院へ行く目安


以下のようなようすがみられたら、動物病院で診察してもらってください。
 ・首や耳の後ろをかく
 ・頭をふる
 ・耳を床にこすりつける
 ・耳がにおう
 ・そうじした次の日にも垢がおおい
 ・耳を触ろうとすると怒る
 ・トリミングで赤いといわれた
 ・耳から血や液体がでている

外耳炎の治療


主に耳垢の除去、点耳薬、内服薬で治療していきます。

そうじをして可能なかぎり耳垢をとりのぞいたあと、耳の穴に薬をいれます。痛みや腫れがある、そうじが苦手などの場合は無理せず、しばらく薬だけいれることも。

点耳薬は炎症をおこしているときは1日1回、毎日つかう。耳の壁にうすく、まんべんなくつくようにするとよいでしょう。

内服薬は点耳薬だけでは炎症を抑えられないときにつかう。アレルギー、アトピーや内分泌疾患は、それぞれの疾患にあわせて内服薬を与えたほうが改善しやすいでしょう。

寄生虫は、寄生している種類に効果がある薬をつかう。

外耳炎が悪化してしまったら、定期的な処置が必要になることおおいです。耳道がカーブするあたりから奥の耳垢をとるには、耳に液体をいれて洗浄をします。

耳の入り口からの治療がむずかしいときは、耳道切開という手術がおこなわれます。

鼓膜に近いところの問題は、耳道内視鏡(ビデオオトスコープ)がある動物病院で治療をうけたほうがよいでしょう。


外耳炎の予防

ご自宅の手入れでできます。炎症をおこしていない犬の耳そうじの頻度は1~2か月に1回、外から見える範囲でじゅうぶんです。トリミングや自宅でのシャンプーのときなどでよいでしょう。

しかし、炎症を起こしやすい犬は、手入れの回数をふやします。そうじのし過ぎも耳に刺激を与えすぎて問題になることがあるので、ちょうどよい頻度をみつけることがたいせつです。

耳の手入れの方法


刺激を与えないよう、やさしく耳垢をふきとります。
水かぬるま湯で湿らせたコットン、ガーゼやティッシュペーパーをつかう。
細い耳道、耳のひだは、湿らせた綿棒でもよいでしょう。
耳垢や耳の中の毛を奥へ押しこまないように、注意してください。

耳垢が油っぽくてとりにくいときは、水の代わりにイヤークリーナ―をしみこませたコットンや、耳そうじシートを使ってみてはいかがでしょうか。クリーナーは刺激がすくないものを選びましょう。

外耳炎にならないために

自宅で定期的な観察や手入れをおこない、外耳炎にならないように気をつけてあげてください。
こじれた外耳炎は手間と時間がかかります。はやめの対処で治療が長引かないようにしましょう。


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