魔法騎士レイアース(GB)をレビュー

今回はこのゲームをレビューする。

かなりのレトロゲームだけど。

一応原作は全て読んだし、アニメもほぼ見た、原作ファンで原作のネタバレは避ける


○ゲーム情報

  • ゲームハード ゲームボーイ(バーチャルコンソールなどは未配信。GB、SGB、GBP、GBC、GBAは遊べる)

  • 価格 4725円(当時価格)

  • ジャンル RPG

○個人的評価

評価はS(最高)→A→B→C→D→E(最低)で評価

  • ストーリーA

  • グラフィック(当時基準)S

  • ゲームバランスや難易度 B

  • 操作性 A

  •  世界観の原作再現度(キャラゲーなので) A

  • BGM S

  • ゲームの面白さ B

  • やり込み要素 E

  • 総合評価 B

  • 適正価格 1000円。グラフィックやBGMは良いし、ストーリーもよく出来てるので、クソゲーという訳では無いが、後述のゲーム内容の薄さもあり、この値段。

○良い点

  • 原作、アニメ同様に光、海、風とトリプル主人公で3人は絵の世界に取り込まれ、光は魔物の襲撃に悩まされる町、海は謎の森、風は謎の城と三者三様のストーリーが楽しめる(選択制でどこから遊んでもOKだがクリアするなら全て遊ぶこと。RPGに慣れないなら風は後回し。海が一本道でギミックや中ボスもなく、難易度がかなり低め。光は中ボスがあり、風と違ってマップギミックは無い、海と風の中間難易度)

  • 光と海は絵の中の住民と一緒に問題解決していく話になるが、風は謎の城で一人で淡々とヒントの貼り紙を見ながら、ギミックを解除していく全く毛色が異なるストーリーで、風のストーリーは絵の中の住民は最深部のボスしかいない。風が1番難易度が高いが、次回作の伏線になっている

  • RPG入門のようなゲーム。RPGの基礎はほぼ出来ている。奥に行けば行くほど強い敵が出るようになっているのでレベル上げは必須になり、RPGのレベル上げの重要度を教えてくれるゲーム。

  • 海と風は最深部のボスを倒せばクリア。光は洞窟の中ボスを倒した後に町外れの塔に行くことになるので、その塔の最深部のボスを倒せばクリアなので、ゲームとしては一本道で単純明快。

  • HPやMPなどに細かい数字も入ってないし、防具や薬を買ったりする、面倒な買い物要素は入ってないので、小さい子でも入りやすく、初代ドラクエより難易度が低いので、RPGが初めての人向け。

  • 経験値も細かい数値が入っておらず、10回戦闘すればレベルが上がるシステム。最大で5なので、初心者にもやりやすい。エンカザコにも何レベルまで経験値が入ると設定されてるため、高レベルで低レベル雑魚狩るのは完全に無駄足になっているのでゲームバランスもそこそこ。

  • グラフィックがとにかく綺麗で顔グラやオープニングのイラストなどはドットで綺麗に再現されている。CLAMPのあの美麗な作画をここまで綺麗に再現出来るのは確実な評価点。キャラゲーは基本的にグラは問題ないことが多い。携帯ゲーム機部門、最クソと悪名高い、ちびまる子お小遣い大作戦ら遊戯王8(私はどちらもYouTube配信を見たのみ)でさえ、これだけは上手くできてるから殆どのキャラゲーはそれでもこのゲームの顔グラはレベルが高いし、キャラクターの表情の種類も豊富

  • 主人公3人の人格も原作通りで、光はボーイッシュで勇敢な少女、海は一見クールビューティだが、仲間想いでオーバーリアクションな性格、風は知的でお淑やかなお嬢様という性格もよく再現出来ている

  • 光と海のストーリーに出てくる住民もグラがよく出来ているし、海のストーリーの行動を共にするウサギも可愛くできていて、感情移入しやすい

  • GBなので音質は良くないが、モコナのぷぅぷぅ(本作、モコナは殆ど出番無しだが、これが結構可愛い)と魔法発動時はボイス付き

  • BGMも原作再現がよくできていて、最初のオープニング曲のゆずれない願いのメロディも再現もできている

  • 戦闘テンポもよく、すぐ終わる

  • 戦闘中やイベント中でなければセーブができる

  • 行き止まりイベントが結構あり、道具の概念は無いので、やって特に良い事が起こる訳では無いが、イベントを楽しむという、RPG特有の探索の楽しみがある

  • エンディングは原作のセフィーロの世界のコンセプトを忘れずにちゃんと絵の中の住民も全員ハッピーエンドという形で収まるのは良かった

×悪い点

  •  全ての敵は主人公が何レベルで何回攻撃すれば倒れる、魔法は何レベルまで一撃で効くのかとか、高レベルのザコ敵は先手を打ったりして、低レベルの主人公を確実に倒せるように全部プログラミングされている。その仕様上、レベル上げをすればあっさり勝てるが、主人公のレベルが低いと敵に必ず倒されてつまづくシステムになってるため、レベル上げ必須で低レベルクリアは不可能になっている。エンカとの戦闘を面倒がってサボってると最悪、詰む可能性もある

  • 戦闘も攻撃、魔法、逃走の3種類のみで、魔法は原作の代表的な魔法一種類しかないのでコマンド選択もなく、バフデバフもなく、簡単すぎて、RPG特有の戦略性がない

  • アイテムの概念や宿屋(光のストーリーの舞台は街だが、全て民家になっていて1軒は空き家)などもないため、回復は自然回復のみかつ、エンカが出ない場所は海や風にはないし、光も街のみなので、自然回復中にエンカが出て、理不尽にやられる時がある。自然回復の時間が面倒くさい。そんなんなら傷薬とか出してくれと思う。

  •  三者三様のストーリーだが、戦略性もなく、難易度は緩く、エンカとの戦闘をちゃんとやってれば、RPG中級者や上級者なら2、3時間程度でクリア出来る。とにかく薄いのに裏ボスなど、クリア後のお楽しみも一切無いため、RPG特有かつ、醍醐味の裏ボスとか友達と対戦などやり込み要素が全くないので、5000円前後のフルプライスのゲームとは思えない。

  • 最終盤のザガートの原作乖離が酷い。まるで悪逆非道の悪代官のよう描かれているのが、ツッコミどころが満載。原作でも悪役のように描かれているが、とあるやむを得ない理由で、主人公3人への妨害はしても3人以外は陥れようなんてほぼ、考えていない人物。原作の2が連載中で1のザガートとの決戦、セフィーロの残酷な現実、ザガートの真実を知らない読者がいるかもしれないから、そういう扱いになったかもしれないけど、完全に悪逆非道な人物に描かれていて、ザガートの真実やあまりに残酷なセフィーロの現実、2で解明される、ザガートの人物像で泣いた、原作ファンからしたらこれはないだろ(怒)と思える。次回作は原作乖離の批判があったのか、ゲームオリジナルのラスボスになった。

○総評

私自身、少女漫画はほぼ読まないが、このレイアースだけは結構読み込んだ。ザガート以外は原作再現が凄く、制作スタッフの原作愛も伝わる作品。
RPGの初心者向けのゲーム。今プレイしたら多分、2、3時間でクリアできると思われる。
先述のまる子や遊戯王もそうだが、ドラえもんカートやタッチ、3DSのテニプリ(ドラえもんカート以外は配信で観たのみ。ドラえもんカートも気が向いたらレビューしたい所)・・・キャラゲーはクソゲーが尽きず、正直豊作であり、キャラゲーある所クソゲーありとよく言われるが、レイアースは1本もクソゲーを出していない奇跡の作品であると思える。
スパロボにも魔神(次作は登場しているが、今作は1部を見ていない読者の配慮のためか登場していない)を引っ連れて出張してきたが、これまで美麗なアニメーションを見せてくれて、スパロボを知らない私でも見入ってしまうほど、クソゲー知らずの奇跡のタイトル。
原作が異世界ファンタジーかつ、原作も魔物が出るので、RPGと相性が良かったのかもしれない。
ファンアイテムとしても断然価値あるし、RPGの基礎は掴んでるので、RPG苦手な人でも気軽にプレイできるが、バーチャルコンソールが未配信、Switchの配信もなく、対応機器がとにかくレトロで、セーブ電池が切れていたり、ゲームボーイやアドバンスの入手が困難だったり、そちらの難易度の方が高いかもしれない。
ああ、Switchで配信してくれたら嬉しい作品なのに。
レトロフリークでも不具合など報告ないので、、対応しているっぽい。持ってる方はやってみる価値はあると思う。
RPGの基礎のようなゲームで私が一番最初にやったRPGかつ、ドラクエなどをレビューする際も説明しやすくなるので、本作をレビューしてみた。次回作はドラクエをレビューしながら書いてみようと思うのでしばしお待ちを。

○次回予告
 悪代官(予定内容は変わるかもしれないけど)

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