見出し画像

平成最後の夏に離れていったあなたへ

やっと文章にしようと思えるくらい、
あなたを過去にすることが出来た気がする。
後にも先にも私の大恋愛はこれっきりだなといつも思う。

平成最後の夏、
10代後半~20代前半の5年と半年付き合った彼に突然振られた。
本当のことを言えば、全然突然じゃない。
なんとなく気付いていた。というか、その少し前に一度振られかけている。
他に気になる人が出来てしまったという彼に
「私のこと嫌いじゃないなら別れない。別れたくない。」と言って
どうにか繋ぎ止めた。
今ここで別れなければ、
彼にはもう一度改めて別れを切り出す勇気なんてないと思っていたのに、
そこから確か1か月も経たずにあっさり振られたような気がする。

飲食店で話したのだけれど、涙を止めることなんてできずに
大声で泣いてしまっていた。
別れたくなんてなかったけれど、
2回も言われてしまったら、
いつも私を優先してくれていた彼が私のお願いを聞いてくれないという事実を前にしてしまったら、
もう別れを受け入れるしかなかった。

最後の抵抗で、もう別れを受け入れるから駐輪場まで送ってほしい。
このままバイバイするのはきついって何回も言ったけれど、
彼は頑なに拒んできた。
当時は頑なに送ってくれなかったことも、
振った側のくせに私と同じくらい泣いていたことも、
全然意味がわからなかったけれど
今になってみると、
私に流されてしまいそうだったから拒んだのかなと思える。
そうであってほしいと思っているだけかもしれないな。

あれから6年が経とうとしていて、一緒に過ごしてきた時間よりも
離れてからの時間の方が長くなったね。
この6年の間に恋もしたし、愛の真似事なんかしたりもしたけれど
全然うまくできなかったよ。
愛することも愛されることも下手すぎて、傷ついたり傷つけたりした。
あなたに振られて傷つけられたと思っていたけれど、
きっと知らないうちに私もどこかであなたを傷つけていたんだろうね。
私たちは5年半も一緒にいたのに一度も喧嘩をしなかったけれど、
多分ぶつかることにお互い臆病だっただけだね。

当時は、私と幸せにならないのなら不幸になれとか思っていたけれど
最近は、私の知らないどこかで元気に生きてくれていたらいいなと思うよ。
こうやって思えるようになったのは、
大事にしたい人がそばにいてくれるからだなと思う。
あなたにもそんな誰かがそばにいてくれることを願っているよ。


これでやっと本当の意味であなたと、この大恋愛と別れられる気がするよ。
さようなら。どうかお元気で。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?