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清らかな皮衣をまとった野獣・・・ JUZEAR Clear

こんにちは。あら50りっぷです。

今回もまたまた初挑戦の中華イヤホンメーカー「JUZEAR」のアンダー1万円モデルの「Clear」をレビューしていきます。

ニッチなネットレビューでこのイヤホンの情報を見てから、衝動的にどうしても欲しくなり、Amazonで即購入してしまいました。ボクが購入したのは3.5mmアンバランス接続のモデルで、このほかに4.4mmバランス接続のモデルが選べます。

箱を開封するなり、いきなりビックリ!
Clear のボディーの外観の美しさ、宝玉のような青波模様が施されたクリアシェルは一見の価値ありですね。脱帽です!

レジン製の透明ボディに美しい青波模様が施されたフェイスプレート。外観は宝玉「翡翠」のよう

「JUZEAR」の販売モデルを調査すると、メインラインは数万円以上のハイエンドイヤホンが中心のようです。そのJUZEARが1万円以下でイヤホンを発売したということで、ハイエンドモデルから受け継がれた「極上の音」が安価で手に入れられるのではないかと期待が膨らんできます。さっそく外観から見ていきましょう。

商品情報を調べたときには、普通の樹脂成形型シェルなのだろうと思っていたら、実はClearはDLP 3Dプリンティング技術により無蛍光高耐候性樹脂(レジン)流し込みのムチムチボディで、耐候性、耐黄変性にも優れ、濁りのない透明度がとにかく綺麗です。青波をイメージしたフェイスプレートの模様は透明シェルとダークブルーの波のコントラストが見事で、陽光の下を歩くと光線によって翡翠のような美しい輝きを変化させます。またプリントされているメタルのロゴと機種名も全体の高級感に寄与しています。

メタルのロゴも高級感に寄与している。とても7,000円台のイヤホンとは思えない

ボディサイズは一般的な有線イヤホンと比べてわずかに厚みがあるものの、多くの人の耳にフィットする形状で性別を問わず使用できると思います。なにより宝玉アクセサリのようなイヤホンを身につけている自分を想像するだけでハッピーな気分になれるのですから、費用対効果では最高でしょう! 男性よりむしろ女性に使ってほしいイヤホンですね。

光によって輝きを変える美しいボディーは、アクセサリーとしてもおすすめしたい。フェイスプレートの左右の刻印はロゴとモデル名で非対称

10mmの液晶ポリマー(LCP)複合振動板を搭載した二重磁気回路ダイナミックドライバー×1基のシンプルな1DDモデルですが、ドライバーがステム直下に配置されているのが特徴です。シェルが透明なためドライバーの位置と構造を外側から正確に覗くことができるのも面白い点です。

青味がかった透明レジン製ボディの形状はノーマルでどんな耳にもフィットする。裏側にはメーカー名が刻印される

これまでいくつもの1DDモデルを試聴して来ましたが、チューニング次第できらびやかな音を奏でるモデルも多数存在するので、Clearの試聴が楽しみです。

高純度単結晶銅線ケーブルが標準で付属する。太めだが取り回しもよく、強度もあってリケーブルはまったく必要ない。非常に高音質なのが特徴

純正ケーブルもまた優れもので、この価格帯では贅沢すぎる6N 高純度単結晶銅線を使用したケーブルが付属します。強度のある被膜に覆われた太目の網線ですが、取り回しに影響を与えることなくしなやかで軽量です。この高純度銅線のおかげで各帯域の量感がしっかり確保され、イヤホン本体のポテンシャルを最大限に引き出せているのでしょう。

0.78mm 2pin仕様でリケーブル達者にも選択肢が豊富。しっかりした被膜で覆われた線材

コネクタ形状は0.78mm 2pin仕様でリケーブルに便利ですが、ボクは正直リケーブルの必要性をまったく感じませんでした。見た目にも音質的にも、Clearと純正ケーブルの組み合わせがベストバランスだと考えます。

購入時には、3.5mmアンバランスと4.4mmバランスの2種類から選べる

余談ですが付属品もとても贅沢です。実用的なフェイクレザーのハードケースやクリーニングクロスが標準で同梱されており、コスパに優れたモデルです。化粧箱も高級感があるため、自分用ではなくプレゼントとしてもおすすめです。

市場でなかなか手に入れにくくなった Sedna Earfitlight Short イヤピはぜひ復活してほしい

ではいつものように、常用のSedna Earfitlight Shortイヤピを装着して視聴してみます。このイヤピは一世代前のモデルでAmazonなどでは手に入れにくくなっていますが、遮音性も高く硬質な音表現で、さらに低域をブーストしてくれる効果もあるので長いことお気に入りで使用しています。

アクセサリーを身につけるように、一緒に外出したくなる魔力を秘めている

音質について

「この低音はやばいかも!」

一聴して鳥肌がたつのを感じました。低音域は温かみと圧力のあるベースで、逆に中高域は寒色カリカリ。サウンドバランスは強ドンシャリで極端なV字カーブを描くボクの大好物サウンド。思い切ったチューニングはKZ以上と言えるかもしれません。Clearの最大の特徴はまさにこの重低音の心地よさにあると感じました。

キレと締まりのある重厚なサブベースが、うなるように効いてくる低域はなかなか他のイヤホンでは味わえない感覚です。決してブーミーではなく中高域に影響を及ぼすようなことがないのは、サイドに設置されたベントがうまく響きを逃がすことでチューニングしているのでしょう。

おかげで解像度の高いミッドベース、サブベースを感じつつも、ボーカル域や高域もクリアに聴きとることができます。V字カーブで多少凹んでいても、オケと声がはっきり分離しているので、ボーカルがしっかり前に聴こえてきます。実にうまいチューニングだと関心しました。

室内と屋外ではまったく別の顔をみせるフェイスプレートの輝き

高域の明瞭度は5段階中4くらいで、輪郭のはっきりしたエッジの効いたもの。まさしくClearという名に恥じない明瞭さと言えるでしょう。刺さらないギリギリレベルに調整され、アタック感とキレのあるキラキラなサウンドを聴かせてくれます。金属音の表現は上の中くらいで、美しい細かなシンバルやハイハットの音もしっかりつかめます。音色傾向は上品な見た目にそぐわず刺激的で派手目で迫力があり、量感を感じさせる高純度銅線とのマッチングもあって、重厚なサウンドが楽しめます。聴き始めはやや派手に感じる音色も、聴いているうちにすぐに慣れてしまうでしょう。

清らかな見た目とは裏腹にかなり刺激的で迫力のある「野獣」サウンドを聴かせてくれる

もともとClearはモニター用に使用できるようなナチュラルフラット系イヤホンではないし、原音を相当デフォルメしているのは間違いないでしょう。定位もそれほど正確ではないと思いますが、奥行きを感じさせる音場も広く感じられ、リスニング用としてこんなに楽しいイヤホンはなかなか見つからないでしょう。男声 / 女声ボーカルにうっとりするのもいいし、器楽曲をリズミカルに楽しむのにも向いています。パワー系イヤホンなので、メタルやロックを毎日聴いているリスナーにも超おすすめです。

身につけるだけでもハッピーな気分になれるClear。これが7,000円モデルに見える?

1DDモデルでありながら、ハイブリッドイヤホンを超えるようなパワーのある重低音と、明瞭でメリハリある高音を聴かせてくれる JUZEAR Clear は、強ドンシャリ好きな重低音マニアには垂涎モデルだと思います。寒色カリカリ&ドンシャリイヤホン好きのボクにはまさに王道ど真ん中、大好物のモデルでした。早速お気に入りリスト上位3位以内確定まちがいなしです!
明日から早速Clearを持ち歩くことにします!

Amazon価格で7,000円台と、格安なKZシリーズと比較すれば若干高価なモデルですが、高級イヤホンを主に販売するメーカーが1万円以下で極上の音の「片鱗」を聴かせてくれるなら、Clearはきっと隠れた名機なのでしょう。7,000円という価格を完全に凌駕したこの名機を、躊躇なく購入した自分を褒めてやりたい(購入後すぐに在庫切れになっちゃったくらいだから)。ほしい人は次回迷わずチャレンジしてみましょう!

【JUZEAR Clear】
Amazonで購入の場合

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0CGJ31B4Y/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o07_s00?ie=UTF8&th=1

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