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御相伴衆~Escorts 第一章 第七十六話暗澹たる日々⑥「西のお城にて(維羅・数馬side)」

 維羅イラが戻ると、数馬は、器具を使って、上半身のトレーニングをしていた。

「お、張り切ってるね、数馬」
「ああ、お帰り、維羅」
「はい、シャンプー、ルナがね、引き取って、預かってた分ね」
「ああ、こいつも、あっち行ったり、こっち行ったり、俺と同じだなあ、ありがと」
「まあ、浴室にも一応、置いておくから。明日から、お風呂解禁だね、おめでとう」
「でもさ、捻挫ごときで、これって、過保護じゃね?」
「ううん、数馬くん、総合的に見たら、重症だもん」
「・・・おいおい、また、揶揄からかってんな」

コンコン

「失礼します。維羅様」
「ああ、これ、検査結果です」
「あ、はいはい、ありがとう」

 奥の担当職員が、何か、封筒を持ってきた。

「何?」
「ううん、健康診断受けた職員の人のなんだけど・・・はぁ・・・これは、どうなるかな?」
「どうしたの?その人、悪いとか?」
「うーん、もう一回、検査かなあ・・・あああ、でも、チャンスないかもなあ」
「何?」
「見ないで。女性の患者さんなの、守秘義務ね」
「色々、あるんだなあ。悪くないといいね。その人」
「そうねえ、大丈夫よ。悪くはないみたいだから」
「なら、よかった。怪我しても、病気しても、治ればね、いいんだからさ」

 そうだね。数馬。その場合はね。

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