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舞台「パラサイト」

まさか舞台化されるとは、と驚いた本作品。見に行きたかったけれど、気づいた時はもう遅く。残念な思いをしていたらWOWOWで放送があった!!!やった。

WOWOWは映画もすごいけれど舞台も良い作品を放送してくださるので、WOWOWがきっかけで舞台に興味を持つようになった。

さて、本題の舞台「パラサイト」。韓国で2019年に公開され、アカデミー作品賞や監督賞など多くの賞を受賞したことでも知られている、映画「パラサイト 半地下の家族」もWOWOWの放送で観たのだが、気づかない間に少しずつ家が乗っ取られるような恐怖にぞっとした。

舞台は、原作(映画脚本)と大筋は違わないが、大阪の話に置き換えられ、阪神淡路大震災の影響が語られる。
先日観た映画「エゴイスト」ですっかり宮沢氷魚さんにやられてしまった私だが、この舞台作品では氷魚さんの語りで話が進んでいく。それにしても氷魚さんが爽やかすぎてどうなんだろ。
多少、舞台のストーリーはマイルドな作りにしてあるけれど、人の家を乗っ取るのだから、表向きは爽やかでも内にはドロドロした感情なり、無神経な厚かましさなりが見えててもいいのではないだろうか。
氷魚さんの父親役の古田新太さんも優しすぎる。飄々と生きている感じを表現しているのかもしれない。氷魚さんの妹役の伊藤沙莉さんが唯一狡猾さをのぞかせていたが、基本的に優しい心根の一家なのだと思う。貧しさゆえに思いもよらない悪事を働き、運命が変わってしまったのか。

原作はどうだったかな。一家全員狡猾で厚かましく、日常は不満だらけ、他人に対する嫉妬も激しかったように思う。見返してないので思い込みの部分もあるかもしれないけど。

ま、映画が原作とは言え、舞台化に当たってはストーリーも若干変えているので、そもそもの設定も変わっているのかもしれず、その辺りはいいのだけど。一つだけどうしても気になったセリフがあって。
それは寄生される裕福なお家の娘さん、氷魚さんが家庭教師として接点があるそのお嬢さんは恒松祐里さんが演じておられるのだが、その裕福な一家は高台に住んでいて、阪神淡路大震災が起こった時には影響がなかったのだと。裕福な家庭で育ったお嬢さんの、世間一般のことへの無知さを表現したかったのかもしれないが、「町は大きく揺れたみたいね。ここは高台に立っているからちっとも揺れなかったわ」みたいなことを言ったのだ。
あの時、芦屋の六麓荘もかなりの被害を受け、大阪、兵庫では揺れなかったところはないのではなかったか。あれを体験している人は、仮に自分がそんなに影響を受けていなかったとしても、どれだけ無知な人であっても、あんな人ごとのような発言は絶対にするわけがないのだ。実際の出来事をストーリーに入れる以上、その辺りはきちんとしてほしかったな、と思うのである。
舞台を関西に設定する以上、きっかけとして大きな出来事を持ってくる必要があったのかもしれないし、話の筋からはズレるポイントなんだけどね。

それはそうと、寄生されるほうのお家の奥さま、宮澤エマさんかと思っていたけど、ちょっと引っかかって調べてみたらなんと真木よう子さんだった。えー、顔だけ見たら区別付かなかった。そっくりでびっくり。

でも観たかった作品を無事鑑賞できて大満足!
ありがとうWOWOWさま😊


#パラサイト   #宮沢氷魚
#WOWOW      #真木よう子

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