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前世紀の洋楽鑑賞 その2

原題:SECONDS OUT
邦題:幻惑のスーパー・ライブ

感想
当時の邦題、今見ると、ちょっとダサい。
初めて聴いたときに感じたのは音の良さ。特にリズムセクション。ドラムの音が心地いい。
このアルバムのミキシング作業中にハケットが脱退。彼のギターが聴ける最後のアルバムとなりました。

Squonk(Rutherford/Banks)
フィル曰く、レッド・ツェッペリンの重低音の効いた曲のジェネシスバージョンを作ろうという意図があったらしい。
ベースペダルとドラムによるゆったりとした重めのリズムが心地良い。

The Carpet Crawlers (Rutherford/Collins/Banks/Hackett/Gabriel)
ピーター・ゲイブリエルが一番好きなメロディとのこと。組曲のアルバムの中から、この曲を抜き出してフィル・コリンズが歌ったことで、純粋にメロディの良さをアピールできたのではないだろうか。イントロを手弾きで演奏するトニー・バンクスも凄い。

Robbery, Assault and Battery (Banks/Collins )
ジェネシス最初のPVを制作したのが、この曲らしい。
個人的には、中間部で聴ける、ラザフォードの指が動き回るテクニカルなベースプレイ、お気に入りです。

Afterglow(Banks)
なぜか最近、やたらと聴いてます。
ギターのアルペジオ、分厚いキーボード。ゆったりしたドラム。ライブで聴ける独特のベースのフレーズも魅力的。
災害の後、荒涼とした大地に立ちすくむ的なイメージの歌詞、そして、フィルの歌声も印象的。

Firth of Fifth (Banks/Rutherford/Collins/Hackett/Gabriel)
バンクス・オリエンテッドな一曲。
ハケットのギターとバンクスのキーボードの絡みが美しい。
オリジナルにある冒頭のピアノソロ部分は、ライブでの再現は難しいでしょうね。

I Know What I Like (In Your Wardrobe)   (Banks/Rutherford/Collins/Hackett/Gabriel)
当時、ジェネシス初のシングルヒット曲。
メロディが口ずさみ易い。音楽的背景にビートルズがあるのがわかる。
ベースライン、好きだねぇ。

The Lamb Lies Down on Broadway  (Banks/Rutherford/Collins/Hackett/Gabriel)
問題作?ブロードウェイで迷える子羊(失礼)の冒頭を飾る曲。
オリジナルアルバムへの評価は賛否両論ありますが、ライブの定番曲になる曲も多い。
ゲイブリエルの脳内世界が炸裂。でも、歌詞の意味は深く考えず、音量高めにして、身を委ねるのが自分の聴き方です。

The Musical Box(Banks/Rutherford/Collins/Hackett/Gabriel)
最も古い曲。後半部のコリンズのヴォーカルの叫びからハケットのギターソロに入る部分、お気に入りです。

Supper's Ready(Banks/Rutherford/Collins/Hackett/Gabriel)
ジェネシスのプログレ的な曲でどれか一曲と問われると、多くのファンが選ぶのでは。
構築されたオーケストレーション。長いのに飽きさせない構成力はさすが。
個人的には、笛の音で場面チェンジするところ、大好き。
しかし、メンバーの演奏力、凄い。

The Cinema Show  (Rutherford/Banks/Collins/Hackett/Gabriel)
聴きどころは、途中から入るビル・ブラッフォードによる硬質なドラム。
コリンズとのツインドラムは圧巻。
この部分、何十回、いや100回以上かな?聞き直したかわからない。

Dance On A Volcano(Collins/Hackett/Rutherford/Banks)
フィル・コリンズのヴォーカルによる新生ジェネシスのアルバム「A Trick of the Tail」の一曲目。
当時のメンバー4人の意気込みが感じられる。
冒頭のアルペジオ、ジェネシスサウンドの典型のひとつですね。

Los Endos (Collins/Hackett/Rutherford/Banks)
ライブの定番曲。ロック・インストゥルメンタルの名曲と思っています。

ジェネシスの音って、1970年代のアルバムを聴いても、古いとは思わないんですよね。
鍵盤の話をすると、バンクスの端正に積み重ねた音は、キース・エマーソンやリック・ウェイクマンのテクニックバリバリの演奏と比べると一見地味ですが、自分は大好きだし、もっと言えば、だからこそ時代を経ても普遍性を保てる音だと思っています。
あと、ベースのオンオフの使い方が上手い。実際は、ラザフォードがギターとベースを使い分けているからなんだけど、ベースレスから、ベースが突然入ると、重低音がもの凄く効いているように聞こえる。
このアルバム、ライブアルバムの名盤だと思っています。

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