鹿苑寺と慈照寺

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2020年の読書記録を振り返る

プロローグ 個人的にも社会的にも変化の多かった2020年。そんな1年であっても僕の読書ペースは変わらなかった。昨年は75冊、今年は73冊(12/29時点)。 毎年70冊ずつ本が増えていくので、今年の初めに買い足した本棚もすでに読了済みの本で埋め尽くされている。いよいよ来年は電子書籍に移行か、と思う今日この頃。 さて、今年読んだ73冊の中から個人的ベスト10を決めようと思う。 昨年まではツイッターでやっていたけれど、今年はnoteにしっかりとした記録として残そうと思う。 なお、

    • 配信が始まってもいない作品に満点をつけるようないい加減なレビュアーにはなりたくない

      Filmarksを眺めていると、しばしば目にするのがまだ配信も始まっていない映画やドラマに評価をつけている連中。 あれはどういう心境なの? 大前提として書いておくと、試写会ですでに上映されている映画であれば、特に問題はない。おそらく中身を観た上で評価しているということがわかるから。問題はそうじゃないケース。 映画であれば、試写会があるからわかるのだけれど、ドラマは試写会がないから放送されていない作品の面白さなんてわかるはずもなく、すなわち評価できるはずもない。 これは

      • 何を観たらいいかわからない。そんなあなたにおすすめする2022年公開映画5本

        はじめに 映画を観るようになって4年くらい経つ。新旧問わずあらゆる映画を観てきたけれど、つくづく感じるのは、とにかく新作映画が多すぎるということ。 観たいなあと思っていても予定が合わず、気づいたら公開が終わっていたり、そうこうしているうちにまた新しい作品が公開され、供給過多になっている。 誰だってこう考えているだろう。 「とにかく面白い作品が観たい」 映画を1本観るのに1,900円かかる。無限に休みがあるわけでもない。時間とお金と労力をかけて観に行った作品が心底つまらな

        • Mr.Children 30th Anniversary Tour「半世紀へのエントランス」2022.5.10東京ドーム配信ライブ

          ※本記事は現在開催中のMr.Children 30th Anniversary Tour「半世紀へのエントランス」のセットリストや演出に触れます。これからツアーに参加される方や配信ライブを観られる方はご注意ください。 本日5月22日、Mr.Childrenの30周年アニバーサリーツアーとして開催中の「半世紀へのエントランス」の東京ドーム公演(5月10日開催)のライブ配信があった。なんといっても5月10日はMr.Childrenのデビューだ。 僕自身はMr.Children

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        2020年の読書記録を振り返る

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          2021年に読んだ本を総括するnote

          はじめに年々、読書量が減ってきている。それは冊数にも顕著に表れていて、2019年が75冊、2020年が73冊、今年が59冊だ。 もちろん、ただ漫然と多くの本を読めばいいというわけではないし、何よりも今年は良作、傑作を多く読めたので、大満足である。 毎年、1年の読書記録はnoteに残しているので、昨年のものも載せておく。 昨年はどうしてこんなにもめんどくさい趣向にしたのでしょうね。 思いついたらやりたくなる性分なのでしょう。 読書量が減っている原因についても触れておくことに

          2021年に読んだ本を総括するnote

          「お前らが大好きな“多様性”って、使えばそれっぽくなる魔法の言葉じゃねえんだよ」朝井リョウ『正欲』感想レビュー

          僕が小説を買う最初の条件は、まずあらすじが面白いかどうかだ。それが出発点と言っていい。 僕は週に少なくとも2回は書店に立ち寄る。そこで本を手に取り、裏表紙に書かれているあらすじに強烈な興味と読書欲を掻き立てられれば、すぐにレジへと向かう。 あらゆる小説を読んできた中で各種SNSで話題になっていたのが、朝井リョウさんの『正欲』だ。これは読まなければならない。僕の直観はそう訴えかけていたものの、本書の帯にはおおよそあらすじと言えるものの表記はなく、抽象的なイメージのみだった。

          「お前らが大好きな“多様性”って、使えばそれっぽくなる魔法の言葉じゃねえんだよ」朝井リョウ『正欲』感想レビュー

          2021年上半期に鑑賞した映画を総括するnote

          はじめに今年は自分自身も驚くほど映画を観ている。 もちろん鑑賞本数で争う気は毛頭ないし、観ている人は気が遠くなるほどの本数を観ていると思う。 僕が上半期に鑑賞した映画は、新作旧作合わせて46本。この中から特に良かった作品を新作と旧作に分けて紹介していこうと思う。 ~新作~鑑賞した作品は下記の通り。 Swallow/スワロウ 花束みたいな恋をした 哀愁しんでれら すばらしき世界 あの頃。 シン・エヴァンゲリオン劇場版 嵐の中で まともじゃないのは君も一緒 街の上で

          2021年上半期に鑑賞した映画を総括するnote

          どの音楽を聴いても刺さらない

          最後にライブに行ったのはいつだろうかと思い返す。 僕が好きなthe HIATUSというバンドの新譜のリリースツアーだった。2019年の9月3日だから、もう約2年になる。当時は大阪に住んでいたが、大阪で開催されるライブには日程が合わなかったので、平日に休みを取って名古屋まで行った。翌日も仕事だったのによく行ったものだなあと思う。ダブルアンコールで公演が長引いてしまい、急いで駅までダッシュした記憶が懐かしく思い出される。 2年という歳月は短いようで長くて、こんなにも生活が変わ

          どの音楽を聴いても刺さらない

          怪獣映画に人間描写は必要か

          映画を習慣的に観るようになり、映画の話を文章に書いてみたいと思うようになった。ただ、個別の作品については基本的にFilmarksに書いているので、作品を横断したものはnoteに書いていこうと思う。 何を書こうと思ったときに真っ先に思い浮かんだのは、怪獣映画についてだ。 僕は子供のときから怪獣映画が好きで、父と映画館によく観に行っていた。その影響もあって、ハリウッドでゴジラがリメイクされると聞いてめちゃくちゃ興奮した。 そのあたりのことは下記のnoteに記載している。

          怪獣映画に人間描写は必要か

          緊急事態も連発すると緊急事態ではなくなる

          2020年2月頃から始まったコロナ騒動。その間、緊急事態宣言は何度出されただろうか。大都市圏では3度目で、都道府県独自のものを加えると、さらに多くなる。 昨年の4月に出された緊急自体宣言は確かに意味があったように思う。なぜなら街から人がいなくなったから。人の移動を抑制することで確かに人と人の接触は少なくなった。でも、2回目の緊急事態宣言から少し様相が変わっていたと思う。ほとんど人の移動も抑制できていない。 では、これは誰が悪いのか? 宣言を守らずに街で遊ぶ元気な若者が悪

          緊急事態も連発すると緊急事態ではなくなる

          映画の話をしよう

          2年ほど前から映画を観るようになった。 きっかけは特にない。衝動的に「とにかく映画を観たい!!!」という思いに駆られたからだ。自分なりに調べたり、ツイッターでフォロワーにおすすめの映画を紹介してもらったりした。僕は元々、小説を読むのが大好きだから、好きな小説のジャンルからミステリー、サスペンス、ホラー、SFと指定しておいた。 そのときに作成した観たい映画リストが下記の通りだ。 メモで申し訳ないが、ざっとこんな感じだったようだ。それぞれのジャンルでの名作も含まれているが、こ

          映画の話をしよう

          少年は修羅の果てに何を見る

            あらすじ 家庭教師の仕事をしている「私」は小学生の子供を担当することになった。品の良い母親と利発そうな子供。担当初日に子供の母親からある依頼を持ちかけられた「私」は、子供の異変に気付き、行動を起こすことになるのだが……。 登場人物 佐藤・・・・・・家庭教師 佐々木祐二・・・・・・小学生 佐々木妙子・・・・・・祐二の母親 本文  私には感情というものが存在しない。どうして私の周囲の人間たちが喜怒哀楽を様々な形で露わにするのか理解できない。  生まれてから

          少年は修羅の果てに何を見る

          文句を言う前にやれ、口を開く前に手を動かせ

          どうしたって性格的に合わないなと感じる人間は誰しも身近に1人はいるわけで、そういう人間に出くわしてしまうと貝のように心を閉ざしてしまう。 人間関係というのは基本的に面倒で、だからこそ尊いのだという意見もあるが、現実はそう甘くない。フィクションに自分を投影させて、人間関係の尊さを目の当たりにし、明日を生きていく活力にしていくという側面ももちろんあるのだけれど。 僕自身がどういう人間を好ましく思い、あるいは疎ましく思うかということは、ある程度は自己分析できているつもりである。

          文句を言う前にやれ、口を開く前に手を動かせ

          乾くるみ『リピート』読書感想文

          2021年の幕開け。今年も相変わらず読書はしていくわけだけれど、その中でも特に面白かった作品に関してはnoteに感想文として残していこうと思う。 2021年を迎えても状況は変わらない。願っても叶わないものは叶わない。そうであれば、日々を粛々と自分の好きなことに時間を費やしていくしかない。 新年の最初に読了したのは、乾くるみさんの『リピート』だ。2020年には以前から気になっていた乾くるみさんの『イニシエーション・ラブ』を読んだ。とにかく面白かった。話題になるのも頷ける。「

          乾くるみ『リピート』読書感想文

          結婚の最適解

          0.はじめに20代も後半に差し掛かってくると、周囲で結婚する人が増えてきた。大学の友人は来年に結婚するとの連絡があり、会社の同期はもうすでに子供が産まれた者もいる。 僕自身はまったく今のところ結婚願望がない。もう少し自由な時間を楽しんでいたいという気持ちが強いからだ。もっと言えば、一生独身でもいいとすら思っている。 僕が結婚について思うことのほとんどがネガティブなイメージだ。周囲の既婚者を見ていても、結婚って良いなと思える人に今まで出会ったことが一度もない。 周囲の既婚

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          同一労働同一賃金は成り立つのか

          最近よく耳にする同一労働同一賃金という言葉。 この言葉から受け取ることができるイメージは、同じ仕事をしているのであれば、同じ給与を支払わないといけないよね、といった具合だろうか。 厚生労働省の特集ページには下記のように定義づけがされている。 同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。 どうして同一労働

          同一労働同一賃金は成り立つのか