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大人の夏休みの自由研究課題:思考するって一体何なのか?

もう夏休みですね。学校行くのから解放されて何をしたらいいのかな?と考えている小学生、中学生、高校生、大学生の方もおられるのではないかなーと思います。


いろんな人が、自由研究に取り組んでいるし、大学院生も研究に取り組んでいるということで僕も自由研究の論文を書いてみました。

最近読んだ、石川善樹さんという方の本、”問い続ける力”に、”考える”ってなんだろう?という興味深い問いがありました。本の内容について要約したり、その中のことについて論じるということはこのノートではあえてやりません。それはその本を読んだ人だけの楽しみなので笑。ここでは、”考える”ということについて自分なりに考えを書いています。

※このノートは有料ですが、全部最後まで読めます。つまり本屋に置いてある、ビニールをかぶせていない本と同じ、昔ながらの情報販売スタイルです。今もっとも現代的な、著名でない著者も混ざっているnoteという書店で僕はビニールなしの本を出すというスタイルをとってみます。”いいな”と思った人だけチャリンとしていただければ、と思います。ほんとに自由ですよ!

1.考えることについて考える

考えるという行動において一番重要なのは何だと思いますか?
頭脳、知識、論理性、紙とペン、パソコン、いろんな道具がありますがどれが有効なのでしょうか?という質問をしてみました。

皆さん、紙とペンという回答が多かったです。なるほど、たしかに紙とペンは有効そうな気がします。そこでこれはなぜこういう回答が多いのか?ということについて考えてみます。


2.そもそも僕らはいつ、何を、どこで考えているのだろう?

普段何を考えているのかというのを朝から晩まで並べてみました。

どの靴下を履くか、どのインナーを着るか、どのシャツを着るか、駅までどのスピードで歩くか、電車の中でどの本を読むか、その本の内容についてどう考えるか、コーヒーを読みながら何を書こうか、仕事はどの順番でやろうか、帰りの駅までどういうルートで帰ろうか、何時の電車に乗れるか、今日は何時に寝ようか、

具体的なことはあまり書いてませんが、僕はあんまり普段からあまり大したことを考えてないのです。日常において、”考える”とは次に何をしようかな?という短期的な”考え”が極めて多くを占めることがわかります。

”考え”は日々の情報のインプットと行動に伴って浮かんでくるものなのですが、それも思考の一種です。しかし、本や文章を書いたりしようと思うと、一つ一つは小さい”考え”という部品をロジックに沿って組み立てて連結し、”思考”に組み上げてやる必要があります。

3.もっといろいろ考えるにはどうしたら良いのだろうか?

ではそれらの、複雑な思考を日々の生活の中で実践するにはどうしたら良いのでしょうか?
例えば、長期的に
自分はこれから人生において何をしようか、だとか、
世の中において今自分が解決すべき問題とはなんだろう
とかそういうことを考えようとすると、
”次にいつコーヒーを飲もうか”レベルの思考よりも複雑な処理が要求されます。

人間の短期記憶で覚えていられる量は限られているので、複雑なことを
考えようと思うと、色んな事をメモしなければなりません。
”こうなったらこうする、次はこうする、その次はこれ、・・・”

という風に自分の頭の外に出して、忘れてもメモを見ればOKの状態にしてやる必要があります。実は考えや思考というのは、自分の頭の中だけに置いておくだけだと、後から振り返っても実は覚えていないことがほとんどです。学校でノートを取れ、と言われるのは”考え”をとどめておく練習なのです。

ここで一番大事なのは、自分の頭の中のものを外に出して記録するということなのです。なにかインプットがあったときに、我々の脳には色んな”考え”が浮かびます。その頭の中にある考えというものは、なんらかの現在の技術でダイレクトに観察できるものはありません。ダイレクトには観察できませんが、紙やペン、PCやタブレットなどを使って表に出したり、言葉として音声で発する、ジェスチャとして自分の動きに反映させるなどをすると、自分の外に出すことができます。

アンケートに答えてくれた皆様が、”思考するのには紙とペンが重要だ”という主張にはこういう根拠があるのだと思います。

特に義務教育では、ノートを取ったり、テスト用紙に回答したり、原稿用紙に作文を書いていくという事を日常的にやっています。

義務教育なんてなくていい、ネットがあれば十分だというインフルエンサーの方もいますが、内容はともかくとして、インプットを自分の手元の道具にアウトプットするという作業に慣れるには義務教育はなかなか使える場所だと思っています。

余談ですが、授業の受け方にもテクニックがあります。よくやりがちなのは先生が黒板に書いたものを見ながらノートに同じ内容を書いていくというものなのですが、これはおすすめしません。

黒板を見ないように、基本的な情報をもとに、次の流れを自分なりに予測しながら、黒板に書いてあることを思い出しながら、次がどういう流れなのか考えながら書いていくのをおすすめします。なぜなら、ただなんとなく見て書いただけの情報は思い出せないからです。

思い出せる情報とは単なる記憶(MEMORY:メモリー)ではなく、思い出(RECOLLECTION:リコレクション)である必要があります。記憶と思い出の違いはその情報に経験や思考が紐付いているかどうかです。

とにかく、学校という経験がベースにあるので、”なにか考えるときは紙とペン”、という考えが多くの人に根付いているのでしょう。紙もペンも数百円あれば手に入るということもあるでしょう。また、PCやタブレットの画面の制約はかなり変更するのがハードル高いです。A3くらいの大きなタブレットやPCはなかなかありませんが、紙ならば簡単に手に入ります。これがやはり紙とペンが色んな人に支持される要因なのだと思います。

4.ツールによって思考は変わるか?

紙とペンが思考に使えそうなのは前に述べたとおりです。しかし、紙とペンならばなんでも良いのでしょうか?キャンバスと筆だったら?4色ボールペンと方眼紙だったら?あるいはiPadとApple pencil だったら?

僕は変わると思います。なぜなら、僕らが考えをまとめるときにどんな道具を使うかということに少なからず影響を受けるからです。

極端な例でいうと、ポストイットにアイデアをメモしてそれを色々張り替えて考えをまとめる人は、長い内容を考えてもポストイットに収まるように内容をまとめてからアウトプットします。

この、”収まるように”というのは非常に重要なファクターで、紙の大きさに関わらず空白を埋めようとする習性が働くので実は紙のサイズは思考に影響を与えるのです。それはどちらかというと不安を解消するという気持ちに近くて、”空いていたらもったいない”という習性が働くのです。

小さい紙なら少ししか考えられないのか?ということなのですが、そんなことはありません。次のページとの繋がりさえ認知すれば小さい紙にまとめた情報を並べて思考できるでしょう。

ただし、”大きな紙で一度に見えたほうが認知しやすい”というのは間違いないと思います。これは書き出すときではなく、書いた自分のアイデアをまとめるときに効率的になります。こういう前提をおいてみると、”考える”という行為は、自分の頭の中にあるインプット情報と自分の外側に出力したアウトプット情報のちょうど境界線上に、行ったり来たりを繰り返してゆらぎながら存在するといえるかもしれません。頭脳的でもあり、身体的でもある、それが答えかもしれません。ちょっとおもしろい結論だと思いませんか?

おまけ:学校の授業の活用方法

義務教育を有効活用する、ちょっとしたテクニックです。先程申し上げたとおり、先生の言っていることを書くだけでは自分の考えは残りません。自分の経験と知識が結びつくことが大事だと思います。義務教育でよくやられるような、1対多数の授業をもっとも有効に活用する方法は先生のいうことについて気になる部分を書き留めつつ、自分はその主張について、賛成なのか、反対なのか、あとは自分の気になる事を自分の考えとして記入していくことです。習ったことが何かに役立てられそうかどうか、など、学校のテストで良い点を取りたい以外の目的を考えていくのが重要です。なぜなら、学校のテストには正解が一つしかありませんが、世の中の色んな問題には、一人ひとり色んな意見があるからです。正解ではなく、自分の意見を主張しあう、というのが世界的に行われているコミュニケーションです。

だから、自分は”こう考えるべき”なんて思わずに、色んなことを考えながら色んなことをメモしたら良いのです。もう一つ別の意見があるのか、をノートに書き留めておくことです。

さらにもう一つのテクニックなのですが、自分はこう思うということにその理由をつけて述べられるとさらに良いです。なぜなら、人とコミュニケーションするときに自分の主張をわかってもらうには、”なぜそう考えたか?”というWhyがとても重要なものだからです。

”僕はこう思うけど、あなたはどう思う?”というのは相手のことを知るための基本的なコミュニケーションです。伝えるという行為を、伝わるやりかたでやる必要があるのです。

参考:Apple pencilとiPadでもかなり手書きの感触が良いというのは本当ですが僕としてはペーパーライクフィルムという紙の感触に手触りが近づくフィルムをつけた影響が大きいです。なぜなら、ガラスの上に文字がかけるというふうにどうしても思えないからです。人間の感覚に馴染むかどうかっって重要なんですね!


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