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太賀と用賀。映画「南瓜とマヨネーズ」の録音が凄い。

魚喃キリコの漫画作品『南瓜とマヨネーズ』が映画化。先日、試写にて拝見した。
想像以上に「音」の映画だった。ライブハウスで働くツチダ、せいちゃんは音楽をやってて という前提はあれど、冒頭からそれぞれのフィールドの音が際立つ。録音がすごい。ツチダとせいいちの日常が音によって立ち上がる、という感覚に完全に持っていかれた。せいちゃんの持ってる機材も、いい。

臼田あさ美ちゃんという存在にしかこの役どころはこれ以上のリアリティをもっては演じられないにきまっているし(それはこれまで彼女の存在を公私混合して見てきた人なら十分にわかるでしょう)、太賀くんほんと、上手い。オダジョーに至っては、300点ぐらい差し上げたい。

ごく個人的な感想としては、せいちゃんの野菜配達場面で用賀の「とり鉄」が映るのがたまらない気持ちになったなあ。あの店は、自分がちょうど、この主人公たちと同じ27歳の頃に、本当によく飲みに行っていたところだったので。当時は用賀に住んでいたし、終電すら気にせず、あの商店街で数少ない夜遅くまでやっている「とり鉄」に行っていた。

そんなこんなで。感情の機微や弱さが描き出される魚喃作品が、この90年代リバイバル真っ盛りの今年に公開されることをお祝いする気持ちでいっぱいです。
11月11日公開。

追伸: 話は少しずれますが、年明け「リバーズ・エッジ」も相当楽しみですね。

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