「繁盛店とはなんだろう?」 - “業態力”と“人間力”
みなさまこんばんは。金曜日のナガサキです。
今日は「繁盛店とは?」三部作の最終回です。
①「繁盛店ってなんだろう?」
②「繁盛店ってなんだろう? - “売れるお店”と“いいお店”」
前回は現代の飲食業における繁盛店とは「業態力」と「人間力」の総合値という話でした。
では、それぞれの力を決めるものは何なのか?それを高めるためには何が必要なのか?
というテーマで今回は考えてみます。
◆業態力を決めるものは?
業態力=売れる業態を作れる力
それを持つ人物という意味では、業態開発力とも言えるかもしれません。
簡単に言うと儲ける力なのですが、この力に深く関わっているのが、商才と呼ばれるもの。
つまりはビジネスセンス。
・時代を見極める力
・アウトプットの質
・数字感覚
これらの要素を高いレベルで持ち合わせている。
そんなあなたは商才ありです。
飲食業にどっぷりだと意外とここが苦手なことが多く、不動産業から当時世界最速で1000店舗達成した牛角もそうでしたが、最近ではアパレルやITという異業種からの参入組が成功するのもその力を持っているから。
この分野においては、昔ながらの“料理技術”は必ずしも要るものではないのです。
では、そんな業態力を高めるためにはどうすればよいのか?
くまモンの生みの親で有名な水野学さんが、著書「センスは知識から始まる」でとても分かりやすい表現をしてくれています。
センスとは、知識にもとづく予測である。客観情報の集積がその人のセンスを決定する。ひらめきを待つくらいなら、知識を蓄えることに時間を使った方がよい。
センスセンスとよくぼくたちが言っているものはつまり、センス=“引き出しの数”=知識量ということ。
飲食というビジネスにおいて有益な知識をより多く蓄え続けることが、業態開発力を高めることに繋がるということです。
◆人間力を決めるものは?
そして一方の「人間力」。
人間力のある人って?
と考えると尊敬されている信頼されているなどなど、それぞれにあると思いますが、現代の飲食業における人間力に共通して言えるのが
“コミュニケーション能力”
読む書く話すという基本的なスキルを、相手によって使い分けられる対話能力。
飲食店というひとつのチームに、お店のコンセプト・方向性・戦略を根付かせるために、所属メンバーたちと対話を重ね続ける。
・約束を守る
・挨拶が明るい
・ありがとうをちゃんと言える
など人としての当たり前の基準値が高いのはもちろん、チームで動く飲食業として求められているのがコミュニケーション能力なのです。
◆“居酒屋”のこれから
で、思うのが、そのコミュニケーション能力こそが、これからの居酒屋をもっとおもしろくする力になるのでは?ということ。
大手はAIやITツールをフル活用して効率化に動いていくこれからの時代に、ぼくらローカル系居酒屋カンパニーは何を求められていて何ができるのか?
突き詰めていくと、それはきっと人間味。
美味しいものが食べたい!
というニーズは同じでも、単に美味しいものでよければ、いまコンビニでもUber Eatsでも選択肢は増えているわけで。
それでも外食をするというのは、それ以外の何かを求めているからだと思うのです。
居酒屋という仕事において、それを満たすことができるとしたら、それが人間味なのでは?と思うのです。
人間味=居酒屋の原点
とも言える、“うまい飯と酒”を真ん中にそこに行けば誰かいる、という心の居場所。
大袈裟ではなく、ぼくら小さな居酒屋ってそういう場所になれると思うのです。
お店づくりを通して、料理も接客もそんなコミュニケーションの場を表現していくことができたら、きっともっと居酒屋をおもしろくできるはず。
そんな風に思うのです。
今日もお読みいただきありがとうございます。
繁盛店を考える三部作、いかがでしたか?
何かのきっかけになれば幸いです。
それではみなさま、よい週末を!
◆「繁盛店とは?」まとめ
繁盛店には“売れる店”と“いい店”のふたつの側面がある
飲食業としての繁盛店に必要なのは「業態力」と「人間力」
業態力を決めるものは「センス=知識量」
人間力を決めるものは「コミュニケーション能力」
これからの飲食業はさらに“二極化”
居酒屋に求められているものは…?
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