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【Cycling223 Ep4《気ままなひとり旅。三保半島ポタリング》】SURUGA Cycle Journal Vol.176

駿河湾フェリー さんとのコラボ企画「Cycling223」。フェリー×自転車を組みあわせた旅の魅力を、素敵なスポットや四季折々の風景とともにご紹介します。

今回のナビゲーターは、駿河湾フェリー職員の小早川さんです。しっとりと落ち着いた大人のひとり旅に行ってきます。

清水港のフェリー乗り場を発着地として、三保半島、そして清水港周辺を自由気ままに走ります。富士山がよく見える絶好のポタリング日和です。

旅のお供は、デイトナの電動アシスト自転車「Daytona Mobility DE01」です。電動アシストで楽々走れます。

出発前に、清水マリンターミナルへ立ち寄ります。1階の券売所横にある「日の出マリンギャラリー」には、日本一深い駿河湾の立体模型や、駿河湾の深海に住む深海魚の模型&はく製が展示されています。

足を広げると3m以上になるという、巨大なタカアシガニのはく製を間近で見ることができます。無料ですが見応えアリな展示を、フェリーの待ち時間にぜひご覧ください。待合所には乗船記念の顔出しパネルがあります。記念に1枚いかがでしょうか。

待合所からも富士山を眺めることができました。こんな天気のいい日にフェリーに乗ったら気持ちが良さそうですね。今回は自転車で出発です。

まずは最初の目的地の三保松原を目指して走ります。清水港のフェリー乗り場から約6km走ったところで、三保松原へと続く「神の道」が見えてきました。

正面には御穂(みほ)神社があります。

「神の道」は、三保の松原にある「羽衣の松」を目印にして降臨した神様が、御穂神社へ向かう際に通る道と言われています。全長500mの真っ直ぐ海に向かって続く道は、樹齢200~400年の立派な松が道を囲む松並木です。

松の保全のため根を踏まないようボードウォークが整備されており、自転車は押し歩きで通行できます。せっかくなので、神の道を歩いて三保松原へ向かいましょう。

立ち止まったり振り返ったりしながら神の道の景色を楽しみ、三保松原に到着しました。

三保松原は、三保半島沿岸の約5kmにわたって続く松原のことです。駿河湾、松原越しに富士山を望む景観が素晴らしく、1922(大正11)年に日本初の名勝に指定されました。さらに2013(平成25)年には世界文化遺産富士山の構成資産に登録されています。

松原の中央付近には、地上に舞い降りた天女が羽衣をかけたと伝わる「羽衣の松」があります。漁師が羽衣を持ち帰ろうとしたところ、それが無ければ天に帰れない天女が懇願し、返してもらう代わりに天上の舞を披露したという「羽衣伝説」が残っています。

木漏れ日が気持ちのいい松原を抜け、砂浜を歩いていると、松原越しの富士山を見ることができました。

三保半島の東側海岸沿いには、ナショナルサイクルルート「太平洋岸自転車道」が整備されています。

羽衣の松付近は遊歩道になっているので、御穂神社前の道路へ迂回し、再び海岸沿いの道に入ります。

左手には松原、正面には富士山、右手には駿河湾と伊豆半島を眺めることができます。

自転車と歩行者しか通れない道なので、景色を楽しみながら、のんびりと自分のペースで走ることができます。

三保半島の先端付近まで走ると、左手に白亜の清水灯台(三保灯台)が見えてきました。1912(明治45)年に建てられた、日本初の鉄筋コンクリート造りの灯台です。特徴的な八角形の平面形状は、建設当時の姿をそのまま残しています。現存する最古級の鉄筋コンクリート造りの建造物としても貴重であり、歴史的価値の高いものとして国の重要文化財に指定されています。

灯台頂部の風見鶏は、三保松原の羽衣伝説にちなんで羽衣の天女がデザインされています。 お越しの際は、じっくり観察してみてください。

三保半島をぐるっと一周すると約10kmです。太平洋岸自転車道の案内を頼りにポタリングしてみてください。

清水灯台から西に約1.5km走り、三保ふれあい広場にやってきました。1984(昭和59)年に廃止された旧国鉄・清水港線(清水駅~三保駅)の終点・三保駅の跡地に作られた公園です。

三保半島の西側は工場が多く、清水港線で貨物輸送が行われていました。公園には当時活躍したディーゼル機関車と、アルミナタンク車が展示されています。

駅のプラットホーム跡には桜が植えられています。満開の時期はさぞ美しいことでしょうね。

ランチは清水総合運動場の近くの閑静な住宅街にある「ぽっかぽか食堂」さんへ。三保ふれあい広場からは約5kmです。住居の1階部分をリノベーションしたお店は、どこか懐かしい雰囲気が漂います。入り口で靴を脱いで上がりましょう。

和食、洋食、中華などジャンルを問わないメニューの数々…今回はとりめし定食をいただきます。

甘く柔らかく煮たモモ肉&ほんのり甘いたまごが、炊き込みご飯の上に乗っています。野菜たっぷりの汁物も優しい味でほっこりします。

店内の雰囲気やお食事、スタッフのみなさんの声かけが温かく、心も体も“ぽっかぽか”です。ごちそうさまでした!

駐輪場はお店の横にあります。お気軽に自転車でお越しください。お食事中は施錠をお忘れなく。

ランチの後は、清水港近くの「次郎長通り」商店街にある、清水次郎長の生家に立ち寄ります。フェリー乗り場からは約1kmです。

「清水の次郎長」の名を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。実は次郎長の名前は通称で、本名は山本長五郎といいます。若い頃は喧嘩や博打三昧の日々を送りますが、後に実業家として清水港の改修工事や開墾に尽力し、清水の発展に貢献した人物です。

国の登録有形文化財となっている清水次郎長の生家には、次郎長が産湯で使った井戸などが当時のまま保存されています。

写真や資料なども展示され、次郎長の生き様を知ることができます。

オリジナルグッズの販売や、記念撮影スポットもあります。

続いても清水の次郎長ゆかりの場所です。清水次郎長の生家から自転車で3分。到着したのは清水港船宿記念館「末廣」さんです。

撮影日(2023年10月19日)は改修工事中でしたが、館内の見学は可能でした。

次郎長が清水港波止場に開業した船宿を再現した記念館です。入場料無料で貴重な展示を見ることができます。

清水港の振興に尽力した次郎長の晩年の姿を表現し、幕末から明治を駆け抜けた次郎長と、清水港を知るうえで貴重な建築物です。


改修工事中

改修工事前の姿

東海道一の大親分と言われた次郎長は、明治維新を機に社会事業家として180度の転身を果たします。晩年は「波止場のおじいさん」と子どもに慕われ、74歳でその激動の生涯を閉じました。

※改修工事の詳細は以下のURLからご確認いただけます。

清水港船宿記念館「末廣」さんから自転車で約3分。清水港のすぐ近くに「清水港湾博物館(愛称:フェルケール博物館)」があります。

港と船の博物館として、清水港に関係する船の模型や航海に必要な船舶関連品、港湾関係者が使用していた荷役道具などを展示し、港の歴史や役割を紹介しています。博物館の2階では、年間を通して美術や歴史など、さまざまな分野の企画展を開催しています。

ちなみにフェルケールはドイツ語で「交通・交際」を意味します。海に囲まれた日本にとって、港は海と人との接点の場でした。港には物資や情報を求めて多くの人が集まり、港は経済と文化の交差点であったのです。

次はどこに行こうかと地図を見ていると、上清水町付近に気になる史跡が点在していたので行ってみました。まずは上清水町交差点の近くにある「御浜御殿跡」です。

建物の跡などは見当たりませんでしたが、案内板にはこの辺りに徳川家康の御殿があったと書かれています。

駿府に隠居した徳川家康のために、息子の頼宣(よりのぶ)が休養所として建てたものです。当時は背の高い建造物がなく、富士山や三保半島が良く見える見晴らしのいい場所だったようです。

続いては御浜御殿跡から自転車で約1分の十字路にある「上清水村 札の辻跡」に立ち寄ります。この辺りは、久能道(くのうどう:清水の入江から久能山東照宮へ向かう道)と、志ミづ道(物資の輸送路)が交差し、人々の往来が激しい場所だったようです。幕府や領主からの通達を掲示する高札場(こうさつば)が置かれた十字路ということで、「札(=高札)の辻(=十字路)」と呼ばれていました。

街中の案内板をよく読んでみると、歴史や物語が詰まっていて面白いです。車で走っていたらきっと気が付かないですね。

最後のスポットは「チャンチャン井戸」です。「上清水村 札の辻跡」から細い小道を北東に進み、約1分で到着しました。説明板には興味深い物語が記されています。

「約800年前、この辺り(旧上清水村)で倒れていた旅の僧を村人が助けました。僧は恩返しのため、“チャンチャン”と鐘を叩き経を唱えながら、水を探して歩きました。僧が示した場所を掘ると清い水が湧き出し、水不足で困っていた村人たちはたいそう喜んで、これをチャンチャン井戸と呼んだそうです。清水という地名はここから起こったとも伝えられています。」

地名の由来と考えられる重要なスポットなのですが、住宅街の裏路地にひっそりとあります。自転車でローカルスポットめぐりも楽しいですね。車よりも小回りがきいて、徒歩よりも長い距離を移動できる自転車は、気ままなひとり旅に最適なツールです。まだまだ深掘りすると面白そうな清水の街ですが、続きはまた次回にしましょう。

駿河湾フェリーの発着港である、清水港周辺のサイクリングをぜひお楽しみください。フェリー乗船前後、若しくはフェリーの待ち時間にサイクリングするのも楽しそうですね。それでは次回の自転車旅もお楽しみに!

【Information 1】
▼駿河湾フェリー
https://www.223-ferry.or.jp

▼駿河湾フェリーの乗船について(自転車)
https://www.223-ferry.or.jp/news/cycling.html

▼清水マリンターミナル
http://www.hinode-dream.jp/information/tarminal.html

▼三保松原
https://miho-no-matsubara.jp

▼ナショナルサイクルルート(太平洋岸自転車道)
https://www.kkr.mlit.go.jp/road/pcr/index.html

▼清水灯台
https://www.bunka.go.jp/kindai/todai/005/index.html

▼ぽっかぽか食堂
https://pokkapokasyokudo.foodre.jp

▼次郎長生家
https://www.city.shizuoka.lg.jp/701_000001_00061.html

▼静岡市清水港船宿記念館「末廣」
http://www.portwave.gr.jp/suehiro/

▼清水港湾博物館(フェルケール博物館)
https://www.verkehr-museum.jp

【Information 2】
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