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2023/2/15 聖飢魔Ⅱ期間再延長再集結「35++執念の大黒ミサツアー FINAL」 at 東京国立代々木第一体育館

本レポートは後日、WOWWOWオンデマンドを見ながら書いています

今日は立ち位置に一番近い配置
トランポのデコトラ

陰ナレ

ファイナルのご担当はゼノン和尚。
「聖飢魔Ⅱ期間再延長再集結「35++執念の大黒ミサツアー FINAL」国立代々木第一体育館にようこそ!私は聖飢魔IIのベース担当ゼノン石川だ!いえ〜〜〜い!本日、ついにファイナル。昨年松戸を皮切りに始まったときはまだまだ当分先だと思っていたがあっという間だったぜ!やはり楽しい時間というものは矢のように早く過ぎゆくものだがここまでくるのに3年かかった。中止や延期になったイベントもあった。だが、大黒ミサに関しては1本たりとも欠けることなく本日を迎えることができたのだ。なんと充実した日々であったことか。これはすごい! みんなも付いてきてくれてありがとう〜! 本日はマスクメガホンを正しく装着したものはいつでも声出しOKだ。どのくらいの声の大きさかといえば、旅先のホテルで使い慣れないシャワートイレの温度設定があつすぎたときの『あつっ』、停止ボタンが壊れて熱湯が出続けるときの助けを求める『助けてぇ』これは大勢には知られたくないが一番近くにいる人に届けばなんとかなるのではという切なる声である。ぜひ参考にしてくれたまえ。フルチャージ完了、スタンバイOKだ。動き出したら止まらない! 誰も俺たちを止められない! 老いも止まらない! 助けを読んでも誰も来ない! これから始まるぜ! 23年ぶりの新大教典『BLOODIEST』も絶好調! 構成員も絶好調! 拳あげて腰振ってノリノリになりやがれ〜〜〜!いぇ〜〜〜い!」

ファンファーレからのゴジラのテーマ、「創世記」はいつも最高にわくわくする。いつも棺桶開ける侍従が蓋をバフっバフってやってるのが好き。今回、和尚から降りていくの珍しいなと思ったけれど見返したらBD10もそうだった。
金髑髏〜からの「エルドラド」。この選曲にはびっくりした。隣にいた友人と顔見合わせてしまうくらい。いつも最後に歌うからしんどいしベースもしんどいと聞いていたので一曲目にできてよかったのかもしれない。スモークすごすぎてステージは霞んでいる。いつも最後泣きながら聴く曲、というイメージを初手から吹っ飛ばしてきたのでブチあがる。

「RATZBANE」からの閣下の堂々たる「Now, the world is ours!!」という言葉、 万雷の拍手。声の反響も凄い。からのゴブリン〜ではなく、FAFの前フリ?と思わせつつ、生きろ。逃げろ。ということで今回の新曲「Run Run Run!」バックの電飾が平沢っぽいなと思うなど。ソリッドでかっこいい。

カミソリさんのピアノソロは「Teenage Dream」〜浜松から「空の雫」と変遷していったが、ファイナルでは『愛と虐殺の日々』に収録されている「Good Night Melodies」。この教典が発布された3月に彼は生まれたらしい。そしてお母様は構成員の誰よりもお若いのだとか。
ピアノで聴くとメロディの良さがわかる曲ばかりでさすがの選曲。閣下の歌が最後に重なっていくのもよき。からの「BAD AGAIN」。ピアノの音色のせいか白い奇蹟よりも自然に繋がった印象だった。朝焼けのビル群が印象的。

バラードからの「鬼」は本編と変わらず。代々木体育館は火を使えるのか暗闇に篝火が揺れるようなステージが幻想的だ。お代官が和っぽい7音音階のフレーズ弾くのが新鮮。からの代官バッティングコーナー。本日は大サービスで10発くらい打ってたかもしれない。相変わらずデッドボール頻発させてるお代官、さすが悪魔だ。
本日のお破りは「匡」(おみ)。訓読みでは「たくみ」「まさ」とも読み、近藤正臣の「おみ」と同じような使い方をするとのこと。
L「閣下、閣下、君にできるかこれが!?」(細かいステップを踏みながら)
D「ハァ? あっ、近藤正臣か! ピアノに乗って足で弾くやつね?!」
L「なにゆえそのような字をお選びになったのか」
D「これから話すことに関連している。なにはなくとも、世を忍ぶ仮お祖母のお名前がこの字だからだ」

からの「魔界舞曲」。今回は会場にスパイダーカムが入ってて頭上をウィーーーンって何往復もしていたのだが、舞いまくるジュリ扇を鳥瞰で見たかったので嬉しい。
L「声はやめな! ボディにしな! 最後まで体力残そうなんて思うんじゃねえぞ、いいかー!」
煽る参謀。ミラーボールもパワーアップしていた。閣下のサンプラーとともに参謀が鳴らしてる音、テルミン?って思ってたけどKORGのカオスパッドかな。

「3週間も空いたから進行まちがえたじゃねえか! 人と比べるな! 自分で決めろ! 人間の男性の精子の大きさはおおむね60ミクロンだ!(久々の解説)」からの「RENZEZVOUS 60 MICONS」。ランデブーのサンプリング音に「ゾッドだ!」が入っていた。石川さんのベースソロ、会場後方はもう音がむちゃくちゃになってたけどラインで聴くと凄い。「あやまれよぉ」は和尚バージョンと長官バージョンが収録されていたというネタバレもあり。

この日の「嵐の予感」も良かった。ピアノの音に合わせて指動かす参謀が麗しい。この曲はほんとにプログレ聖飢魔IIの真骨頂だと思う。(「Go Ahead!」も「君が代」もだけど……)

トーク

D「38年間、1曲1曲をこつこつ大事に作ってきた。当時はイロモノと言われ、今でもそう思われているかもしれないが、見ろ。再集結をするたびに信者は増えていき今日のミサは今まで聖飢魔IIが単独で行ったミサとしては最も人が入っている。1万人だ。むろん最近になって目覚めた諸君の功績も大きいが、『あんなのどこがいいの?』と言われながらも見る目のあった諸君たちが大勢いるからだ。ありがとう。諸君たちがまだまだ見る目があると言われるように我々も頑張る。ま、バカ売れはしないけれどもね。聖飢魔IIは流されることなく心に生き続けるのだ。今後、もっと評価されてもいいと思ってるぞ? ほら、ゴッホもシューベルトもモディリアーニもメンデルも死んでから評価された。我々は去っていくが評価を続けてくれてもかまわないぞ? 技術力が高くて、いい曲を書いて、いい歌詞も書いて、おまけに歌も歌えるというギタリストたち。そしてどこに出しても誇れる最強のリズム隊。もっと評価されてもいい。でもバカ売れしていない構成員を紹介しよう(笑)」
R「代々木楽しんでるかい? 岡山終わって信者の集いがありつつ今日のリハをこなしてたらぽわ〜っとしている間に今日になっちゃったね。信者の集いではおつかれ〜おつかれ〜って声かけするようにしてたんだけど、100人くらいでゲシュタルト崩壊おこすの(笑)自分の中の悪魔のライデンが『違うこと言っちゃえ』って囁いてくる。カツカレーとか言っちゃえ、みたいなさ。なんなんだろうね(笑)」
X「オヤジギャクですね」
R「そうじゃなくて(笑)」
X「選択しちゃいけないほうを選択しちゃうみたいな」
R「つくづくアナウンサーとかすごいなって」
X「言っちゃいけないことを言わないようにしてるんだと思うと、ニュース番組でアナウンサーを見る目が変わるね」
R「さすが見方がちがうね。そんなわけで、今回は地上滞在が予想以上に伸びてクソ楽しかったぜ! みんなのおかげ! ありがとね!」
J「最高の気持ちで最高に気持ちいい演奏してるけど、響いてるかい? 思いのほか長居してしまいましたが名残惜しくなってしまいました。ずっと最高でした。苦しい時間を乗り越えてファイナルに集まってくれて、この数年間の経験はお互いに宝物にしましょう。Thank You!」
X「ほんとに素晴らしいですね。さっきの前説で思いのたけをぶちまけてしまったけど、もうこの代々木体育館でできるってのがすごいですよ。視界は180度以上ありますが、収まりきれないほど顔があって。それに今回ゲネプロ(通し稽古)してないんですよ。ほぼぶっつけ本番に近い(笑)はじまって代官や参謀がぶわーっとデベソに行くじゃないですか。ベースソロで行くしかない!と思って行きましたがモニタースピーカーありません。なんとかなるかなと思ったけどさすがに先っぽまで行けませんでした。途中で萎えました(笑)ぜひ次は先っぽまで行けるように応援してください!」
L「(笑)……先っぽまで行けるといいね」
X「先っぽが気持ちいいんだよね、やっぱ(笑)」
L「おまえかえれよー(笑)」
X「帰りますよ(笑)」
L「さすが石川さんはこんな時でも攻めますね。お前らも攻める石川さんが見れていいな! もっともっと攻める俺たちが見たいだろ! わかるよわかる。もう3年やったじゃない。すごかったね。いろんなことがあったんだよ……(沈黙)ねえ……(笑) ビデオ黒ミサも発明したじゃない。23年ぶりに大教典も作っちゃったじゃない。俺たち頑張ってやったけど、お前らが見てくれたから成り立ったんだぜ! みんなー! だいすき♡ 最後の最後まで楽しんでってちょうだい。挨拶の最後をこいつに締めてもらって大丈夫か!?」
K「こんばんはー! かみそりだー!(構成員笑)俺はよくバイトをクビになるんですけど(笑)聖飢魔IIのバイトは最後までやり遂げることができました! 途中、長野ミサのアンコール出そびれたときはクビになるかとヒヤヒヤしましたが、なんとか辿りつきました! この聖飢魔IIのサポートとして過ごした時間は人生のなかで素敵な時間でした。閣下につけてもらったカミソリシュートという名前が気に入っていてちょっと寂しい気持ちです。短い間でしたが本当にありがとうございました。これからも聖飢魔IIをよろしくお願いします!」
D「若いやつの真面目な挨拶はいいねえ。こっちの品のないオヤジの……みんなが笑ってるからいいけど、ただの酔っ払いの宴会だよこんなの。代々木は縁が深くて。かつて悪魔寺がふたつあった。実は吾輩の世を忍ぶ仮の出身地は代々木上原なんだ。だから聖地に最も近い場所でミサをやっている。40年前の1983年3月、北軽井沢で初めて大黒ミサを行った。そのときのWFSの面々が50人も見に来てくれている。クボキさん、クボキさんはすごい怖い幹事長で…我々の素行が悪かったせいでいつも朝イチでやらされて。あっ、それ独禁バンドだ。まあおんなじようなもんだ。とりあえずクボキさん、40年もやってますよ。あとで会いましょう。俺たちを色物として扱ったメディア! おぼえてるぜ! 忘れないぜ! 色物上等! 地獄に道連れだ。吾輩は最高のステージはやっていない気がする。次のステージのほうが最高になるはずだから。それに挑む気持ちがないとおしまいなんでしょう。それでは最高に最も近づく空間を作り上げようぜ! 出会い、めぐりあい、一期一会だ」
からの「呪いのシャ・ナ・ナ・ナ」。シャナナナは新曲として出た時はぴんとこなかったんだけどライブで大好きになった曲。ドラムがめちゃかっこいい。からの「悪魔組曲」でゾッド親分登場。「蝋人形の館」の前説では手を振るな!という閣下の後ろで手をぶんぶん振る殿下とカミソリさんがかわいい。親分は自ら名乗っただけで誰からも紹介されず、休憩の告知だけして先に地獄に帰ったのが面白くて地味にウケてしまった。

休憩15分 質問コーナー

第2部

休憩明け、最初の1曲目だけスマホのライトを点灯するように促される。客席があっという間に宇宙空間のように。そして「WHATS HAPPENING?」。 Aメロのアルペジオは参謀のギターだったことに気づく。座って弾いてらしたので見えず、あの音はシンセだと思いこんでいた。星の海の中、でべそに寝転がった閣下。どこまでも続くような浮遊感。敬愛する音楽家、故・吉良知彦さんのことばを思い出していた。星の海、綺麗だったな。

そして突然の「地獄の皇太子」。あまりに唐突で驚いてしまった。からの本ツアー初めての「WINNER!」。光りに包まれた会場。参謀のコーラスがよく聞こえる。
そして悪魔組曲作品666番のクワイヤをバックに惑星を巡るようなの映像、ここから陛下登場かー?と思ったけど全然違って「永遠の詩」からの「BRAND NEW SONG」。第二部のセットリストはびっくりしっぱなしだったけど、宇宙の星の中から(WHATS HAPPENING?)、悪魔が生まれて(地獄の皇太子)、大勝利して(WINNER!)、それでも寿命・解散を迎えて(永遠の詩)、新しいものに生まれ変わる(BRAND NEW SONG)っていう聖飢魔IIの叙事詩だったのかもしれない。

D「『BRAND NEW SONG』は聖飢魔IIが苦境のときに我々を支えてくれた曲だった。音楽は我々を助けてくれるし諸君らも救われているかもしれない。本会さんのときに吾輩は『明日からは聖飢魔IIがライバルだ。聖飢魔IIを超えていかないと失礼じゃないか』と。今回、それはおこがましい発言だったと思い知った。聖飢魔IIは1+1が5や6ではなく10万になるバンドだと。お互いロスが心配だ。ここまで来られたのは諸君らのおかげだ、なんていう気は毛頭ない。が、きっとそおおかげだ。なにかのインタビューでぽろっと『バンドを解散する理由がないんだよね』と言ってしまった。4年も続けてると立派なバンドになって、家族みたいになって。その後の会議で『40周年、もう再来年なんだけど、どうする? もう準備を始めないといけないんだよ』と珍しく自分から言ってしまった。だが約束はできない。みんな世を忍ぶ仮の身体にちょっとずつ問題を抱えているんだ。同じ形で再集結するかはわからないけれども、きっと再集結するでしょう!40周年!(会場大拍手)一緒に行くのか!? 聖病患者たち! 始まれば終わる。残酷で辛いが、始まらなかったらこの楽しさもなかった。今日は今日で最後。今日の大黒ミサのために地獄より愛をこめて送りたい。一緒に行くなら退路などない。早く行け。「LOVE LETTER FROM A DEAD END」」
もう信者への愛しかない。音楽の寿命は人のそれよりもうんと長い、でも忘れたら消えてしまうものでもある、だからこそ生身の身体から奏でられた音がこんなにも尊い、長く続けるということがどんなに凄いことか……つらつらと色んなことが浮かんでは消えるけど、このコロナ禍でやりきってくださったのは感謝しかない。

次に繋がるファイナルとはいえ、次々に靄のなかに消えていく構成員たち。最後、深々と頭を下げた閣下の姿が忘れられない。次元の狭間、無事のご帰還を祈ります。道中お気をつけて。


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