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「須佐神社」スサノオが自身の名前を付けた場所にある由緒ある神社


須佐神社はここ最近のパワースポットブームを差し引いても、やっぱりすごい神社であると思う。

何しろあのスサノオがこの土地を気に入って、自分の名前を土地に付けたというのだから。

スサノオは高天原を追放された後、出雲の地でヤマタノオロチ退治をし、クシナダヒメを娶りこの土地の国作りに尽力した。特に先進的な製鉄の技術で力を付けたようだ。たたら製鉄という山間地ならではの技法により、高品質の鉄を製造していたと思われる。その名残は現在の島根の中山間地域の至るところで見受けられる。
そしてそれに付随するように、特にこの地域の川沿いには数多くのスサノオ神話が残されている。物語と実際の場所とを重ねて、太古の昔に思いを馳せるとロマンはいっそう深まる。

須佐神社の主祭神はもちろんスサノオだが、それ以外にもアマテラスとスサノオの誓約で生まれた王子五柱の男神と宗像三女神もしっかり祀られている。

そしてまた道路を挟んで向かい側には天照社、アマテラスとスサノオが向き合うような方向で建てられている。天照社は須佐神社と真っ向から向き合わないように、微妙にずらしてあると、地元の人に聞いた。
アマテラスとスサノオ、姉弟神でありながら微妙な関係であったことが、このずれに表れているのかも知れない。

スサノオが気に入って自身の名前を付けた須佐の地。荒ぶる神と言われ、アマテラスとの関係、ヤマタノオロチ退治と激しいイメージが残るスサノオだが、この須佐の地にいた頃は心穏やかに、ゆったりと過ごしていたのかも知れない。
その名残か、須佐神社近くを流れる須佐川のせせらぎや、すぐ近くに湧いている温泉は現代人の私たちに最高の癒しを与えてくれる。

スサノオに癒される須佐神社。
今年も春がやって来た。