VTuberに対する絶望と失望|私がVTuberを始めた理由と今後の方針

はじめまして。VTuberのスシテンコです。

ここ数か月間、VTuber界隈にどっぷり浸って、情報収集したり、他のVTuberの方と交流しているのですが、

VTuber界隈に対する絶望と失望が募るばかり

…で、色々と思い悩んでおります。

その結果、有料記事でコアな読者のみを確保できるnoteで記事を書く方針を選ぶことにしました。

これが現時点でのVTuber界隈での課題や問題を踏まえた上での、最善の私の立ち回り方になりそうだからです。

ちなみに、私は確定申告上は「ライター」となる身ではあるのですが、文章を書くことで報酬を頂いたことは一度もありません。

その理由は単純で「自分は人様からお金をもらうほど、大した文章を書いていない」と思っていたからです。

ですが、最近はその認識を改めなければならない機会が多すぎて、結果としては「自分の文章で人からお金をとってもいい」という結論にたどり着きました。

※この件については「VTuberとお金の問題は、切っても切り離せない」というテーマで、改めて記事を書く予定です。

前置きが長くなりましたね。

note運用を始めるにあたり、まずは「私がVTuberを始めてみて感じた絶望感と失望感」について、しっかり説明しなければいけません。

あらかじめ断っておきますが、

・単純にVTuberを楽しみたいだけ
・VTuber活動を通して友達が欲しいだけ
・VTuberの在り方に強いこだわりがある
・VTuberは趣味で仕事につなげる気はない
・自分の創作物を見て欲しいだけでそれ以上は求めていない

…という方針でVTuber活動を楽しんでる方は、不愉快にさせてしまうだけの内容ですので、この先は読まないでください。

ハッキリ言って、私が何らかの目的や意図を持って書いた文章は、人によっては劇薬になりかねないと思っていますので、情報に感情を支配されてしまう人には本当に読んでほしくありません。

また、この記事を公開することで、私が想定する最低最悪の感情論的批判が目に余るようであれば、門前払いの意味も込めて即座に有料記事制にすることも考えております。

上記の前置きを踏まえた上で、それでも「この記事を読みたい」と思える方のみに読んでいただき、何らかの参考にしていただければ幸いです。

キズナアイが示したビジョンをすげ替えた、VTuber文化の大罪

まず、私がVTuberとして活動してみたいと思ったきっかけは「キズナアイ」にあります。

より厳密に言うと、キズナアイが生まれるに至った、日本のサブカルチャー文化の集大成と未来へのビジョンであり、新時代のコンテンツとして、あるいは「バーチャルYouTuber」という新たな提案にワクワクしていました。

しかし、VTuber界隈に入ってみて、私は落胆しました。

そこにあったのは、キズナアイが示したビジョンをまるで理解していない、商業主義と身勝手な消費者の奴隷となった、退廃的なVTuber文化でした。

やれ、にじさんじがどうがこうだ、ホロライブがどうがこうだ、企業勢と個人勢がどうがこうだ、著名なクリエイターがどうだこうだ…。

界隈で盛り上がるのは中学生のゴシップネタレベルの話や、消費者目線の憧れのVTuberやクリエイターがどうのこうの話ばかり。

そこに「ファンを楽しませよう」だとか「世間に認めてもらえる作品を生み出そう」だとか「過去のアニメを越える作品を生み出したい」だとか、そういう理想やビジョンはまるでない。

どこまで行っても「憧れの人みたいになりたい!」「好きだった作品みたいなものを作りたい!」という、クリエイター専門学校に入って仕事につなげられずに路頭にさまよう人間レベルの発想ばかり。

その結果が、ゲーム部の炎上騒動であり、物申す系にいちいち扇動されて騒ぎ立てなければやってられない界隈事情であったり、ゲーム実況やコラボから抜け出せないコンテンツ提供者の企画力や提案力不足であったり…。

すべてが「なんとなくVTuber界隈ではこういうのが流行っているから」という、クリエイティブとはほど遠い「ごっこ遊び」ばかりが蔓延していたのです。

そこには「何かを変えてやる」だとか「VTuberを通して自分の作品を世の中に叩きつけてやる」だとか「オレの歌を聞け!」だとか「VTuberとして世界を変えてやる!」だとか「VTuberという制約の中でYouTuberたちに太刀打ちしてやる!」だとか、そういう気概も野望も感じません。

ただ「友達が欲しいから」だとか「みんなでゲームしたいから」だとか「なんとなく流行ってるから」だとか「彼氏・彼女がいないから疑似恋愛対象として推しVが欲しいから」だとか「寂しいから話す相手が欲しいから」だとか「自分が所属するコミュニティが現実にないから」だとか…。

そういう自分が現実で上手く行かないことの逃げ道としてVTuberという依り代が選ばれているだけに過ぎなかったのです。

私自身、クリエイター志望で挫折した過去があるので、そういった「なんとなくVTuberやってる…」みたいな界隈の空気が、過去の世間知らずで甘えていた自分を思い出させるだけで、ただただイライラするだけなのです。

キズナアイが打ち出した「日本のサブカルチャーや技術を世界に広げよう」という意図を理解したり、キズナアイをも超える何かを生み出そうを思っている人間は、おそらく一人もいません。

全員が「フォロワー止まり」なのです。

道標なきVTuberに、明日はない

さらに私がVTuberに絶望と失望を隠し切れなかったのは、俗に言う「インフルエンサー」的な役割を担うVTuberが、あまりに道標を示すためには実力不足…というよりも、意図してフォロワーやVTuber文化を破滅に向かわせてるとしか思えないレベルの存在ばかりだったことにあります。

企業勢と個人勢の対立を煽る人間であったり、ワイワイ騒いで馴れ合うだけしか能のないVだったり、停滞や現状維持を推奨するだけの懐古主義者であったり…。

「それがお前らの望んだ世界か?」

プリパラのファルルの話で、ユートピアとディストピアが紙一重であることが示唆されていました。

あの脚本のメッセージを理解していない人間が多いことは、私を絶望に陥れるには十分過ぎました。

企業勢ですら「VTuberを将来的にこういう方向性に向かわせる!」という明確な意思や覚悟がないまま、ただなんとなく「こういうのが好きだから」「こういうのが流行っているから」「視聴者がこういうのを求めているから」と漠然と活動していて、未来向きへの視点が欠けたまま「それっぽいこと」をおままごとのように繰り返しているのが、VTuberの現状だったのです。

外の世界を拒む、内向きの文化

VTuber、あるいは仮想現実を求める人々が選んでいるのは「外の世界を拒み、内へと向かう世界」なのでしょう。

事実、外部の人間となる私の目からすれば、あまりにVTuberという文化は身内ネタが多すぎる上に、外の世界を知らない人ばかりなのです。

また「自分のことを認めて欲しい」「自分のことをもっと知って欲しい」「自分の作品を評価して欲しい」と思っている割には、他人には関心を持たない人間ばかりなのも目に余ります。

他人に興味を持たない人が、他人からも興味を持たれる道理はありません。

それは、VTuber以外の文化や界隈に関しても同じことが言えます。

「VTuberの良さを広めたい!」と言っている割には、ちまちま動画を投稿したり、同界隈の人間とだけしか交流せずに、外に広げようとはしません。

そりゃあ、動画マーケティング会社も「VTuberは面倒な割に大してお金にならない=興味を持たれない」という判断に至るに決まっています。

外の世界に関心を持って、他人の声を聞かなければ、そんな当たり前のことにすらいつまで経っても気づけません。

狭い世界の内側で自分たちだけが盛り上がって、外の世界の人間が冷めた目で見ていることに対しても「わからないなら近寄らないで」と跳ね除けておけば、自分たちのユートピアは守れます。

そして、いつしか「VTuberという世界が、すべての世界なんだ」と錯覚し、世界がどんどん縮小していくことに気づかず、破滅に向かっていくのです。

実際、私も外部因子としてVTuberとしては嫌われていますし、意見の食い違いも相当あります。

それでも、私はVTuberという文化を理解し、そこで活動する人たちの想いや個性、人格や野望を知りたいと思ってます。

ただ、それすらも「外部の人間に何がわかる!」「ビジネスや金の話を持ち込むな!」と突っぱねられます。

そうやって、VTuberを広めるために最前線で努力や苦労している人に対しても「あいつは悪だ!」と紛糾して、自分の首を絞めているのが、外部の人間から見た「VTuber界隈の姿」なのです。

「そんなことはない!」と思う人もいるでしょうが、人間は物事の一部を見ただけで全体を判断してしまいがちなものです。

事実、私もすでにVTuber界隈では「評論家気取り」「批判家」などと判断されていることからも、それはわかるかと思います。

現実逃避先としてのVTuberは何も生まない

そして、選ばれた先は「現実逃避としてのVTuber」でした。

VTuberとなって現実の肩書きも名前もステータスも捨ててしまえば、何者かになれる…。

口には出さないものの、内心ではそう考えている人も多いように感じます。

ですが、それは間違いです。

企業勢となれば明らかに数字が伸びますし、現実のステータスを捨てて権威には媚びないと吠えてる割には公式ライバーを目指す人が跡を絶ちません。

VTuberとして発信するコンテンツの質にも現実の経験は反映されますし、配信者としてのトーク力にも現実でのコミュニケーションスキルがある人ほど有利です。

また、配信プラットフォームはすべて「現実に存在する企業が運営している」以上は、様々な人や組織の思惑が左右します。

たとえ仮想現実でVTuberとして新しい自分になっても、現実は絶対に切り離せません。

「自分たちの居場所を守る」と意気込んでいるVTuberもいますが、それはあくまで敵のやり方を知っていて、場合によっては戦いも辞さない覚悟がなければ、蹂躙されるのがオチです。

秋葉原が商業主義に染まってしまったように。
インターネットコンテンツが資本主義に蹂躙されてしまったように。
大きな流れには抗えません。

企業勢やビジネスサイドのやり方も知らないような人間が、大きな理想や大義名分掲げて「守る」だなんてほざいたって、どうせ蹂躙されて負けるだけ。

理想や正論だけで守れるものや変えられるものがあるというのであれば、ぜひとも見せていただきたいものです。

私も過去にそう思って大人に立ち向かって、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も叩き伏せられ、その度に悔しい思いをしてきました。

そして身の程を知って、敵のやり方を知らなければ、現実には立ち向かえないと学びました。

結局、現実逃避して理想論語ってるだけでは、何も生みだせないのです。

それでも、VTuber文化を通して生まれる”何か”を信じたい

以上、相当にネガティブな見解…というよりも、感情的な批判を巧妙にそれっぽく課題提起に転換しているだけの文章を書いてきました。

私が一貫してVTuber界隈に絶望感や失望感を感じているのは、

・幼稚な感情論的批判や意見をぶつけ合うだけで、何一つ現実的な提案や作品が生まれてこない
・安易な企業勢の参入や乱発でトレンドやガワだけがもてはやされ、本質的なものを育む土壌が整っていない
・現実(外)を見たくないだけの人のコミュニティとして機能してしまい、それが許されてしまっている

…など、あまりに理想や想い、キレイゴトが先行していて、現実から目を背けているだけの界隈の事情が目に余るからです。

生きている限り、現実の問題は切り離せません。

VTuberとして「なりたい自分」になったからと言って、SAOのキリトみたいに強くなったり、プリパラの真中らぁらみたいに神アイドルになれるわけではありません。

むしろ、配信プラットフォームのランカー争いであったり、フォロワー数の多い人気者がもてはやされるだけの「社会の縮図」が、数字としてわかりやすく見せつけられる分、現実以上に残酷な世界かもしれません。

かと言って、そういった競争の世界から目を背けて、馴れ合いの関係の中でダラダラとコンテンツを作るだけでは、惰性と堕落の世界に陥るだけです。

…では、一体何をすればいいのでしょうか?

残念なことに、私にはそれがわかる能力も、責任を負う覚悟もあるみたいです。

ただ、それを行動に移すとなると、痛みが伴います。

私はこれまでもこれからも、誰かを傷つけて、何かを壊して、他人に恨まれたり嫌われるやり方でしか、多分、前に進めまない人間です。

既にVTuber界隈と接点を持つことで、他人の人生に大なり小なり影響を及ぼしてしまっていることは、否めません。

少なからず、ここまでこの記事を読んだ方にも、何らかの影響を与えてしまっています。

文章を書くことや情報を発信することは、それだけ重みのある行為です。

だから、本当は文章を書くことも、情報を発信することも、他人の人生に干渉し兼ねない行為も、すべてやりたくありません。

私だって、誰も傷つけたくないし、嫌われたくもないし、敵も増やしたくありません。

出来れば、やさしい世界でずっと、現実を見ないで好きなことをしながら、みんなで楽しくダラダラ生きていたいです。

ただ、最悪の事態に向かうことを常に恐れて、最善の方向に向かうための方法がわかってしまうからこそ、状況や世界に自分が支配されてしまうのです。

それでも「やれる人間が自分しかいないから」みたいな消去法の理由で、私は何かに突き動かされて、行動しなければいけないのでしょう。

誰かが望むのであれば、あるいは誰かが求める限りは、私は何かを発信し続けて誰かに届けなければいけません。

それがお節介であっても、悪影響であっても、誰かを不快にさせて傷つけるものだとしても、何かを求める誰かに進むきっかけや変わるきっかけにしてもらえる確信があるからこそ、やらねばならぬのです。

その先にあるのが、ただの地獄だとしても。

今回はここで締めさせていただきますが、何か共感できることがあったり、今後も私の記事を読みたいと思った方がいましたら、フォローして頂けますとありがたい限りです。


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