見出し画像

会社ごとに中身が違い過ぎる?! ESGデータブックの現状を調べてみたくなりました



1.きっかけはホンダ

新米サステナビリティ担当者になって20日が過ぎました。そろそろ基本的な用語もわかるようになってきたので、実際の企業開示を見て学ぶ勉強も始めることにしました。

最初に選んだ媒体は、「ESGデータブック」。
きっかけはこちらの記事です。

「ESGブランド調査2023」でホンダのランキングが躍進した一因として、情報発信の強化が挙げられていたのです。

22年9月、これまでのサステナビリティリポートに加えて統合報告書「Honda Report 2022」を発行した。同社のフィロソフィーに立ち返り価値創造の源泉や強みをひもとき、中長期のビジョンを策定した。これを基に事業戦略をはじめ環境対策や社会課題解決で取り組む内容を包括的に示した。23年からはサステナビリティリポートをESGデータブックに衣替えした。「一連の情報発信の強化によってESG活動の今後の目指す姿や、現在の取り組みが伝わったことが評価につながった」と環境企画部発信企画推進課の三澤知道課長は話す。

日経ESG 2023年10月12日
脱炭素と安全を徹底追求/ホンダ ESGブランド上位企業の研究3」より


2.思ったのとちょっと違っていたので

というわけで、さっそくホンダのESGデータブックを開いてみたのですが…あれ?私が思っていたものとちょっと違うのです。

「データブック」というからには、データがぎっしり、というエクセル表オンリーのようなものを予想していたのですが、むしろ説明する文章のほうが多く、データは少ないのです。(例:環境

データブックとは何ぞや?がよくわからなくなってきたので、他の企業が発行しているESGデータブックも調べてみることにしました。


3.他社発行分も調べてみました

Googleに"ESGデータブック"と入力して、上から順番にいくつかの企業分を見てみました。

(1)丸井グループ(2023年3月期)

  • p1~は私が当初想定していた形にかなり近かったです。

  • 冒頭2ページで当該年度のダイジェストを短い文章で書いてくれているのが読みやすい!


(2)リコーグループ(2023年3月期)

  • データメインではあるけれど、説明もそこそこ分量があります。(見出しがもう少しついていると必要なデータがすぐに探し出せていいかも?)

  • 和英併記なのは親切!


(3)日本製紙グループ(2023年3月期)

  • データ量は昔のアニュアルレポートと同じぐらいと申せばよいでしょうか… 文章説明中心でした


(4)みずほフィナンシャルグループ(2023年3月期)

  • 完全にデータだけでした!


(5)川崎汽船(2023年3月期)

  • 文章寄り

  • 巻頭に「特集」がありステークホルダーダイアログ(対談)まで載っていたのには驚きました


(5)トヨタ自動車(2023年)

  • 文章多めだが全体が箇条書き

  • PDFの冊子であるにもかかわらず「年度内に随時更新」し「更新履歴」を掲載している珍しい形態

  • 冒頭に「トヨタ自動車の概要」があるので、この冊子単体で使われることを想定している?


4.今後の調査方針

上記の5社を見ただけでも、データ量や文章量、記述の方法や記載内容、英語併記や期中更新の有無など、かなりバラエティに富んでいることがわかりました。どうやらESGデータブックに「これがスタンダード」という型はないのかもしれません。

ESGデータブックがどのような形になるかは、サステナビリティレポートや統合報告書の発行有無やその内容にもよるのかもしれません。

今後、前年までのサステナビリティデータブックを「サステナビリティレポート」へと変更した味の素グループのケースをとりあげて、媒体の棲み分けや内容の変化、そして読者のユーザビリティ向上のためにどのような工夫がされているかを探ってみるつもりです。



以上、サステナビリティ分野の仕事についたばかりの私の「1000日連続note更新への挑戦」21日目(Day21)でした。

それではまた明日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?