見出し画像

【雑記】ワークショップ参加

今年もワークショップに参加してきたので備忘録

40名程度参加、半数くらいは学生さんだったかと。

■たったいま/松下耕先生
・谷川俊太郎の詩に珍しく、この詩集は問いかけられる形の内容。インドの仏教に触れた折に生まれた詩らしい。末法思想感とはなるほど。

・西洋圏の言葉はSV+OC、最初に言いたいことを述べるのでフレーズを切りやすい。日本語はフレーズが長くなる(木下牧子など) For the beauty of the Earthは2小説でメッセージを言い切れる的な。

・促音を前に詰めると瞬間性が出る。

・魂入れすぎるとrubato感が出る
 →凄く良くわかる。もっと感情から離れた、事象的な感覚は日常でもある。感覚に寄せ過ぎず、しかし独立せず、バランスを探りたい。
 解釈の結果いろいろやらないという結論もあるとのこと。読み込んでやるか、ただ単に技術不足か。一周回れるくらいに磨くことは大事だと思う。

・頭韻の上手さ
 今-死の繋がり、明るさ 谷川俊太郎は自分の全然知らない感覚を知っているんだろうと思った。発語の色合いと語感の持つ印象、音の印象、これらのコンテクストが凄いことになっていそう。

■夢みたものは、卒業/辻秀幸先生
・登戸がお住まいらしく、南武線ネタをされていた。じわじわと上がっていく発車音と半音階、自分は見事にツボで勝手に笑ってた。

・自分もそうだけど、音色が豊かなんだけど暗い音色の人結構いるよねという。こういう曲になると途端に浮いてしまう。

■ほほえみ/清水昭先生
音の確認を丁寧にし、合わせることを中心に。根源的な楽しみという意図はシンプルながらとてもグッときた。

最後の学生演奏会宣伝では12月の演奏会が決まっていない団体がちらほら。事務局長もおっしゃっていたとおり、とても歯がゆい。自分が学生時代、それぞれの夏にはどんな思いがあったか。思い出すとその対比がとても歯がゆい。
参加者には愛知からいらしている学生さんも。この状況下でもとても勉強熱心にされている。

耕先生が「(学生に対して)待っているだけではだめで、考えて、この火を絶やさないように続けて欲しい」と述べられていた。
学生さんからの質問で「自分の目指す方向性がわからない」と挙げられたのは芯を食っていると思った。生音を聴いて震える感覚。こんな声になりたい、こんなハーモニーを奏でたい、こんな人、あんな人がいるのか、こんな体験なのか、その複雑な体験が詰まっていたものが、彼らは享受できていない。「オンラインではしきれない経験」は複雑みだ。技術習得だけでなく、相手と自分の人生が接触した瞬間は「退室ボタン」を押したりバックページをするだけでない、複雑に絡み合う瞬間だ。彼らが私の知らない複雑な体験を味わえていることを願う。

個人的には半年のブランクがあった割にはそれなりに声は出たけれども、どうにもマスクをしている状態だとブレスが足りない。体の問題で鼻呼吸が苦手で息が浅い自分にはこれは結構厳しい。マスクがへばりつくので、音符を捨てても鼻呼吸の癖をつけないといけない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?