事業再構築補助金でのサービス開発、なぜうまくいかないのか?
事業再構築補助金を受けてサービスを開発したんだけど相談に乗ってほしい
という話を最近数件受けているのでどうしてうまくいかないのかをまとめてみようと思います。
※全ての関係者から直接話を聞いているわけではないのでだいぶ憶測が入ります
https://twitter.com/suthio_/status/1709385560006316540
事業再構築補助金とは
経済産業省が実施している補助金制度で最大1.5億円の補助金が受けれる制度となります。
私自身、相談をしていただいたや元々の知り合い含めて複数人が数千万以上で採択を受けているのを観測しています。
この補助金は枠ややることによって補助率が異なるのですが1/3から2/3ほどの補助を受けれるようです。
私が相談を受けるケースだと1/2の補助率で通っている企業が多いので1/2で計算すると5000万で採択された場合は1億1000万使うと5000万が補助金として出してもらえる制度となります。(※1000万の消費税分は補助されない)
事業再構築補助金の利用用途は下記で使用できると記載がありますが詳しくは経済産業省が公式で出している資料を見てください
建物費、建物撤去費、設備費、システム購入費、システム開発費、外注費、技術導入費、広告宣伝費、研修費
どうして失敗してしまうのか
失敗理由 1 外部開発会社とのコミュニケーションのギャップ
相談を受けた企業は例外なく、外部開発会社を利用して開発を進めていました。私自身、直接外部の開発会社の人とは話をしていないですが、開発会社と依頼者との期待値がギャップがあり、ビジョンや目的の共有不足が明確にあるのではないかと思います。
依頼者から共通で出てきた言葉として「◯◯機能が〜」という言葉が頻繁に出てきてまして、会話が機能にフォーカスしすぎてしまい、必ずギャップを生じた結果、ギャップが大きくなってしまったんだろうと予想しています。
失敗理由 2 ユーザーニーズとのミスマッチ
事業再構築補助金は決めた内容を期間内に開発を開始し、決められた期間内に完了する必要があります。通常枠の場合は交付決定日から12カ月以内に完了する必要があります。
この制約が現代のソフトウェア開発のフローと相性が悪く、早期のMVP開発やユーザーニーズの継続的な検証が困難になっている点が問題だったと思います。
失敗理由 3 品質保証/品質管理の問題
外部の開発会社に依頼先の技術力や得意領域について、事前に確認ができていなかったこと、途中の進捗状況(機能確認など)が不足していて、リリース直前で想定していなかった問題が頻発したりなど品質管理にも多少問題があったと予想しています。
失敗から学ぶ成功へのヒント
もし仮に今回のように事業再構築補助金を受けて開発会社に委託するのであれば下記が必要になると考えています。
明確なビジョンの共有
開発するサービスのビジョンや目的を積極的に共有しましょう。
また、共有する方法も資料などを用いてわかりやすく共有できると理想ですユーザーニーズの検証
開発前から可能な限りのユーザーニーズの検証を徹底的に実施することができると良いです。例えばノーコードなどでMVPを作ったり、LPだけ作ってみるなどニーズの検証を事前にしておくのは重要となります開発会社の選定と確認
委託先の開発会社の実績や技術力を確認し、途中段階でのデモやテスト環境での確認を定期的に行っていくことが重要です
上記を行えていれば今回、もう少し防げた失敗はあるのかなと思いました
上手な事業再構築補助金の使い方
内部に開発チームを持たずに外部の開発会社を使った開発は非常に難易度が高いです。
内部に開発チームを持ちつつ、自分の行いたい領域が得意な開発会社に開発を依頼するのが良いのかなと思っています。
また、一気に開発をするのではなく、早めにリリースしてニーズの検証しながら開発したらいいんじゃないでしょうか。
※事業再構築補助金は広告宣伝・販売促進費や外注費にも使えるとのことなので一部はそちらに使ったらいいかもですね
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