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TRI-X(400TX)をISO400〜3200まで増感してみたレポ

こんにちは。ワタナベ(@sutougen)です。

最近モノクロフィルムでのナイトスナップにハマっていて、Leica M3にSummicron 50mm F2を合わせて週に2〜3度のペースで夜の街に出ています。

撮影は主に原宿・渋谷エリア。これは僕の会社が近くにあるからで、終業後、駅までの道を歩きながらシャッターを切っています。

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さて、夜のフィルムスナップで困るのが感度の問題です。

市販されているほとんどのモノクロフィルムの感度は100〜400で、夜の手持ちスナップに使うには少々の不安が残ります。

僕の好きなkodakのTRI-X(400TX)はその名の通り感度400。このフィルムで夜であれば絞りをF2、シャッタースピードを1/30以下にすれば撮れないこともありません。それでも手ブレの心配は出てきますし、ミラーショックのある一眼レフならなおさらでしょう。

そこで今回は、現像時間を伸ばすことでフィルムの実効感度(EI)を上げる、増感を試してみたという記録です。

一般的に増感をするとフィルムの粒子が荒れ、コントラストも高くなると言われていますがTRI-Xではいったいどうか?それを自分なりに実験してみました。

実験はなるべく環境を揃える必要があるので、現像からスキャンは以下の組み合わせで行いました。

現像液:Kodak D-76 原液(レシピは公式のものを使用)
スキャン:Nikon ES-2
カメラ:Canon EOS 5D mark III + SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG
ネガポジ補正:Adobe Lightroom , Photoshop

これはネガをマクロレンズで接写する「デュープ」という方法です。ネガポジ反転の手間はありますが、概ねスキャナーよりも早く、手軽にデータ化できるのが利点です。

と、本筋から離れるテーマはいったん脇に置き、まずはISO400のままの写真から見ていきます。


1.まずはISO400のままの写真

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まずはISO400で撮った写真です。D-76の原液を22℃、6分間現像しました。

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粒子も細かく夜のスナップとしては十分な写りです。ここにあげた写真のように、繁華街のように光量のある場所では夜でも手持ちで撮ることが出来ます。

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しかし被写体に光が当たらない部分ではこの通り。かなりアンダーになってしまいました。写真の男性は友人ですが、彼が来ている服のディティールはスキャン後に補正してもまったく持ち上がりませんでした。


2.ISO1600に増感してみると...

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