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【レポ③】人に寄り添う革新的サイバニクス技術【ノーベルプライズダイアログ東京2019】

4部構成のノーベル・プライズ・ダイアログ。
第1部「長寿化と社会」のレポ3つめです!

前回までのレポはこちら
人口高齢化を重視すべき理由
長寿社会における生き方

人に寄り添う革新的サイバニクス技術

人・ロボット・情報系が融合複合した新しい領域『サイバニクス』を創成。世界初のサイボーグ型ロボット「HAL」を開発したCYBERDYNE株式会社CEOでもあり、筑波大学システム情報系 教授でもある山海嘉之先生。インタビュー形式でお話しを伺った。

内容としては、

・世界初のサイバニクスシステム
→頭の中で考えるだけでロボットが動く「着用可能なサイボーグ」が開発された。歩くのが困難な高齢者だけでなく、幅広い年代の患者にも有用。たとえば、2歳のときに事故で完全脊髄損傷になり10年以上体が動かなかった少年が「HAL」を3時間練習しただけで動けるようになった事例がある。

・ロボットとサイボーグの違い
→ロボットはコンピュータ自体が機械の動きを制御している。
 サイボーグは人の脳が機械の動きを制御できるもの。

・再生医療との融合へ
→サイバニクスは、途切れてしまったシナプス(神経細胞間の結合)が神経細胞や筋肉へと繋がるように、改善のサイクルを回すきっかけとなる技術。神経系を大きく損傷してしまった患者にも有効だが、神経細胞自体を増やす必要もある。そこでiPS細胞を用いた再生医療の第一人者である京都大学の山中先生、慶應義塾大学の岡野先生とタッグを組んで進めている。

・コンピュータに人の考えが読み取られる恐怖
→日本人はハイテクを好んで使っているという印象はあるが、IoH/IoT(人と物のインターネット)については今後議論が必要と考えている。

  

今現在は、機械を軽量化することや、皮膚の下に入れられるような半導体チップの開発も進めている。今後の展望として、サイバニクスの発展によって パーキンソンや筋ジストロフィー患者への介助負担を軽減することにも繋がるのでは、とおっしゃっていた。

ここまできたか、テクノロジー。サイボーグというものも漫画や映画の中だけの話じゃなくなってきたのね。
  
これまで独立して発展していた「医療」と「情報系」の分野が、その垣根を超えて融合していく・・・良き。
最近、企業とかだとジョイントベンチャー(複数の会社が共同で事業を行うこと)で相乗効果が起きてるよね。ビックカメラとユニクロだったり、LINEとサイバーエージェントだったり。
学術系は比較的「閉ざされた分野」な部分が多いと思うけど、この「医療と情報系」を皮切りにいろんな分野でも融合が起こって、相乗効果的に発展していくといいな。

   

  

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