CHIHIRO 「書く」を真ん中に生きていく。

佳き発信者、受信者でありたい。その想いを基に、紆余曲折を経て、web media企業で…

CHIHIRO 「書く」を真ん中に生きていく。

佳き発信者、受信者でありたい。その想いを基に、紆余曲折を経て、web media企業でライターとして勤務中。書く現場に身を置いて、伝える力を磨いていきます。借り物の言葉ではなく、自分の言葉で表現できるように、noteにはエッセイや読書記録を綴っています。石川県在住、2児の母。

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文章が腐る。

吉本ばななさんの著書『小説家としての生き方100箇条』に、くり返し、くり返しでてきた「文章が腐る」という言葉。 この言葉が目に入るたびに、居心地が悪くなってくる。 それはきっと、これと同じくらい破壊力のある言葉を私は聞いたことがあって、そのときの感情も一緒に引き出されるから、敏感になっているのかもしれない。 それは 「ゴミみたいな文章を書きたくない」 という言葉。  とあるライティングコミュニティに入っていたときに、10年戦士のプロのライターさんがいっていた言葉だ。

    • 自分が読みたいものを書ける自分

      私のnoteとInstagramを両方フォローしてくれている稀有な方がいる。そのフォロワーさんが2年半前に書いた記事に「いいね♡」を押してくれた。 何を書いたのかまったく覚えていない。自分の書いたものなのに、第三者の気分で読み始める。そして思った。 2年半前の私の文章、瑞々しいなぁ。まっすぐだ。 今の私はブレている。迷いながら書いている。 見られること、読まれることに意識が向き過ぎているのかもしれない。 それは悪いことなのか?というと、そうでもないと思う。その視点は

      • 期待値が高いのは嬉しいから。

        あれ、私ったら結構いっぱいいっぱいだったんだ。 久しぶりに職場に行って気づいた。 「期待値ばかり高くなって、ちゃんと声を聞けてなかったよね。仕事量を増やしちゃってしんどかったよね」 そう声をかけられ、ホッとしている自分がいた。 そうか、私ったら期待にこたえようとしすぎてたのか。結構いっぱいいっぱいだったんだな。 そう気づいたら、ようやく息を吐けた気がする。 ちょっとオーバーペース気味だったことに気づいてくれた上司。抱え込んでしまう悪い癖が出ちゃったみたい。 新生

        • イメージの交換。ホントのコイズミさんとメキシコのピアス。

          「ホントのコイズミさん」を知っているだろうか。 俳優、文筆家、株式会社「明後日」の代表取締役である小泉今日子さんのSpotifyだ。 2人の小学生と夫を送り出し、食器を洗いながら、翻訳家の岸本佐知子さんとの対談に耳を傾ける。 こんな言葉が耳に届いて、思わず食器を洗う手を止めた。 こんな感じのことを岸本さんが話していた。 本を読むとは、イメージを感じる連続の作業。 すごくわかる気がした。  世の中には、たくさんの言葉が溢れている。 本の中にも、SNSにも、新聞に

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        • 心の拠り所
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        • 学びになる文章の書き方
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        • 言語化カフェのこと
          19本
        • 読書感想文
          15本
        • 子育てエッセイ
          11本
        • イイトコさがしマガジン el viaje
          14本

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          書きたいのに書けなくなったら、自分への問いかけを変えてみる。

          書きたいのに、書けない。そんなとき、ありませんか。 「書きたい」は「伝えたい」と言い換えることもできます。相手は特定の誰かかもしれないし、自分自身かもしれない。 でも、書けない。言葉にできない。この状態は「すごく」ではないけれど、「ちょっと」しんどいですよね。 私はメディア企業で商業的な記事を書いていますが、noteで個人的な文章も書きます。 今回はどちらかというと、後者視点で「書きたいのに、書けない!」となったときに、役に立つコツをまとめました。お役に立てたら嬉しい

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          書きたいのに書けなくなったら、自分への問いかけを変えて…

          余白の時間もTO DOのうち。娘の衝撃的な一言から気づけたこと。

          「ママは、どうやったら、わらうの?」 先月、下の娘が放った一言は、かなり痛かった。 「え、いつも笑ってるよ」と言ったものの、娘の困り顔を見ると自信がなくなる。 子どもの前ではいつも笑っていたいし、そうしてると思ってたのに。実際は違ってたみたいだ。 その理由は、しばらく分からなかった。この気づきを得るまでは。 3月のとある金曜日。この2ヶ月半を振り返る機会があった。定期的に振り返りをしていたつもりだったけど、もう一歩踏み込んで、自分を省みる機会になったなと思う。 私

          余白の時間もTO DOのうち。娘の衝撃的な一言から気づけたこと。

          「それいいね」から「これよかったよ」の自分になる。

          買ったばかりの雑誌が紹介されているpodcast が偶然流れてきたり、 フィンランドへ行った人の旅の記録がnoteにぽこっとあがってきたり、 自分がいいなと心揺れたモノと重なる瞬間があると、まるでその選択をした自分に「いいね」と後押しされた気持ちになる。 「あなたはそれでいいんだよ。その道を進んでいいんだよ」と、ちょっと大げさだけど、祝福されているようなそんな気持ちにさえなる。 これは、自由とクリエイティビティの代名詞ともいえるココさんのメルマガの言葉。 今はどこに

          「それいいね」から「これよかったよ」の自分になる。

          アートはわからなくても大丈夫。「学芸員しか知らない美術館が楽しくなる話」を読んで。

          ・美術館に行くのは嫌いではないけれど、どうやって楽しんだらいいのかイマイチわからない。 ・アートの知識も作品の背景も知らないから、とりあえず解説を読んでみるけど、頭に残らない。 ・「なんかステキだなぁ」って思うけど、それで終わってしまう。 これ全部、私のことです。 美術の成績はずっとオール3。 描けるイラストはアン○ンマンと似ていないドラ○もんくらい。 ささーっとイラストを描ける人を見ると、心の底から羨ましく思っていました。 そのせいか、アートへの敷居はすごく高くて、普

          アートはわからなくても大丈夫。「学芸員しか知らない美術館が楽しくなる話」を読んで。

          29年ぶりの試み。スキー場でアイスを食べたくなる人の気持ちが理解できた日のこと。

          このセリフを言うのが、毎回面倒だった。 雪国北陸に住み着いて17年。海なし山なし関東平野育ちの私は、毎年やってくる冬が憂鬱でならなかった。 鰤起こしと言われる、冬に鳴り響く雷。 朝になっても薄暗く、灰色の雲で覆われる空。 じめじめとした曇天のため、いつも室内干しの洗濯物。 住み出した当初は、心の中で毎日この環境に悪態をついていた気がする。そのせいか、ウィンタースポーツを楽しもうという気も起こらなかった。 だけど住めば都というもので、だんだんとこの場所が好きになっていっ

          29年ぶりの試み。スキー場でアイスを食べたくなる人の気持ちが理解できた日のこと。

          美しさと恐ろしさは両立するのか。千早茜さんの「魚神」を読んで

          「美しい」という言葉を最後に使ったのはいつでしょうか。 「かわいい」とか「きれい」といった言葉はカジュアルに、そして日常的に使うけれど、「美しい」という言葉は、あまり耳にしない気がします。そして自分の口から出るには、どうも似つかわしくない言葉だなぁと感じています。 だけどこの小説を一言で紹介するとしたら、「怖いもの見たさで夫のLINEを盗み見するような後ろめたさと、モヤのかかった夢の中にいるような感覚に陥る、怖くて美しい小説です」というかもしれません。 注)夫のLINEは

          美しさと恐ろしさは両立するのか。千早茜さんの「魚神」を読んで

          やらされてる感がないことが、納得感と結果につながるという個人的な発見。

          これは誘導瞑想での言葉。そんな風に問われたら、何を思い浮かべますか? 誘導瞑想とは 誘導瞑想とはガイドがある瞑想のこと。つまり、人の声やナレーションなど、ガイドに沿って行う瞑想を指します。 声かけをしてくれるので、その問いに集中できるし、余計な雑念が浮かびづらいなと感じています。呼吸に集中もしやすい。 「輝いていた頃」ということは、もう一度戻りたい頃とも言えますよね。私の場合、いつも思い浮かべるのは、大学時代です。 大好きだったスペイン語やラテンアメリカ文化を好きなだ

          やらされてる感がないことが、納得感と結果につながるという個人的な発見。

          廃業届を提出してきました。

          2022年1月に提出した開業届。2年後の2024年1月に出したのは「廃業届」でした。 提出理由は、「ここで書いていこう」と思える場所が見つかったからです。 廃業届の提出は、開業届と同じくらい、あっけなく完了。私の個人事業主としての活動は、2年で終了となりました。 そもそも。 そもそも、なぜ開業届を出したのかというと、ライターになりたかったから。つまり書くことを仕事にしたかったからです。コネも経験も資金もない私は、その時点の私ができることとして、自分の好きなことや情熱

          廃業届を提出してきました。

          「ほぼ日手帳」デビューして思うこと。

          ほぼ日手帳は、発売して20年超のロングセラー手帳。 「なんかいいなぁ」「使ってみたいなぁ」と憧れを募らせながらも、なかなか手が出ない存在でした。 初めて目にしたのは、確か大学2年生のとき。 肩までのゆるふわパーマが似合う、小動物みたいな可愛い同級生が使っていて「私もあんな手帳を持ちたいなぁ」と思っていました。 と同時に、あの子には似合うけど、私は使いこなせないかもなぁ…とも。 当時の私は、無印良品の100円手帳をカスタマイズして使っていました。 それはそれで楽

          「ほぼ日手帳」デビューして思うこと。

          待つことの尊さと難しさを教えてくれる映画。「1%の風景」を見て。

          「命を産み、育てるあなたのそばに、信頼できる誰かがいますように」 そんな言葉が添えられたポスター。その中心には、産まれてきた赤ちゃんとその小さな命を愛でる優しい人たちの顔がある。 このドキュメンタリーは「出産」に関わる人たちに焦点をあてた映画だ。出産は、命ある者、この地球に生きている人なら、誰もが必ず体験してきている。そして多くの女性は命を生み出す経験をしている。にもかかわらず、その体験・経験は人それぞれで唯一無二。同じ出産をした人はいない。だから「出産」というと、自分の

          待つことの尊さと難しさを教えてくれる映画。「1%の風景」を見て。

          日常に足を踏み入れてまずしたのは、郵便局に行くこと。

          やっと、やっと、「日常」が戻ってきた。そう感じたお母さんたちは多いはず。 私もその1人。 今回の能登半島地震でまだまだ大変な思いをしている人がいるのに「日常が戻った」なんていうと怒られそうだけど、物理的に大きな被害がなかった地域はできるだけ、いつも通りを心がけた方がいい気がする。 経済を回すためにも。そして子どものためにも。 ニュースの映像や新聞の写真を見て、表情が固まる子どもを見るのは心苦しいから、できるだけ目に触れないようにしている。それでも、大人同士の会話は、ほ

          日常に足を踏み入れてまずしたのは、郵便局に行くこと。

          不自由さは前へ進む原動力。西加奈子さんの「ごはんぐるり」を読んで。

          イラン生まれで、小学4年生までエジプトのカイロで暮らした経験を持つ、作家西加奈子さんの食エッセイ。 海外暮らしが幼少期の基盤としてある西さんの食に対する貪欲さは、「不自由さ」からきてるのかもしれないと思う。 虫や石が入っていないピカピカの白米。 安心して口にすることができる生野菜。 真っ白でふわふわの食パン。 日本では当たり前に食べられるものを食べられない不自由さ。その渇望が原動力となって、愛情たっぷりに食べるものを描写している。 例えば、料理本が大好きだという西さん

          不自由さは前へ進む原動力。西加奈子さんの「ごはんぐるり」を読んで。