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ここまでの巨人を振り返る

コロナの影響で試合が延期になりこの記事を書いている2021年5月2日は休養日になりました。

巨人はここまで31試合を消化。同リーグで一番多いのが横浜の33試合、少ないのが阪神とヤクルトの30試合。昨年のように開幕時期がずれる可能性もありましたが無事に日程を消化しており一安心です。

ここまでの31試合で1軍の成績をもとにこれから始まる交流戦や後半戦を予想していきたいと思います。まあまだ20%ほどしか消化していないので、単純計算でx5をすればおおよその数字が見えてきます。

もちろん5勝無敗の高橋は25勝0敗になるので、期待しつつもそのくらいの精度のデータであるのはご承知ください。

投手編

一覧にするとこんな感じですが、見にくいので所々抜粋して見ていきましょう。

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登板数

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上位はこんな感じです。中継ぎエースの中川がトップの14試合。31試合消化なのでシーズン終わりには65試合くらいになるハイペースで投げています。今年は9回打ち切りなので接戦の7-9回にかなりの頻度で登板しています。

ビエイラ、鍵谷、高梨が11登板で続きます。デラロサが一時帰国した関係もあり、ビエイラはかなり登板機会が増えていますね。

先発

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ここまで先発が頑張って試合を作れていることがチームにとってかなりプラスになっています。QS数/QS率にも出ていますね。

現在は中継ぎで配置転換されている野上、ファーム調整中の井納以外は複数回の先発をしており、基本的には上位6人が現在もローテを支えています。

特筆すべきは5戦5勝、防御率1.80の高橋。高橋はローテ6番手、開幕時は7-8番手の投手でしたが、井納が開幕前に負傷し掴んだ切符でした。ここから記録的な5連勝。どこまで連勝を伸ばすのかも楽しみです。

ただ高橋、今村、戸郷、畠、サンチェスと菅野以外は疲れが数字に出てきており、サンチェスは右肩違和感で、戸郷も調整のため抹消されています。

GWとコロナによる変則日程とサンチェス、戸郷の抹消もあった先週は中5ローテで乗り切りました。しかしこの週の先発の成績は良いとは言えず、先のカードでは通算でも好成績の今村と菅野が中日相手に打ち込まれ連敗を喫しました。

できればもう2人くらい先発で台頭してこないとシーズン通しては苦しいのかなと思っています。それが中継ぎ起用になっている野上や桜井なのか、FAで新加入の井納が意地を見せるのか、横川や井上、平内のような若手なのか。

中継ぎ

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中継ぎは中川をリリーフエースに鍵谷、高梨、ビエイラ、高木京、大江、田中豊などを中心に構成されています。守護神はデラロサですが現在はビエイラになっています。

昨年はここに大竹がいたのですが、開幕から調子が上がらず抹消後はファームでの登板もありません。高木京、戸根、平内が抹消され、開幕出遅れた大江、ファームから桜井と野上が昇格し現在のメンバーに落ち着いています。

この中継ぎのデータを違う視点で見てみましょう。

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WHIPと奪三振率です。

WHIPは1イニングあたりに出す走者の数。1.20を下回ると主力、1.00を下回るとエース級、逆に1.40を上回ると良くないとされています。

奪三振率は9回完投した場合の奪三振です。毎回奪三振でも9.00、大体ですが、最多奪三振のタイトルを争う選手であれば10.00を超えてくることが多いです。(現在セリーグ最多奪三振の中日柳は10.85)

WHIPを見てみると、1.20を下回っているのは中川、デラロサ、桜井、野上、戸根です。現在1軍で投げているのは中川、桜井、野上だけですから昨年の中継ぎ陣からすると中川以外は計算通りの成績ではないことが分かります。

面白いのは、WHIPが1.77の田中豊、2.00の高梨の防御率が0.00なこと。この二人はランナーを出しても、抑えている、もしくは次の投手が抑えていることになります。

ここにさらに二つの指標を加えます。

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1つのアウトを取るまでに打たれる安打の数と、与える四死球の数です。

これはWHIPの内訳だと考えてください。

1アウトを取るまでに打たれる被安打では、デラロサ、野上は0.5以下なので、データ上は1イニング投げて被安打1-2程度です。

逆にビエイラ、高梨、平内、高木京、鍵谷、大江、大竹は1イニング投げたら3本ほど打たれます。大竹に限っては7-8本打たれる計算です。

次に与四死球です。

田中豊の1.23が目立ちます。1イニング投げると3個以上与えることになります。これで防御率0.00なのが少し信じられない数字です。

田中豊だけでなく全体的に中継ぎ陣に与四死球の多さが目立ちます。登板過多が予想される今シーズン、球数少なく戦うためにもこの指標は数字を向上させたいところです。

ここまでまとめてきて、投手では先発の7-8番手、中継ぎでは与四死球の削減が鍵になりそうです。

。。。田口!!!!

廣岡とのトレードで放出した田口はこの条件を満たしているんですよね。うーん痛い。

野手編

投手編と同じく一覧にするとこんな感じですが、見にくいので所々抜粋して見ていきましょう。

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オレンジに塗っているのは規定打席の96打席をクリアしている選手、黄色に塗っているのは96打席の半分の48打席をクリアしている選手です。規定打席の半分の定義は特にありませんが、コロナの影響もあり規定打席で出すと偏りがあったので「主力」を見る上で参考にしています。

出場試合数

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コロナで離脱の丸やウィーラー、若林が抜け規定打席組と代走での出場の多い重信や増田大が上位にランクイン。

原巨人の終盤の戦い方として広く知られていますが、数字にも表れています。スモークの合流もあり今後も終盤に代走起用は多くなっていくと予想ができます。

打席数

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次に打席数です。出場試合順と比べると丸とウィーラーが入ってきました。「試合数は少ないけど打席は多い=出場している試合は終盤まで起用されることが多い」ことが分かります。

色を付けた選手で8人になるので、外野の一枠や一塁、二塁などポジションの重複はあれどここまでの31試合で主に起用された選手が分かる結果です。

スモークの加入で直近の数カードだと松原がスタメンから外れ、セカンドでは吉川尚ではなく若林、ウレーニャの起用などもありました。松原の得点数を考えると、スモークによる攻撃力アップと松原を外すことによる走力ダウンが分かります。

ただ盗塁数はまだ2つと今一つの数字なので、スモークに終盤+代走/守備固めと松原を先発出場させることの天秤ですね。

ファーム戦ですが、ウィーラーや香月もセカンドで出場しており、セカンドにウィーラーでレフト松原の超攻撃型のオーダーも見てみたい気もします。

これから交流戦に入った際にかなりの確率でスモークがDHに入ることが予想されます。その際にファーストとレフトを誰が守るかも注目したいですね。

安打数

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次は安打数順です。31試合全てに出場している4選手が上位ですが、特筆すべきはウィーラー。14試合、52打数27安打で打率は.519と驚異の数字です。

スモークやテームズの加入も刺激になったと思いますが、直近の試合でも存在感を感じます。

ここまでの数字でも出ている通り、出場試合の多い選手にも、打席数の多い選手にも、3割以上打っている選手はウィーラーと重信だけなんですよね。

重信も40-13で打率.325。規定打席に入ってる中で一番高いのが梶谷の.287、次点が大城の.286です。先ほど松原が交流戦に入りレギュラーに返り咲くかという話をしましたが重信の方が打率的には高いです。限られた出番で結果を出しており、代走メインの出場で盗塁数も増田大と並びチーム2位。この点でも外野の一枠の争いは熾烈です。

本塁打

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岡本を筆頭に梶谷、坂本、大城と続きますが、リーグ全体で見るとヤクルト村上と山田の10本が最多で、阪神の佐藤、サンズ、広島の鈴木、阪神のマルテ、横浜のルーキー牧と続きます。岡本はその次で同率8位、梶谷や坂本、大城はその次に同率12位となっています。

本塁打争いに入っていない感じがありますが、チーム本塁打数は12球団最多の35本。東京ドームという地の利もありますが、一人が多くではなく、みんなが均等に打っている感じですね。

ここの一つ別の見方をしてみましょう。放った安打が本塁打になる率を見ていきます。

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香月と新外国人のスモーク、好調のウィーラー、そしてプロ初本塁打を打った増田大が高い数字になっています。そこから岡本、中島、大城はイメージ通りでしょうか。

坂本よりも吉川尚が高いのは驚きです。打力がと巨人では言われますが、長打力だけで吉川尚より廣岡という判断はイメージに過ぎないことが分かります。そして坂本は松原と本塁打率は変わらないんですね。

昨年の岡本、坂本、ウィーラー、中島、大城の数字を入れてみます。

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あくまで確率の話ですが、スモークと香月を主力として一年使い続けた場合、昨年の本塁打王の岡本の31本に近い数字を残すことが期待できます。これは香月の昇格と、すでに結果残していますがスモークにも期待が持てますね。

昨年より本塁打の可能性が岡本は2分7厘、坂本は1分下がっており、大城は5厘ほど上がっています。このまま大城が出場し続ければ20本も達成可能かもしれません。

逆に坂本は19年の40本から昨年、今年とペースは下降気味。史上二番目の若さで2000本安打、ショートの最多出場記録更新もした巨人の顔ですが、長打力という部分では少し陰りが見えてきました。

打点数

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1番で多く出場している梶谷が大城や坂本より多く20打点でチーム2位。リーグでも8位と健闘しています。打撃不調で6-7番あたりを打ったりもしましたが基本は1-2番の上位での起用。この打順で打点を稼いでるということは、下位の選手が出塁するケースが多いということですね。

大城やウィーラーが7-8番を打つことも多く二人とも打率はチーム内では上位。このあたりの選手を筆頭に代打で出塁する選手結果を残してるのが想像できます。

さらに梶谷は得点圏打率.333。2018年から3年連続で得点圏打率を3割以上にしており、チャンスの強さには定評があります。

走者を返す長打力や決定力があり、脚も速い。原監督が理想の1番と評するのも納得できる数字です。

得点数

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続いては得点数です。代走の増田大も入ってきました。

主力の離脱中に1番に定着した松原がチームトップの19得点。リーグでも5位に付けています。この数字のさらに凄いところは、打席数が100以下で得点数ランキングに入ってるのは21位に横浜の桑原(99打席)、22位にヤクルトの塩見(92打席)と軒並み100打席以上です。

松原と争っているのも首位打者の菊池、阪神のリードオフマンの近本、中軸のマルテと大山、横浜の4番の佐野です。ちょっと表現を変えてみましょう。

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得点数を打席数で割ってみます。増田大のように代走出場の多い選手であれば打席数が少ないため高い数字になる可能性がありますが、菊池を始め他の巨人の選手もレギュラークラウスの選手です。

松原は代走の出場もありますが、今シーズンは自力で出塁するケースが多いです。その中で数字を見ていくと、松原が打席に立つと.211=21.1%の確率で得点しています。打点を挙げている選手があっての数字ですが、松原を上位に入れることと得点力の相関性があるのは確かそうです。

三振数

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三振の多さと、三振率=三振のしやすさを見てみましょう。

三振の数が多いのは梶谷、岡本ですが三振率も合わせて見てみると確率的にはそれほど高くないのが分かります。

今シーズン波に乗れていないなと感じるのは丸と亀井でしょうか。ヒットを打つ可能性より、三振をする可能性の方が高くなっています。

特に丸は三振率が3割とかなり深刻です。先日の試合では懲罰交代として早々に交代もさせられました。丸の復調はこれからの巨人の戦い方の中でもかなり重要なピースになりそうです。

そして最も三振をしにくいのは坂本。これは流石としか言いようがないですね。

盗塁数

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続いては盗塁数です。リードオフマンの梶谷がリーグトップの9盗塁と目立ちます。次点が増田大と重信。代走での出場が多いです。

松原は出場数や打席数を考えるともう少し頑張って欲しいですね。坂本や亀井はディレイドでの記録かな。あまり単独で仕掛けるイメージはないので。

出塁率

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野手の最後は出塁率順で見ていきましょう。20打席以上でソートをかけています。19打席の増田大、16打席のスモークなどが漏れています。

規定打席内では坂本がトップの.385。その坂本よりも高いのが打率5割超のウィーラー。そして2位はなんと重信です。

ここまでの結果からもっと重信使っていのでは?と考えるようになってきました。かなりの好成績です。

またセカンドは出塁率なら若林が優っていて、長打力なら吉川尚になりそうですね。

最後に

ブログとしてはかなり大作になりましたが、細かな数字を挙げたらキリがないので考察はこのくらいにします。

最後に主力選手の数字を143試合換算で見てみましょう。冒頭にも書いた通り参考程度に見てもらえると嬉しいです。

まずは野手から。

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ペース的には梶谷が161安打でチームトップ。最多安打のタイトルは2019年に大島の174、2018年はビシエドの178本。15-20本くらい増やしていければ最多安打のタイトルを狙える位置にいるでしょう。

本塁打は岡本が23、坂本と梶谷と大城が18、ウィーラーと松原と香月が14となっています。松原と香月は出場数的に10本行けばって感じかな。ウィーラーは20本は超えて欲しいですね。

ヤクルトの山田と村上が46本ペースなので今年は本塁打のタイトルは現状では苦しい位置にいます。ただ打点数は115と十分可能性のある数字が出ました。2019年はソトの108、2018年はバレンティンの131で打点王に輝いています。岡本にはこれから本塁打のペースを上げてもらって2冠を取って欲しいですね。

盗塁数では梶谷が42盗塁とかなりのハイペース。2019年は近本が36盗塁、2018年は山田が33盗塁でタイトルを取っています。梶谷の盗塁王は大きな離脱がなければかなり可能性が高くなっていると思います。

続いて増田大と重信が18盗塁。増田が昨年23盗塁、重信は2019年に106試合で14盗塁なのでかなりリアルな数字だと思います。20盗塁前後は濃厚ですね。

続いて投手の先発から

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高橋の23勝0敗は置いといて、今村、戸郷、菅野、高橋、畠が10勝前後の期待が持てそうです。

規定投球回を達成見込みなのは今村、戸郷、菅野、高橋の4投手。

タイトルの可能性だと、筆頭は高橋の最多勝と最優秀防御率、最高勝率でしょうか。過去3年では防御率が1.82~2.58、最多勝が14~15、勝率が.682~.875となっています。勝率8割となると17-18勝あたりまで伸ばさないといけないですね。現在のローテ6番手では登板数も少ないので、今年はオリンピックの休みもありますし、交流戦やオールスターの休みなどでローテが変更になるタイミングで表ローテに上がってきてもいいのかなと思います。

最多奪三振は180-200くらいまでがタイトル争いになることが多いので、このペースだと全員厳しそうですね。。。

先に名前の出た柳はこのペースだと217個の三振を奪うペースです。

リリーフも見てみましょう。

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65登板で32HPなので、もう少しHPは増えていってもいいのかなと思います。今は勝ち負けが付いたり、同点の9回に投げたりするのでHもSも付かないことが多いんですよね。最優秀中継ぎは例年40HPくらいになることが多いです。中川は十分狙える位置だと思います。

セーブはデラロサとビエイラで合計して28S。それっぽい数字になりました。最多セーブは例年30前半が多いです。デラロサが減ってビエイラや中川が増えることが予想されるので、最多セーブのタイトルは難しいと思います。

にしても登板数が多すぎますね。。。

さてシーズンはまだ20%ちょっとですが現状のペースからタイトルまでを予想してみました。半分の70試合あたりでまたやってみたいと思います。

その時からペースの上がる選手がいるのか、下がっているのか、ここに名前のない選手が一気に上がってくるのか。

現在は無観客ですし、球場でも声を出して応援はできない苦しいシーズンですが、今シーズンも無事にペナントを終えることができ、リーグ3連覇そして日本一を期待しましょう。

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